特許取得とか特許申請中とか、実用新案取得とか
そういう表記を見るとなんかすごそうに見えるけど
実際のところどうなのかってことを書いてみる。
まずは前提として、特許とはどういうものかについて。
そもそも特許というのは産業の発展のためにつくられたものである。
特許というものができる前はすべて秘密にされていたけど、
それを公開した方が効率よく研究ができて産業が発展するんじゃないか
ということで特許というシステムができたらしい。
でも単に公開するだけでは、まねされるだけで損をするので
公開した人には独占権を付与するということになっている。
次に特許の取り方
書類を書いて、特許庁に出願する。登録料は16000円くらいだったと思う。
出願したら、すぐに審査に入ると思っている人がいるかもしれないけど
そんなことはない。特許審査官の数が全然足りてないから、
97年には21ヶ月待ちだったらしい。出願してから審査されるまで。
今でもはやくて一年待ちだとか。それから、これもあまり知られてないと思うけど
特許というのは審査してくださいって審査請求をしないと審査されない。
審査の料金はクレーム(請求項)の数によって違うらしい。
http://home.att.ne.jp/yellow/bestpat/javacalcexam.htm
13個だったら22万円だった。まあそんなに安くないな。
ちなみに出願から3年以内に審査請求をしないといけない。
逆に言えば3年以内に審査請求すれば良い。
以前は7年以内だったとか聞いたことがある。
審査しようが審査するまいが、出願した特許は一年半後に公開される。
これは、そもそも公開することが産業の発展に寄与すると考えられているから。
特許出願中というのは、要するにこのあたりのフェーズ。金さえ出せば
マイナスイオンだろうが常温核融合だろうが出願中になる。
特許庁で公開されているからって、別に特許庁が認めたわけじゃない。
出願された特許が1年半後に勝手に公開されただけ。
これを認められた特許と勘違いする人がいるので困ったものである。
そして、たいていの特許は一回拒絶されるそうだ。
ここに似たようなのがあるとかまあいろいろな理由で
それを補正してもう一回出して、それもまた拒絶されたら
行政訴訟を起こして、とかまあいろいろあるわけだ。
特許を取ったところで、請求の範囲が狭すぎるゴミ特許なら全然使えない。
言葉1つで請求する範囲は大きく変わってくるので、その辺りで
明細書を書く人の力量が問われるんだとか。あんまり良く知らないけど。
といってもよくわかんないと思うので例を1つ。
という明細書を書いて、請求項では
と書いて特許が認められたとする。どっちが価値ある特許か。
ちなみに及びはandで又ははorという意味である。
青色で3倍の速度を有するモビルスーツを売り出す会社が出てきたとして
訴えたときにどっちなら勝てるのかということである。
数学でベン図を書いてればすぐわかると思うけど、「又は」の方が
守備範囲が広く、有効だと言える。だからといって何でも又はと書けばいいわけじゃない。
実験においてそのように書く根拠の裏付けがないと却下されるんで。