国際シンポジウム パネルディスカッション

なんかJASRACの人もNHKの人も見に来ているみたいなので
率直な感想をちゃんと最後まで書こうかと思う。


パネルディスカッションが一番面白かった。
かなり前の方に座っていたので、パネリストの様子が
はっきりわかるのだが、レッシグ教授はかなりいらいら
していたんじゃないだろうか。後半ずっと足をがたがた
させていた。「ぜんぜんわかっちゃいない」とでも言いたげな
表情だった。実際のところどうなのか知らないけど
午前中のクリエイティブコモンズとは大違いだったのは確か。


おそらく原因はNHKの「放送コンテンツの権利保護と使い勝手の向上」
のあたりだろう。これは学校内などで自由にコンテンツを
利用できるようにする代わりにCASカードで認証などをするという
コンセプトである。その鍵などは利用者に意識させないように
するとは言っていたが、実際のところどこまでそうなるか。
それ以前にそもそもリミックスさせる気がないよな。
一生懸命考えた結果なんだろうけど。ある程度の数のクリエイター
というかリミックスをやるひとが出てくるためには、その何十倍
の人がそれをできる環境になる必要があるんじゃないかと思う。
何かができる環境だとしても、その中でエネルギーを費やして
何かをクリエイトするのはほんのわずかしかいないわけで
少しでも作品を増やしたいなら、できる環境の人を増やすしか
ないだろうと思うけど、どうやらそうする気はないらしい。
そもそも複雑すぎるし。


レッシグ教授は著作権の縛りが強ければマーケットは小さいが
縛りがゆるくなればマーケットが大きくなるとか言ってた。
テーブルを指差して、このテーブルを使おうとするたびにいちいち
許可を求めなくちゃいけないなんてことはno senseだとか。
テクノロジーでがちがちに固めないで、もっとシンプルな
システムじゃないと意味がないみたいなことを言ってたと思う。
激しく意訳か誤訳かしている気がしないでもないけど。


NHKとしてもBBCのようにオープンにしてやることに敬意を表するそうだ。

国民の共有資産であるコンテンツをオープンにしたい

というようなことは言っていたので、別に対立しているわけじゃない。
民業への圧迫と指摘される可能性もあるし、出演者との契約が
初回の放送と何度かの再放送に限定されているので、昔のコンテンツを
ネットで配信するにはそういう契約を全部見直さなければならず
あまり現実的ではないということ。ここまで説明してもらうと
なかなか苦しい立場であるということはうかがえる。4月からには
間に合わないだろうけど、10月からの放送に対して、出演者との
権利関係を見直してみて、ネット配信できるようにしてみたら
いいんじゃないかと思ったりする。いきなり全部できるわけないんだから
少しずつ取り組んでいったらいいんじゃないだろうか。