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南極点のピアピア動画

強い推薦があったので、特に何も前提知識なく読み始めたのだが、読んでよかった。とても良い時間を過ごせた気がする。 匿名の人々が損得勘定抜きに面白がりながらいろいろやっていたらなんかすごいことになったという文化が好きな人であればまず間違いなく楽…

ロボットの時代〔決定版〕

この本も短編集なのだが、著者自身のコメントがそれぞれについていてむしろそこに価値があるような気がする。 そしてSFの主なプロットの一つはロボットの創造であり―これらはたいてい鉄でできた魂も感情もない創造物として描かれた。ここでもフランケンシュ…

われはロボット〔決定版〕

ロボットと言えばアイザック・アシモフのロボット工学の三原則が知られているが、そういえばアシモフの著作を読んだことがなかった。軽い気持ちで読んでみたら、これがまた面白くて面白くて、何度バスや電車を降り損ねそうになったことか。 「ロボット兵士の…

ロボット(岩波文庫)

今読んでいるロボット兵士の戦争という本がとてもとても面白いので、ロボットが気になりはじめた。そんなわけで「ロボット」という言葉が最初に出てきたカレル・チャペック(チェコの作家)の戯曲を読んでみた。 「人間を十年もかけて作るなんてナンセンス。…

不戦無敵の影殺師

shiumachi氏が面白いというので1巻を読んでみた。面白かったので2巻も読んだ。 「自分の強さ」を証明したい、でも「強い」だけでは食べていけない。こうした異能力者が抱える悩みに対し、本巻ではまだきれいな解決策を出せていません。 異能力者が抱える承認…

宮大工と歩く千年の古寺

宮大工というのは、国語の教科書で西岡常一という名前を見かけたくらいで全然知らないのだが、なんとなく面白そうだと思って買った本。読んだ後、困ったことにこれらの寺に行きたくなってしまった。しばらく日本に行く予定はないのだが。 私は宮大工です。縁…

村上ラヂオ

村上春樹の作品を最初に読んだのは、小学生の頃だったように思う。羊男のクリスマスという絵本だ。モコモコした着ぐるみのようなものを着た男がドーナツを手にしている絵が印象的だった。 そして中学生・高校生の頃に村上朝日堂などのエッセイを読んだ。小説…

軍事とロジスティクス

江畑謙介氏といえば、データに基づく的確な解説をする軍事評論家という印象が強い。そんな人が書いた本なら面白いだろうと思って読んでみた。 「ロジスティクス」をオックスフォード辞典で調べると、「多くの人間と装備(装置)が関与する場合に、複雑な作戦…

世界の測量 ガウスとフンボルトの物語

買ったきっかけは、この書評だったような気がする。 http://www.ringolab.com/note/daiya/2008/07/post-804.html 率直な感想として、ガウスがすごく汚らしく描写されているのが気になった。実際にそうだったのかもしれないけれども、序盤から読んでいて不快…

百年たっても後悔しない仕事のやり方

ライフネット生命の出口会長に会っている友人が大量にいるのだが、なかなかお目にかかる機会がない。 ライフネット生命というより、出口社長というオヤジが凄かった (前ふり): やまもといちろうBLOG(ブログ) ただ、それ以上に、出口社長というオヤジが強…

アンティキテラ 古代ギリシアのコンピュータ

けっこう前から本屋で見ていて気になっていた本。 それが、”アンティキテラの機械”である。現在、その破片には少なくとも30個の歯車がついており、残存する部分の表面にぎっしりと細かな門司が刻まれていることが確認されている。 ・・・ この機械はなにをす…

本の感想

読み終わった本の感想なんか書いても時間の無駄なんて感じたりしたのだが、 面白い本を読んだのならば、ささやかながらでもそれを世に広めるのが読者の務めである。— yosuke tanaka (@yosuke__) 2014, 2月 5 なんてことをふと思ったので感想を書いた。いつも…

なぜハーバード・ビジネス・スクールでは営業を教えないのか?

本屋で立ち読みをしていて面白かったので買った本。営業という仕事について全然よくわかっていない状態で読んだが、営業とは何かということを考えさせられた。 セールスは”おまけ”じゃない。財務や法務や経理といった仕事らしい仕事から切り離された、やっか…

謎の独立国家 ソマリランド 後編

前編に引き続き後編の紹介。 海賊の取り締まりもやれるわけがない。なにしろ、プントランド政府軍というのは、国連軍とか多国籍軍みたいなものだ。ソマリランドとかイスラム過激派といった大きな敵なら共同で出兵するが、オスマン・マハムード分分家の海賊が…

謎の独立国家 ソマリランド 前編

mhatta氏がtwitterで絶賛していたので買った本。 おいお前ら、これは猛烈にというかうんざりするほど面白いぞ!500ページ以上あったが5時間ぶっ通しで一気に読んでしまったよ:謎の独立国家ソマリランド(髙野秀行) http://t.co/GWeFpY1w2L— Masayuki Hatta…

ナウシカの飛行具、作ってみた

2007年にICCで開催されていたイベント http://pho.hatenablog.com/entry/20070218/1171789083 に行ってこのプロジェクトのことを知った。 メーヴェはドイツ語で「カモメ」を意味する、美しく白い翼を持ったナウシカの愛機です。風の谷や腐海、そして戦場の空…

カラシニコフ

3Dプリンタで銃を製造できるという話を聞いたとき、そもそも銃ってどんな構造なんだろうと思い、世界中に出回っている銃であるAK47、カラシニコフのことが気になった。そういえばそんな本があったなと思い、買って読んだところ非常に面白かった。 旧ソ連軍の…

2050年の世界 英『エコノミスト』誌は予測する

各章をThe Economistの編集者、記者が担当して、様々な分野の今後の見通しを記した本である。どの章も一つ一つ丁寧に書いてあって、しかも自分がこれまで全然見ていなかった切り口を提示しているのが素晴らしい。 未来を予測するために、まず過去を振り返る …

本の選び方

それほど早いペースではないが、日々淡々と本を読んでいる。ひとえにiPad miniのおかげなのだが、それは今日の本題ではない。今日はどんなふうに本を選んでいるか書こうと思う。 このブログをみている人ならわかると思うが、読んでいるのはほとんどノンフィ…

高橋是清自伝 下巻

下巻は銀行家・実業家としての活動が描かれている。 これまで私は教鞭を執ったり官途についたりして主として政府の仕事に当ったのみで、実業界にはまったくはじめてでありますから、今度実業界に入るについては、どうぞ丁稚小僧から仕上げて下さい」 と申出…

高橋是清自伝 上巻

日本の特許庁を作った人、226事件で殺された人、そういえば江戸東京たてもの園に家があったな、という程度の認識しかなかったが、なんとなく興味を持ったので自伝を読んでみた。 仙台藩の高橋家の里子にやられ、アメリカに渡って、帰国して、紆余曲折を経て…

チューリングの大聖堂

エコノミストで紹介されていて気になった本。 http://www.economist.com/node/21549914 プリンストン高等研究所の歴史、そこで行われたコンピュータへの取り組みが非常に詳しく書いてある。タイトルにチューリングとあるが、主人公はフォン・ノイマンのよう…

ロシア宇宙開発史

読もうと思ったきっかけはこの書評。 http://book.asahi.com/reviews/reviewer/2012091000009.html 技術の進歩というのは、アメリカや西ヨーロッパ側の視点で見ることが多いので、ロシアの宇宙開発というのは非常に新鮮でとても面白かった。ロシアの気球、ロ…

ステルス戦闘機-スカンク・ワークスの秘密

数年前に師匠が非常に面白そうに読んでいた本。もう絶版なのだが、たまたま手に入ったので読んでみた。本当に面白い本っていうのは、誰かに勧めたりせずにただひたすら楽しむものなんだろうな。ここに感想を書くので、それを見て興味を持った人は読むといい…

物語 シンガポールの歴史 後編

シンガポールの教育制度。 すべての生徒は小学校四年終了時に、全国統一試験を受け、成績にしたがって五年と六年時は三つのコースに分かれる。小学校終了時には、これも全国統一試験の小学校卒業試験(PSLE)があり、一定の成績に達しなかった生徒は、技術専…

物語 シンガポールの歴史 中編

もう前回何を書いたか覚えてないが、続きを書いていく。 東南アジア各地で独立運動が盛り上がるなかで、1945年9月5日にイギリス軍や植民地政府関係者がシンガポールの土を踏むと、住民はイギリス国旗を振って歓迎する。 これがシンガポールのちょっと変わっ…

物語 シンガポールの歴史 前編

シンガポールについて書かれた本はいくつかあるけれども、この本は非常に詳細でありながらバランスよく書かれており、非常に面白くためになった。シンガポールのことがよくわかる。シンガポール歴史散策のお供にも良さそうだ。 マレーシアの歴史書によると、…

オープンサイエンス革命

研究活動を促進するための手段としてオープンにすることが挙げられるのだが、その取り組みがうまくいっている分野とそうでもない分野がある。その違いはどこにあるのか、うまくいっているプロジェクトにはどんな特徴があるのかなどを豊富な事例とともに紹介…

カーボン・アスリート

著者の山中氏のことを知ったきっかけはダイヤモンド社のLOOPという雑誌だったように思う。きれいな写真と、頭にすっと入ってくる文章が印象的だったデザインに関する連載を楽しみに読んでいた。その後、ブログを読み始め、骨展にも行き、今はtwitterでfollow…

世紀の空売り

最初にダニエルの目をとらえたのは"移動式住宅("トレーラーハウス"より聞こえがいい)"という区分の繰り上げ返済率が高いことだ。トレーラーハウスは、車輪のない普通の住宅とは異なる。購入した瞬間から価値が下がっていく。トレーラーハウスの買い手は、…

鬱ごはん

華々しい成功体験を綴った自伝などよりも、赤裸々に失敗談を綴ったものの方がいろいろと参考になるし、実際のところ興味深かったりする。日経の「敗軍の将、兵を語る」が長く続いている理由はきっとそんなとこだろう。そこにあるのは、誰かが失敗したのを見…

「世紀の空売り」から何を学び取るか

フィリピン旅行の帰りの飛行機で読み始めて、一気に読み切ってしまった。「マネーボール」で知られるマイケル・ルイスの本だからきっと面白いだろうと思って買ったわけだが、期待以上の面白さだ。リーマンショックなどの一連の出来事がなんだったのか非常に…

リバース・イノベーション(後編)

前回の続き。大切なのはリソースの配分だけではない。 厳格で統制のとれたかたちでグローカリゼーションに集中することは、リバース・イノベーションにとっては克服しがたい障壁となる。 グローカリゼーション、すなわち先進国で開発した商品を少しカスタマ…

リバース・イノベーション(前編)

以前紹介した本だが、読み終わったので改めて紹介する。 http://d.hatena.ne.jp/pho/20130202/p2 「GEがアメリカで勝つためには、インドと中国で勝たなければならない」と、イメルトは語っていた。 多国籍企業が新興国や発展途上国で成果を出すためにはどう…

気象を操作したいと願った人間の歴史

特にデータなどなく印象ベースなのだが、シンガポールでは重要なイベントのときに雨が降らないような気がする。F1とかNational Day Paradeとか。特に根拠はないわけだが、そもそもそんなことって可能なのだろうかと思い、この本を読んでみた。 気象を操作し…

文学評論(下)

下巻の構成はこんな感じ。 スウィフトと厭世文学 ポープといわゆる人工派の詩 ダニエル・デフォーと小説の組立 スウィフトと言われても全然ピンとこないのだが、ガリバー旅行記の著者と言われればわかる。といってもガリバー旅行記が4編からなるとは知らな…

サービスのリバース・イノベーション

今リバース・イノベーションという本を読んでいるのだが、これが非常に面白い。以前ハーバードビジネスレビューでGEが新興国/途上国向けに小型の医療機器を作った話が取り上げられていたが、そういう話が盛りだくさんの本である。 簡単に言うと、これまでは…

文学評論(上)

カツラの話が面白いと以前書いた本。夏目漱石が大学で行った講義をまとめた本である。読み終えたので全体を通した感想を書いておこう。上巻の構成はこんな感じ。 序言 十八世紀の状況一般 アヂソン及びスチールと常識文学 やはり十八世紀の状況一般のところ…

情報共有の未来

おそらく2005年頃からブログを読ませていただいているのだが、いまだに何をしている人かよくわからないyomoyomoさん。雑文書き、翻訳などがMakeの紹介文にあったと記憶しているが、とにかくいろいろな分野に対して造詣が深い(褒めてます)。そんなyomoyomo…

知る、読む、使う!オープンソースライセンス

達人出版会の本。電子書籍でさくっと買えてしまう。はじめの方は非常に基本的なことが書いてあると思ったのだが、読み進めるうちに詳しく突っ込んだ内容が説明されていることに気づいた。レッシグの言葉を引用して、大きな枠組みの中での位置づけを述べてい…

ノウアスフィアの開墾

伽藍とバザールに続いて書かれた論考である。前作よりも一歩進めた議論をしていて、個人的にこちらの方が得られるものが多かった気がする。知的財産を土地所有に喩えるのは今でこそありふれた手法だが、よく掘り下げられている。 プラグマティストたちにとっ…

言語学少女とバベルの塔

「――じゃあ、『走る』と『歩く』の違いは?」 「一一じゃあ、どうしてこれは『広い紙』と言えないの?」 そんなシンプルな問いかけから始まるこの物語は、なかなか引きつけられるものがあった。数学ガールの言語学版にふさわしく、非常に取っ付きやすいが奥が…

中国貧困絶望工場

China priceという英語タイトルがどうしてこうなったといいたくなる日本語タイトルだが、中身は非常に具体的で充実していて面白かった。 本書は転換期の物語であるが、その時代を生き抜いている人々の姿も描いた。宝石工場で働いていたために不治の肺病に侵…

イノベーションの達人

IDEOの本だ、面白そうと思って買ったものの数年間ずっと読まずにいた本。でも実務経験を何年か積んだ後だからわかることってのは思いのほか多く、今だからこそ見えてくる視点があり、非常に楽しめた。 毎日多くの新しい有望なアイデアやコンセプトやプランが…

フリーカルチャーをつくるためのガイドブック

ドミニク・チェンという名前を最初に聞いたのは7年前にPodcastでこの番組を聞いたときだと思う。 http://xcool.cocolog-nifty.com/xcool/2005/11/xcool_vol109__d82d.html これをきっかけに知ったのがクリエイティブ・コモンズ。その後自分がサイエンスコモ…

18世紀のカツラの話が面白い

今夏目漱石の文学評論を読んでいるのだが、なかなか興味深い話が出てきたので書き残しておく。この文学評論は18世紀の(追記:英国)文学がテーマなんだろうが、当時の慣習などの背景も述べておくとかいって文学の前に(追記:当時の英国の)いろんな話が出て…

曹操 魏の曹一族

三国志は、演義の方だと60冊ある漫画は途中で挫折し、吉川英治文庫も1冊目で挫折した。でも漫画の蒼天航路はスルスルと最後まで読めた。そんなわけでこの本を手に取ってみた。どちらも正史に基づいているわけだが、多くのエピソードが重なっていて驚いた。出…

気になる本リスト

2週間後に少しだけ東京に行くのでそのときのための覚え書き。ジュンク堂も見てみたい。 数学ガール ガロア理論 (数学ガールシリーズ 5)作者: 結城浩出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ発売日: 2012/06/01メディア: ペーパーバック購入: 8人 クリ…

伽藍とバザール

1997年というと自分はまだ高校生になったばかりで、インターネットなんて知らなかった頃だ。その頃に書かれた文章を今さらながら読んでみた。本質的な点において古さを感じさせず、非常に面白い文章だった。 http://cruel.org/freeware/cathedral.html ぼく…

物のインターネットと技術予測の困難さ

昨日たまたま妻に頼まれて航空券のWebチェックインをした。航空会社のサイトにアクセスして、必要な情報を入力して当日の手間を少し省く。いつもやっているが、やはり便利な時代になったもんだと感じる。しかし元ワイヤード編集長のケヴィン・ケリーは更に先…