「ハードウェアのシリコンバレー深圳」に学ぶ

2015年と2017年に参加したニコニコ技術部深圳観察会でお世話になったJenesisの藤岡さんの本がついに出た。深圳で自ら中国人を雇って工場を経営するに至る10年間とその後に自社工場での試行錯誤の6年間の計16年間の深圳の製造業との関わりを著したとてもディープな一冊である。

「はじめに」から既にして妙にアジアの熱気が伝わってくる。

さて、それでは本論を始めよう。2001年当時の深圳は出稼ぎ労働者と中国人であふれかえっていた。いわば流れ者たちの世界だ。夜の店も多く、猥雑さと無秩序が色濃く残る世界に私は足を踏み入れた。

序盤から「Che-ez!」なんて懐かしい名前が出てきて驚いた。当時Sonyのデジタルマビカ40万画素フロッピータイプのデジカメ)を使っていた大学生の自分にとって、もっと高画質で数多くの写真をメディア交換なく保存できるトイカメラにはとても注目していたから。

外部の人間にも関わらず、NHJの製品開発を手動するという不思議な関係は約1年間にわたり続いた。こうしてついに新センサーを搭載した「Che-ez!」の次世代機が完成。画素数130万画素へと大きくレベルアップすることで、他社を上回る性能を手に入れた。

まさか藤岡さんが手がけていたとは。ちなみにこの本はディープな話もわかりやすく解説されていてよい。

「白牌」というのはノンブランドを意味する。この場合のノンブランドとは、単に無名メーカーが作ったことを意味するのではない。白紙のノートのように、後から別のブランドが書き込めるという意味だ。

・・・

こうした白牌製品にブランドを書き込む行為が「貼牌」だ。白紙に自分たちのブランドを貼り付けるというわけだ。「白牌/貼牌」を使えば、一切開発、製造することなく、簡単にメーカーになれてしまう。

「そこで私は他社と競合しない貼牌戦略を考えついた」とか、自らの経験がないと絶対書けないような話がたくさん出てきて面白い。それにしてもこれを25歳でやっていたわけで、現在あれだけ貫禄が出るのも納得である。

NHJ時代、私は日本メーカーが開発する最新部品情報を常にチェックしていた。腕時計型テレビのきっかけとなったのは、ソニーのグループ会社が開発したシリコンチューナーだ。当時としては極小の切手サイズでアナログテレビの受信を可能とする一品だ。

こうした新規性の高い部品が出ると、私はいつも「これで何が作れるか」を考えた。

イデアを思いつくだけでなく、形にするところまで遂行するところに凄みを感じる。

例えば2,500発家電では、「コンテナ発注」という方式を取り入れた。「デジタルカメラ1,000台」というような契約ではなく、「コンテナ1個分」という形式で契約するのだ。海上物流はコンテナ単位で値段が決まる。1,000台で契約したとしても、もしそれがコンテナ1つに収まらずに2つに分けたら輸送費が2倍になってしまう。

こういう合理的な考え方の例が実に具体的に書いてあってとても面白い。 

無茶ぶりされると燃えるタチなのだ。実はNHJ時代も自分のオリジナル企画商品よりも、厳しい要件での受託製造のほうが燃えるという部分はあった。

この性格が今の受託工場につながっていると思うと興味深い。自分の性格を知り、パフォーマンスを最大化するような選択をすることの大切を実感する。

公板・公模の話も興味深いが、パキスタンの携帯の話がとても面白かった。

携帯電話には1台ごとにIMEIという固有の製造番号が割り当てられている。ところがその山塞携帯は同一機種すべてに同じ製造番号が割り当てられているのだ。盗まれた携帯電話のIMEIを使って通信ネットワークに接続しないようにキャリアが設定したところ、数千台がとばっちりを受けてしまったというわけだ。

そして工場を立ち上げる藤岡さん。

運が良かったのは、起業した2011年に地デジ終了という大イベントがあったことだ。日本では地デジチューナーの在庫が払底し、作れば作るだけ売れるという特需が到来していた。「今すぐ地デジチューナーが欲しい」という注文が飛び込むと、私はすぐに中国の工場を抑えた。

このあたりは映像で見てみたい。

説得に応じてくれないというならば、残る手段は金しかない。私は銀行へと走った。下ろせるだけの金を引き出して寮に戻った。ボーナスとしてこの金を支払う。だからどうか手伝ってほしいと頼み込んだ。

BOM(Bill Of Materials、部品表)の話は見学に行ったときに聞いていたが、こうして全体像を把握してから改めてみるとどれほど重大なことなのかようやく腑に落ちた。

この電話番号付きBOMを手にして、私はようやく深圳のエコシステムの秘密を悟ったのだった。

・・・

方案公司は単に基板設計を担っているだけではなく、ガイドの役割を果たしている。本来ならばきわめて難易度の高いはずの深圳エコシステムの活用を容易なものへと変えてくれる。

その他、クーデターの話や職場の前で張り込みをする話など、実に密度が濃い。

そうした日本のスタートアップにアドバイスしたいのは、ハードウェアの性能は必要最小限に抑えることだ。主体であるサービス、コンテンツ、ビジネスモデル(いわゆるコト)を実現することに注力するためには、デバイスをきわめてシンプルにするべきである。スタートアップがハードウェアで差別化することは極めて困難だし、大手企業ですらモノ単体では難しいという事実は、日本のエレクトロニクスが苦境に陥っていることから明らかだ。アイディアやサービス、コンテンツ、ビジネスモデルで新規性を打ち出し、デバイスはそれを実現する手段と割り切るべきだろう。

最後のこの提言は、この著者が言うととても重みがある。

そんなわけで、非常に濃密で具体的で実用的でかつとても楽しく読めるこの本は非常におすすめである。

参考までに、過去に工場見学に行ったときの感想へのリンクを貼っておこう。

深圳のエコシステムを理解した上で、うまく活用して良い関係を築いていける人が増えていけばいいと思う。

深圳ビアフェス・メイカーフェア おまけ

何かと話題の蘭州拉麺の店があったので、朝食をここにした。

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何度食べてもパスタのような中華麺のような不思議な感じがする。

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電気街にVRコーナーがあったので少し見てみた。

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こういうぶら下げる系もあるようだ。

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試してはいないけど、がっちりした筐体のものよりも進歩を感じる。

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中国の宇宙船といえば神舟

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入り口はこんな感じ。

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そして久々に電気街。なんかきれいな店が増えたなーって感じた。

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玄関の鍵もこういうのが主流になるのかな。

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またこの店に来た

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 カメラの専門店もある。けっこう本格的。

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 こういう相変わらずの電気街をみると安心する。

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この日の午後はinsta360に今年3度目の訪問をすることになっていたので移動した。insta360 proのスペアバッテリとかGPSモジュールとかinsta360 oneの防水ケースとかをオンラインで買おうとしたら送料と関税でなんか異様に高くなってたので、ダメ元でピックアップしていいかと聞いたところ、在庫あるからOKとのこと。言ってみるものだな。ちなみにプロセスとしては、事前に在庫があることを確認した上でオンラインでorderして、オーダー番号を伝えて送料や関税を差し引いてもらい、差し引かれた額をpaypalやカードで24時間以内に払う。で、現地でピックアップ。

そんなわけでまたやってきた。早く着いたので、4月に行ったカフェでちょっと休憩。

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あれからまだ7ヶ月しか経ってないわけで、人生の加速を感じる。無事発注していたものをゲット。

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それからなぜか3日続けて小米旗艦店へ。やっぱりリュックが欲しくなったから。

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そして、華強路のmaker hotelで荷物をピックアップして、地下鉄で皇崗口岸まで行き、skylimoで香港空港へ。完全に香港素通り。途中、コンビニで買った飲むヨーグルト美味しかった。

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次にこの香港空港に来るときはe-道だ。いつ行こうかな。

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チェックインして、またフードコートのタイ料理 

f:id:pho:20171113190425j:plainそんな感じで2泊3日のビール旅終了。いろんな人に会えて、このタイミングで行けて本当に良かった。やっぱり4時間くらいで行けるのでとても気楽に行けて良い。航空券とホテル代合わせても3万円しないし小米は相変わらず安い。むしろinsta360 proのアクセサリの方が高かったかも。

深圳ビアフェス・メイカーフェア 二日目

日曜日はメイカーフェアの最終日だけど、午前中はxfactoryの見学。地下鉄7号線で茶光駅まで行き、そこからmobikeで向かった。mobike便利すぎる。

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4月に来たときはできたばかりでまだ空っぽな感じだったが、今回はとても動いている感じがした。

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ハードウェアを作っているスタートアップならここに入居したらいい。

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一人あたり月600元で入れる。今の自分の方向性を考えると、ハードウェアはメインじゃないなあなんてことを思いながら見学した。

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mobikeで移動して、昼食。

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そしてようやくメイカーフェアに到着。

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2年ぶりの深圳メイカーフェアだけど、会場が違うと全然雰囲気が違う。

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商業っぽいものはあまり目立たず、手作り感ある感じでちょっと意外だった。

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ざっと見て回ってからPETSブースのお手伝い。3日間のイベントのラスト半日だけやってきてお手伝いというのもおこがましいけど、多少なりとも貢献できたら良い。

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PETSを知ったのは4月のkickstarterのときだけど、プロモーション動画を見ても正直いまいちピンと来なかった。でも7月に西安メイカーフェアで実物を見て、たまたま1時間くらい店番をしたところ、これは奥が深いし面白いと感じた。8月の東京メイカーフェアで中の人と少し話して、11月にシンガポールで一緒に呑んだくれて、ポロシャツのサイズを聞かれて、深圳メイカーフェアに至る。

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大学生のときに家庭教師や塾講師をやっていた頃も思ったけど、人が一生懸命考えてわかったって表情が変わる瞬間を見るのがなかなか心地よい。あと自分でルールを作れるゲームというのは自由度が高くて面白いと思う。

終了後、また小米之家に行き、白石洲へ。ちょっと新規開拓しようかなと思って、mobikeで直行するのではなくいつもと違うルートをのんびり歩いてみた。

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屋台エリアはなかなか魅力的。路地裏はもっと魅力的。

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もうこの怪しげな雰囲気がすごくいい。

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これは漬物屋さんだろうか。京都に錦市場をちょっと思い出した。

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この酒屋さんがものすごく気になった。様々な種類の白酒を瓶で保管して上に蓋をしているようだ。この手作り感あふれる雰囲気が最高に良い。白酒の知識をもう少し身につけてから再訪することにする。

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ここは豆腐っぽい。

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見た目がすごくわさびっぽいものがあったけど、さすがにそれはないか。

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路地を抜けた正面はこんな感じ。ここから5分も歩けばクラフトビールエリア。

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そんなわけで、白石洲駅からPeko Brewingまでの道のりも、ちょっと寄り道したら楽しい。

深圳ビアフェス・メイカーフェア 初日

ちょっとビールを飲みに深圳に行ってきたのでその記録。土曜の朝に出発して、月曜日の夜に戻ってくるという比較的のんびりしたプランである。

朝9時過ぎの飛行機で昼過ぎに香港に着いて、skylimo乗り場へ。100香港ドル

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いつものようにstarhubのhappy roamで通信は無問題だし、お金は前回余った香港ドルがあるので両替なし。中国元は事前にwechatに入れてもらってきた。現金も多少ある。深圳通も当然あるわけで、準備らしい準備はどんどん不要になるのがありがたい。

皇崗口岸で国境を越えて、地下鉄に乗り、電気街を通過して紅嶺北駅に向かった。駅前でmobikeを拾って、Halo広場のビアフェスに到着。

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中国各地からクラフトビールが集まるイベントである。

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 なんか見慣れた人がいた。ここでTシャツを購入。

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なんかいろいろ飲んだ。

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これは北京のクラフトビール。こういうアジアなデザインもかっこいい。

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出展者がまったり動画を撮影しているような緩さが良い。

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支払いは当然wechat payment

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美味しいのは美味しいけど、酒作ってる場所でまったり飲むことと比べるとこういうイベントは混雑してるしいまいち落ち着かないのでなんだかなあと感じてしまう。自分が求めているのは量でも種類の豊富さでもなく、空間であり体験なんだなあと思った。

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まあでも情熱を持ってビールを作っている人々が集まるイベントは貴重だし、ご機嫌に酔っ払うビールクズを見ているのは良いものだ。そんなところで切り上げて、電気街のホテルにチェックイン。予約したのはQuchuang Hotelなんだけど、住所の場所に行ったらMaker Hotel(趣创酒店)だった。

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なんかとてもまとも。一泊4500円。ウォシュレットがない以外は日本のトイレと遜色ないわけで、現場に行かない外野は一生妄想と評論してろとしか言いようがない。

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そして小米之家。正直、もう科学館駅のイオンの小米には行かなくていいなと思ってしまった。

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そして白石洲のPeko Brewingでの飲み会に買ったばかりのPekoのTシャツを来て参加。


Meetup at Peko brewing

いつもオンラインで見かけている人が大集合していて色々と感覚が麻痺していたし、とても楽しかったし、とても貴重なひとときを過ごせたように思う。4月の深圳観察会のメンバーも半分近く来ていたのではなかろうか。あまり他人のことを言えないが、ほんとみんな気軽に深圳に来るんだな。来るたびに何か新しいことが起きているレジャーランド深圳。これだけの濃い人々を集める場所の力というのもの強く感じた。

そんな勢いがある深圳でなんとなくほっとするこの白石洲がとても好きだ。4月になんとなく深圳・クラフトビールで検索して見つけたこの店だけど、行けば複数回飲みに行く圧倒的なホーム感ある場所となっている。そんな場所を見つけられたのはとても幸運だと思う。

深圳360・おまけ

最終日は、香港経由で帰ってきただけなので特に書くことはないけど、一応記録しておこう。朝は電気街をうろうろして刀削麺を食べた。

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ホテルをチェックアウトして、羅湖のイミグレから中国を出国し、香港に入った。一旦空港に行って荷物を置いてから中心部に出ようと思っていたのだが、電車で沙田駅まで行ってバスに乗り換えたもののバスが遅くて全然空港に着きそうにないことが判明。

このまま空港まで行くと中心部での待ち合わせに間に合わないと思ったので、どこか駅に近いところでバスを降りられないものかとgoogle mapとcity mapperを確認。青衣エリアに入ったところでバスを降りて、タクシーで青衣駅まで行き、駅で荷物を預かってもらって一応ミッションコンプリート。

青衣駅から香港駅への移動はとても早かった。鉄道ってすごい。中環まで歩き、MTRで東へ。待ち合わせに問題なく間に合い、昼食。

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今回の旅行の締めくくりとして、iZugarを訪問していろいろとマニアックな話を聞けたのはとても良かった。KC Laiのサブ?オフィスはとても秘密基地っぽい感じでとても楽しそうだった。

来た道を戻って青衣駅で荷物をピックアップして香港空港へ。だいたいいつもチェックインした後に、エスカレーターを上がってフードコートのタイ料理を食べている。

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香港空港にも少しずつ慣れてきた気がする。

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そんな感じでとても充実した2泊3日の旅行が終わった。2ヶ月後にまたここに来ることになるとは、全然思っていなかった。

深圳360・二日目

二日目はあまり予定を入れずフリーダムな感じ。朝の電気街をmobikeで走り回り、朝食を調達。シンガポールのmobikeアカウントですんなり使えてとても便利。

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漢字が読めると何となく意味がわかる。支払いは全部wechat paymentで済んだのでらくちん。

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週末の電気街は全然開いてなかった。朝早すぎたのかな。タイヤの付いたドローンを見かけた。

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プリン美味しい。QRコードをスキャンしたらメニューが出てきて決済するタイプだけど、店の人暇そうだったし、スマホでメニュー見るのまどろっこしかったので普通に注文した。ちなみにこのQRコードtwitterで公開したら、日本の某所からお金が飛んできそうになった。。

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その後、深圳でドリーを作っている会社の人が、自社製品をホテルまで持ってきてくれるということで見学した。

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360カメラを揺らさず移動させるのはなかなか大変なものだなと見ていて思った。

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ショッピングモールで軽く昼食。一部界隈でちょっと話題になった自販機も発見。これが普及すると、デパートの一階の様子が変わったりするのかなという話になったがいまいち想像ができない。

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テーブルのQRコードからメニューを見て決済までできる店。なんか電話番号を要求されて撃沈。前回は電話番号なしでも大丈夫だったと思うのだが。とりあえず現金で払っていて、すごく時代遅れな人の気分を味わった。

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そしてバスでチームラボ展へ。

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一応近くに来た人の動きをセンシングして光っているらしいけど、この場ではどういう規則に基づいて光っているのかよくわからなかった。これだけ数が多いのですごいインパクトがあった。

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あとは大体シンガポールで見たなあという感想だけど、やはりどれもよくできていると思う。自分は展示一つ一つについて以前詳しく解説してもらっていたので、見どころもわかっていてそう感じるわけだけど、解説なしだとどうなんだろうな。

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で、また小米ショップに行って、解散して、白石洲へ。

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やはり暗くなってから来ると怪しさ全開で最高に楽しい。

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前回来たときに怪しげな雰囲気を放っていて気になっていたマウスバーにやってきた。

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怪しいタンクで変なビールを醸造しているんだと5ヶ月間期待していたのだが、タップ3つと輸入物の瓶ビールが奥にあるだけのなんか普通な店でがっかり。

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もう一つ気になったのは、シャッターに某国の指導者の絵が描いてある店。

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こちらも作っているわけではないが、なかなかこだわりを感じた。

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飲んだのは京Aという北京のクラフトビール。去年の成都メイカーフェアに出展していて、そこで飲んで以来気に入っている。

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まだご飯食べてなかったなと思って10元食堂へ。安くて美味しい。

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なんか物足りないなあと思ったので、Bionic Brewへ。

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ビットコインで払えるとは知らなかった。

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そして最後はPeko。お前昨日も来たなって覚えられていて、完全に行き過ぎなのだが、ここの雰囲気が好きなのである。

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そんなところで無人コンビニ情報を入手したので、ここから行ってみることにした。

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会員登録して入ろうとしたが、またローカルの電話番号がないと撃沈。次回は中国の電話番号をゲットして維持しようと固く決意した。

あとホテルに戻るだけなのだが、地下鉄で爆睡して気がつけば羅湖で、終電終わって駅閉まって、タクシーでホテルに戻った。全然身の危険を感じることもなく、深圳って平和だなと実感した。

深圳360・初日

深夜2時頃の飛行機でシンガポールから香港へ。朝6時に香港空港に到着して、集合場所である第2ターミナルCoach Stationに向かった。この地図はとてもわかりやすかった。

http://www.hongkongairport.com/leaflet/skylimo.pdf

ちなみにCoach Stationはとてもピカピカ。

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ちょうど7人だったので、7人乗りのトヨタアルファードで皇崗口岸の国境までskylimoで向かった。一人100香港ドルで、道路も空いていたので20分位しかかからなかった。一人一人のパスポートをドライバーに預けて出発。

途中で高速道路の料金所のようなところで停車してドアが開いたのでなんだろうと思ったら、そこが香港を出国するポイントだった。一人一人名前を呼ばれて顔を見せるだけで終了して、パスポートを返却される。あまりにも便利すぎるので今後もこのルートを活用したい。

香港出国ポイントから中国入国ポイントまでそのまま車で移動して、中国入国ポイントの手前で降ろされる。後ろのトランクから荷物を取り出して閉めたら、ドライバーがわざわざ後ろのトランクを開けて走り去っていった。そういう習慣でもあるのかよくわからない。

中国入国ではけっこうパスポートをチェックしていて、今回のメンバーはパスポートが分厚い人が多くそこそこ時間がかかったが、それでもわりとあっさり終わった。皇崗口岸の駅がいまいちわからなかったが、すぐにローミングが香港から中国に切り替わったし、地図見て歩道橋を渡って、エレベーターで地下まで降りればそこは駅。そこで全員分の深圳通を購入して、地下鉄で華強北駅まで数駅。こんなに便利なルートがあったなんて全然知らなかったので、とても感動した。ちなみにこの皇崗口岸から華強北までの地下鉄ルートはまだ1年位しか経ってなくてgoogle mapに出ていないと思う。

朝の華強北駅はエレベーターもエスカレーターも止まっていて、みんな荷物を抱えて階段を上がった。新しい地下鉄路線はなかなか深いので地上に出るまでけっこう時間がかかった。ホテルに着いたのは朝8時頃。そこで予約がないとか言われてる人がいたりして手間取ったが9時には完了。

電気街を見学する予定だったが、深夜移動で何も食べてないということでカフェに入った。普通にカフェだけど、wechat paymentを試してみようとか、これがレンタルバッテリですとか、360度カメラを数台並べたり、自撮り棒で360度撮影をするのにちょうどいい角度とか、既にしてなかなか盛り上がる。

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これだけ濃いメンバーを引き合わせただけで一仕事やり遂げた感があった。ちなみに半分が360度撮影のプロで半分が360度カメラとか全然知らないというスタートラインだったが、この日が終わった頃にはみんな360度カメラに詳しくなっていてなかなかおもしろい体験だった。

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自転車が整然と並んでいて、人海戦術の使えるここの方がシンガポールよりよほどこの手の自転車が機能するなあと感じた。

そしてSEGである。ここに来るとなんか妙に帰ってきたという気分になる。

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10時半に伊藤さんに迎えに来ていただいて、SEG Makerを見学し、深圳の歴史を解説していただいた。いつも写真で見ていた場所に来れて満足。伊藤さんのプレゼンはどんどん進化してどんどん面白くなっているので、これが深圳速度かと実感した。経済・マーケティング周りの人をここに連れてくることも個人的にけっこう楽しみにしていたことだったので満足。

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12時半にホテルにバスが来ることになっていたので、それまでに軽く昼ごはん。やはり移動が多いと食事が犠牲になってしまうなあと思いつつ、別にごはん食べるために来たわけじゃないしなあと思ったりした。

バスはホテルの裏口に止まっていて、ちゃんと時間通り来てくれてとてもほっとした。

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参加メンバーの一人に日本語堪能な中国人の方がいたのでドライバーとの通訳をお願いした。最初の目的地はZCAMである。TCL国际E城というサイエンスパークのような場所なのだが、ドライバーに事前に住所を伝えておいたので特に間違うことなくすんなり行ってくれた。漢字の住所が事前にわかっていて目的地が地図上でわかっていれば、高徳地図のGPS精度は妙に高く実際の移動と地図上の移動の対応がわかりやすいので大体迷わず行ける。

諸事情によりやや緊張感が高まる場面もあったりしたが、最終的にテスト撮影に立ち会うことができた。360度撮影のプロは能のすり足のような歩き方でカメラを揺らさずに移動させ、開始前に手を叩いてタイミングを合わせ、あらゆることが手慣れた感じでさすがだった。

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続いてバスでinsta360に向かった。タクシーがつかまりそうにないエリアなので、バスがきちんと迎えに来てくれるのは非常に助かる。

そして5ヶ月ぶりにやってきたinsta360オフィス。早く着いてしまってJK社長が会議中だったが、広報の人に社内を案内してもらった。ちなみにこの広報の人は、5ヶ月前はまだ入社してなかったそうで、この会社が急成長していることをこんなところからも感じた。

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そしてJK社長が登場。前回は大人数が入れる会議室がないということで近くのカフェに行ったのだが、今回は10人程度なので普通に会議室に案内してもらった。あと前回やってきたときはリリース前のinsta360 proの話がメインだったのに、今回はリリース直後のinsta360 oneの話がメイン。insta360 proユーザーが3名いたのもあって、insta360 proに関するフィードバックの話も盛りだくさん。

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他の参加メンバーとも話したけど、普通の会社って新製品出したらもっとその話を引っ張るし、見向きもせずに次、次って出していくスピード感やばいなあと前回来たとき以上に痛感した。これが深圳速度か。ライトフィールドカメラの試作機もあったし、この5ヶ月間自分は何してたんだろう、この会社の人達こんなに全力で突っ走っているのにと嫌でも感じた。やはり何かを単に見ることよりも、時間軸ずらして差分で見たほうがよほどインパクトあるような気がした。

またこのJK社長がバスに乗り込むところまで見送りに来るし、参加メンバーみんな恐縮して彼の大ファンになって帰っていく。この腰の低さ、謙虚さはすげー、どんだけ人間できてるんだと言いたくなる。

この日最後の目的地は白石洲のPeko Brewing。旅行に行くときはとりあえず現地でお酒作っているところを事前にリサーチして訪問することにしているのだが、今年の4月に見つけて行ってみたのがこのPeko Brewingなのである。不思議な居心地の良さとおいしいクラフトビールのあるこの店にまた来たかったので、迷わずここに決めた。まさか団体バスでここに再訪するとは思ってなかったが、駅から微妙に距離があるのでこれはこれでとても便利だった。

ここで情報を抱え込むんじゃなくてオープンにした方がよいというオープンソース的な事例が発生した。この5か月間のうちに一部界隈でこの店が人気になり、ビールだけじゃなくてこの近辺で食べ物美味しい店を探そうという流れになって、いろいろと知見が蓄積されていたのである。Pekoの”スタンハンセン”おすすめの鶏肉の丸焼きは向かい側の端のエスカレーター上がったところにある。

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あーーこれだーーみたいな見つける喜びのある旅は楽しい。ポークリブも串焼きもおいしかった。締めにスイカという情報を聞いたのでスイカ探しの旅に出る。

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特に場所は聞いてなかったが見た瞬間分かった。やっぱり白石洲エリアはいいなと再確認した。バスでホテルまで連れ帰ってもらう至れり尽くせりツアー。本当にバスを貸し切りにしてよかった。

その後有志でシャオミショップに行ったのだが、4月に欲しいものは大体買ったので特に買うものはなかった。でもやっぱりあの安さはいろんな人に見せたいと思った。