宇宙エレベーター

タイムマシンを読み終えて、著者が非常に気になって調べてて
別の著書があると知って、会社の帰りにオアゾに寄って買った。

宇宙エレベーター
宇宙エレベーターアニリール・セルカン

おすすめ平均
stars夢が実現へと…
stars私の大好きな方がお勧めする本☆
stars次世代の宇宙科学者
starsNASA
starsSFではないSF

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自分には語彙力が足りないと思った。この本の良さをうまく言葉で表現できないから。
この人には、先入観とか偏見とかほとんどなさそうな気がする。
宇宙、次元、歴史にわたって、よくわかんないけど超越してる。
しかも自分の頭で考えて、自分で取り組んでいるから異様に説得力がある。

シュメール語を学んでいた僕には石盤の文字が読める

って何者なんだと思ってしまった。

軍人でもない建築構法専攻の僕が空軍長の推薦を受けられた理由。それは、スキー選手として国の代表になった実績があり、健康面で有利。空が好きだった一心で、大学時代に取得したパイロットの資格。様々な国に住んでいたから学べた、何カ国語もの語学力。そして、宇宙開発に関わる研究をしていることだという。

タイトルの宇宙エレベーターも、2018年に実現可能というプレゼンをして
NASAの人と一緒に研究をすることになったらしい。
低い次元から見るんじゃなくて、高い次元からという発想も
自分にはかなり新鮮だった。二次元平面から三次元の物を見ることは
できないように、三次元から四次元を見ることもできないわけだけど
逆なら見えるわけだから、もっと高次元から考えるとのこと。
下から足していくのではなく、宇宙の始まりが全てを内包した11次元であるとして
それを起点により低い次元を考えていくということ。
すごくわかりやすく書いているんだけど、難しい。


タイムトラベルについても、非常に興味深いことを書いている。
地球も太陽も銀河も動いているわけだから、
タイムマシンで同じ場所から同じ場所に一時間戻るだけで、
スタート地点から490万1824km離れたところにでてしまうとのこと。
これだけでもなかなかすごい考え方と思ったが、
ここから逆転の発想に移るところが、この人の面白いところ。
たった一秒を有効に使うだけで、国際宇宙ステーションがある軌道上まで
どんな重い物でも移動させられる、と考えるんだから。

彼にとっての初詣とは、神社に行って見えない神様にお願いをすることではなく、過ちをどうやっても起こしてしまいがちな人間が過去の経験を振り返り、これからいかに生きるかという決意を、自分自身に約束することなのだそうだ。

僕たちが永遠だと思い込んでいるこの日常が、実はもう終わりに近づいている、などということが起こらないように、僕も科学者の一人として、そして一人の人間として、未来に何が起こる可能性があるかをしっかりと見据えて、人類が一歩ずつ前に進んでいくのに貢献したいと思う。

堂々とこんなことを言える人間になりたい。