長野旅行 きっかけ

何度も書いているが、旅行に求めるのはシンガポールにないものである。いつできたか記録に残っていないくらい古い神社とか、風光明媚な景色とか、山の幸とか、温泉とか。

大分には行ったので、次はどこに行こうかなと考えたとき、そういえば長野ってほとんど行ったことないなと気付いた。京極夏彦の「狂骨の夢」に出てくる建御名方神が祀られている諏訪大社ってどんなところなんだろうかとずっと気になっていた。大分の中津城があまりにも残念だったのでもうちょっとまともな城を見たいと思っていて、松本城が良さそうなんて思っていた。安曇野のわさび農場のドローン動画を見て以来、安曇野に行きたくなっていた。善光寺味噌とか戸隠そばとか長野近辺も見所多いし、映画「サマーウォーズ」の青々とした空が見たいから上田に行こうかという気分になるわけである。調べれば調べるほど、いろいろと面白そうなものが見つかって楽しい。

言うまでもなく酒造はたくさんあるだろうし、シンガポールでは見られない素晴らしい景色を見る機会もたくさんあるだろう。そんな感じで、点と点をつないでいって、旅の行程となる。56日長野の旅。上高地も気になったが、かなり不便そうだったので今回は止めておくことにした。新宿から中央線に沿って山梨を経由して上諏訪に入り、松本、安曇野、長野、戸隠まで行って、上田経由の新幹線で東京まで戻ってくるプランである。

特に縛りはないが、東京IN東京OUTの航空券で、長野県の出入り以外は県境を越えず、ぐるっと長野県のみを見て回る。去年の大分県もそうだったし、これが自分の基本的な海外旅行スタイルとなっている。

 

長野旅行 初日

朝のラッシュを避けつつも午前中には新宿で電車に乗って、昼頃には上諏訪に行こうと思っていた。しかし、最初から出遅れ、しかも荻窪駅の人身事故で中央線界隈が軒並み遅延となり、上諏訪駅に着いたのは午後3時近くなっていた。

宿に荷物を置いてタクシーで諏訪大社上社に向かった。御柱祭で下社は混雑しているが、先月御柱祭が終わった上社はそれほど混雑していなかった。聞くところによれば上社に祀られているのが建御名方神で、下社に祀られているのがその妻に当たる神様だそうだ。

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御柱は上社と下社それぞれに4本あり、近隣の自治体毎に一本ずつ担当するとのこと。御柱は次々に追加されるものと思っていたが、新しい柱が導入されると古いものは倒されてバラバラにされて縁起物としていろんな店などに配られる。かつては鹿の頭を並べてお供えする儀式なんてものもあったらしい。

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その後は酒造巡り。結局真澄、横笛、麗人の3つに行った。真澄は大規模でとても組織的な感じ。なんかきれいに整い過ぎていて、後で時間があったらまた来ようと思ったが結局試飲していない。横笛は、それとは対照的に職人さんが小規模でやっている感じ。色々とこだわりがありそう。生酒を一本買った。

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最後に行った麗人は、お店の中に試飲コーナーがあってとても自由で気楽な雰囲気。聞けば教えてくれるし人は常駐しているけれども、全然押し付けがましくない。色々と試したがスタンダードな純米吟醸にごり酒を買った。あと100円で地ビールを飲めるとのことなので飲んでみたら、なかなかホップな味がしてユニークで美味しかった。

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宿は諏訪湖に面していたので少し諏訪湖も見てみた。穏やかな湖畔に、いくつか観光客船が浮かぶ。この湖が凍って、御神渡りが起きるほど寒くなるような光景はいまいち想像できなかった。

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今回泊まった紅やという宿は、ホテルのような本館と、日帰り温泉のような別館に分かれていた。別館に泊まったが、食事も温泉も部屋も満足のいくものだった。部屋のWiFiも問題なく使えた。

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