研修5回目

いろいろと判例を見ていくと、1つ1つがロジックに基づいていて
非常に精緻に組み上がっていたので、法律って案外興味深いと思った。

最近のトピック

日立事件 10月17日に判決が出る
外国特許を認めるかどうか。
35条は日本の法律。ライセンス収入に適用される。
外国の企業がライセンス料を払う場合はどうなるか。
第一審では日本の収入のみをベースにする。(三村裁判長46部)
第二審、補償金の計算は1回で終えるべき。
インターナショナルな特許であればあるほど金額が変わる。
味の素の事件 和解(高部裁判長47部)
外国特許に基づく相当の対価の支払い請求に関し35条を適用。

リパーゼ事件

特許請求の範囲はリパーゼ(リパーゼの1つなどではない)
一見して誤記であることは明らかである
70条2項、追加する。
詳細な説明の方がちょっと広い
他人の出願(先願)、後願、公開
39条、拒絶されなかった(クレーム同士を比較して違ったから)
29条の2、クレームの範囲は明細書全体に拡大(先願の範囲の拡大)
クレームにあるかどうかは無関係に拒絶することができる。
(理論的理由)発明公開の代償としての特許付与制度
世の中に開示されて誰でも使えるような技術になったはず。
単にクレームが違うというだけで新しくない特許が認められていたことの方がおかしい
(実務的理由)出願、審査請求、特許
出願から3年以内に審査請求しなければならない。
後願の方が先に審査請求してしまった場合にはどうなるか。
先願が補正して後願と同じになったとき、ダブルパテント。
補正ができない、というのは無理だから明細書の中身で
後願の特許を認めないようにするしかない。
できるだけ審査対象を減らすために、公開

39条 先願主義

29条の2で存在がうすくなったが、依然としてある。
アメリカがWIPOのところまで法案を変えられるか。
先願主義移行に向かう法案が既に出ている。
発明家、大学関係など国内出願しかしない人が
先発明主義にこだわっているので、そこを乗り越えられるか。
IBMなどはかなりはじめから先願主義にしたがっていた。
負けそうになったら先発明だと言い始めるだけで
基本的には先願主義に近い。インターフェアレンス
新規性は時分、出願は日を基準にする
同日出願は同等。協議してどっちの出願を残すか。
両方ともが譲らなかったら、パブリックドメイン
商標はくじで決めるが、特許は協議で決める。

出願手続き

特許出願手続きのフローを頭に入れておく
外国語明細書(今のところ英語のみ)
翻訳文は出願日から2ヶ月以内。
パリ条約の優先権(内外人平等の原則)
ドイツ特許庁に出願、その後1年間優先期間
日本に出願するときに、ドイツ特許庁に出した日を基準にする。
優先権をともなっているのは、1年2月の翻訳期間がある
優先権がないのは2ヶ月しか翻訳期間がない。
第一国出願日から1年2月。どっちも1年2月になった。
審査請求期間が7年あれば十分に時間をかけて決定できたが
3年になってしまうと見極めができないので、出願と同時の審査請求が増えた。
実体審査が増えて、特許庁の仕事が全然減らない。
異議申し立てがなくなった。
第1ルート、何もなく特許査定。
第2ルート、特許法49条に拒絶理由が列挙。限定列挙。例示列挙ではない。
ここに出ていなければ特許査定。人の特許を潰すものだから例示な訳がない。
未完成発明、29条柱書きで拒絶する。発明という言葉がでてくるので
この発明に該当しないから拒絶する。基本的に49条で拒絶する。
拒絶理由通知、意見書、補正書、拒絶査定、拒絶査定不服審判
PCT 日本は世界第2位の出願大国
ユーザーフレンドリーな条約。PCTリフォーム。どんどん改善される。
みなし全指定制度、金額は一律。個別の指定は不要。

特許を受ける権利

発明をした瞬間に発生する。概念的には海外の特許を受ける権利も発生する。
出願する前に人に売ることができるし、担保にすることもできる。
共同出願をしなければならない。拒絶査定不服審判も132条の3項により
1人で審判をすることはできない。一緒にやらなければならない。
審決取り消し訴訟、単独でできるのか共同でなければならないか。
条文がない。発明を保存するため単独で可能(保存行為説)
最高裁:固有必要的共同訴訟説
付与後異議申し立て 取り消しに不服がある人は単独で提起できる
なぜ異なるのかが明確になっていない。

冒認出願

生ゴミ処理装置 偽造譲渡証書
Xが本件特許を受ける権利の持ち分を有することの確認訴訟を提起
設定登録される(権利として成立)
持ち分の移転登録請求
無効審判の経由せずに、正当権利者に
権利を無効にする、権利を付与する(特許庁がすべきこと)
特許争訟手続きの趣旨に反する
最高裁 自ら特許出願していたものが、特許権の設定の登録を受けた者に対し、
当該特許権につき移転登録手続きを請求することができる
公開になった後で出し直したとしても、公知になっているので権利者になれない(不当)
持ち分の確認をしていた。合法的に権利成立前に確認されていた(保護に欠ける)
最も簡明かつ直接的。理論的には何の裏付けもない判決。
具体的な妥当性がまったくない。東京地判平成14年7月17日。ブラジャー事件。
乳がんなどの矯正のためのブラジャーの冒認出願。移転登録を認めなかった。
冒認出願した人が最初から出願人だった。真の発明者がだれか明白。
委託してつくらせたので受託者とどちらが発明者かわからなかった。
委託者は最初から出願人になることを伝えた。
どんな場合でも移転登録が認められるわけではないということ。

明細書

14年改正でクレームが明細書から分離された。
技術公開文書としての役割
特許請求の範囲のサポートとしての役割
従来は、目的、構成、効果を記載しなければならない。
ハーモナイゼーション 英語明細書でも日本用につくり直さなければならない。
いろいろなものを書いた方がクリアになる場合もある。抽象的な条文になった。
先行技術文献情報を開示する
産業上の利用可能性(記載要件ではない)
委任省令条件  特許法施行規則24条の2
出願人が一番良く先行技術を知っているはずだから、開示を求める。
記載しなければならない。48条の7の事前通知
開示義務違反(知っているものを書けば良い)
事前通知 補正書で開示するか、意見書で当該情報を知らないと主張する
審査官が満足しなければ拒絶理由通知(無効理由にはならない)
先行技術文献情報開示要件の当面の運用 当面は事前通知を行わない。
開示要件を満たさない出願を多数行っている出願人(大企業等)に、事前通知を行う。
18年4月30日に運用を終了。開示要件の審査基準に従い事前通知が行われる。

特許請求の範囲

単項性から多項性に移行
事実上単項性だった。必須要件項しか認められていなかった。
1つの発明をいろいろな方向から見てもかまわない(改善多項性)。
単項性では1つの視点しか認められていなかった。
他の請求項で同じ発明を書いていても問題なし。
発明の単一性
平成15年改正で37条がきわめて短くなった。省令に任せる
単一の一般的な概念が共通していればよい。
特別な技術的特徴を有する。
平成6年改正
従来:構成に欠くことができない事項のみ
36条6項2号:特許を受けようとする発明が明確
36条6項3号:請求項ごとの記載が簡潔であること
訓示規定
必要と認める事項すべてを記載しなければならない
ジェプソンタイプクレーム
〜おいて
構成要素列挙タイプ
〜と〜
列挙タイプの方が訳しやすい。(海外はこのタイプが多い)
マーカッシュクレーム
化学分野で多い

国内優先権制度

技術開発が継続的に行われている場合に
ばらばらにどんどん権利になっていくのがいいのかどうか
1年のなかに収まっていれば、発明を包括的にして、包括的に権利を取れる
実施例補充型
出願1だけでは不安なとき出願2を行い、国内優先権を主張してサポート。
新規性や進歩性はそれぞれの出願日を基準にする。
上位概念抽出型
塩酸、硝酸、酢酸でクレーム「酸」という上位概念をサポートする
部分複合優先。各出願時に新規性、進歩性が見られる。
並列出願型
ものの発明、ものを生産する方法の発明
1出願集約型発明。併合出願は現在存在しない。
41条
優先なのは1年間
1年3月経過した後に取り下げたものとみなされる。