ビーイング・デジタル - ビットの時代 新装版 | |
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年末に借りたのに、ようやく読み終わった。いろいろ割り込み処理が入ったので。
MITメディアラボのニコポンの本。十年以上前の本なので冗長に感じる面もあるけど
依然として示唆に富んだないようなので、なかなか面白かった。
アトムとビットについてかなり明確に書いている。
ここが大きく変わっていくんだということを当時から
しっかりと見据えていたんだなあと感じた。
でも、less is moreという言葉がちゃんと出てくるあたりから
スペックだけじゃなくて、もっと必要なものがあると
きっちり認識してる人だと言うこともわかる。
「帯域幅は、鉛管工事じゃなくて、スキーのリフトみたいなもの」
みたいな表現はなかなか良いたとえだと思った。ビットをアトムのように
考えてしまうと、帯域幅って水が流れる管みたいに感じるけど
実際にスキーのリフトみたいに常に動いているもの。パケットちっくだし
非常に適切なイメージだと思う。
メディアがビットを人々に押し付けるのでなく、ユーザが(あるいは各家庭のコンピュータが)ビットを引き出すことができる
このへんも、当時から変化の本質みたいなのを捉えてたんだと感じた。
まあ押し付けられた方が安心する人も少なくないんだけど。
ただ相手と連絡が取りたいだけなのに
こういうのはアフォーダンスモデルかな。いやちょっと違うな。
人間が機械に合わせるんじゃなくて機械が人間に合わせればいいから、
番号を打ち込むとかそういうのはやらなくていいようにすべきとのこと。
今は、メッセや携帯電話で実現してるけど。電話番号わかんないし。
グラフィックスの入力装置のダークホースは人間の指だ
解決すべき課題とか分析してて、なかなかすごいと思った。
「それ」「彼女」「そこ」は、その瞬間のあなたの視線の方向によって定義される。
これはたしかにそうかも。視線の情報伝送効率は侮れない。
アイトラッキングとかで実装されていくのかな。
月曜の朝と日曜の午後とで新聞の読み方は全然違う
こういう視点も自分にはあんまりなかったけど、そうかも。
でも中身が変わっちゃうと抜け、漏れが出てきそう。
何を抜け、漏れと定義するかにもよるか。
「うん、面白いことは面白いよ。だけど、面白難しいんだ」
レゴブロック。この難しさこそが重要だと思う。
あなたがなにをしているか、これまで何をしたかを、機械が知っていて、これから何をしようとしているかまで想像する
ここまでいっちゃうのはちょっと受け入れられないな。自分が古い人間なのかもしれない。
デジタル時代がやがて来ることは否定できないし、押しとどめることもできない。その時代の力強い特徴となるのは、非集中化とグローバル化の進展、対立から調和への流れ、そして新たな力の発現である。いずれにしても、最終的にはきっとすべてがうまく行くだろう。
当時ここまで見通していた人が今何を考えているのか気になる。
One Laptop Per Childプロジェクトなのかな。