69-96

ここ数年時代に逆行して生きている気がしてならない。
アナクロニズムとはまさしくこのことだと思う。
いまどき一体誰がわざわざカセットテープを使うだろうか。
頭出しもできないし、音質も劣るはず。そもそも劣化する。
でもCDを普通に焼けるなんてことは想像もできなかった頃は
一生懸命カセットテープにダビングしていた。
あの頃はCDを買う財力もなかった。今だって財力ないけど。


なんとなく手元にあったカセットテープが聞きたくなった。
コーネリアス 69-96
http://user.ecc.u-tokyo.ac.jp/~t23005/cor/menu069.html
「地球危うし」じゃない方といえばわかる。(わかるか?)

彼女は右手に絵筆を持って 七色に見える
虹をこの暗くなった 空に描いた

聞いているうちに自分の記憶とシンクロ(synchronize)してきた。
これをタワーレコードで試聴したら即買ってしまいそうだ。
そのくらい高い水準にあると思う。ダントツである。
でも考えてみれば当たり前なのかもしれない。
自分の記憶の中に理想像としてpizzicato fiveのBossa Nova 2001と
corneliusのFirst Question Awardがあるわけだから
これまで無意識のうちにそれに近いものを求めてきた。
だから理想に極めて近いものを高く評価するのは当然の帰結となる。