マイクロソフトでは出会えなかった天職

梅田さんのブログがきっかけで知った本*1
この本もジュンク堂池袋買い出しのときに買った。
最初読んだ時は感動しただけで何も考えられなかったけど、
今は冷静に読める。自分への当てはめが大事なんだろう。

マイクロソフトでは出会えなかった天職 僕はこうして社会起業家になった
マイクロソフトでは出会えなかった天職 僕はこうして社会起業家になったジョン ウッド 矢羽野薫

おすすめ平均
starsエネルギーを感じる本
starsビジネス本としても素晴らしいです。
starsアメリカの美徳とビジネスTIPS満載
stars著者の生き方に感銘を受ける
starsたくさんのことを学べる本

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ヒマラヤの上まで登ってしまえば、たぶんバルマーの怒鳴り声も聞こえないさ

ということで、「厳しい副司令官スティーブ・バルマー」にこってりしぼられた後、
著者のジョン・ウッドはネパールにやってきた。そこで見たのは、

全校生徒が450人。本のない450人の子供たち。物質の恵まれたこの時代にありえなかった。
校長が言った。「ごらんのとおりです。子供たちに本を読む習慣を教えたい。でも、これではどうにもなりません」
教えたいのに教えるための本が足りない。そんなふうに訴える教師がいるなんて。僕は力になりたいと思った。

という現実。それに対して著者は、ネットカフェを探してオンライン上のアドレス帳から
100人以上の名前を選び、「人生で最高のセールストーク」をしたため、「全員に送信」した。
その結果、37箱、総重量439キロの本が集まり、それを8頭のロバで届けたとのこと。
その後、ジョン・ウッドは、このプロジェクトに専念して、2300の図書館、200以上の学校、
50のコンピュータ教室、1700人の女子生徒の長期奨学金、そして100万冊の本、を実現させた。

もちろん、慈善活動には純粋で強い意志が必要であり、犠牲をいとわないボランティアスタッフの力は不可欠だ。ただし、食事を配るにも、予防注射を受けさせるにも、子供たちに本を届けるにも、すべてお金がかかることも現実なのだ。一部の資産家の寄付に頼っていては、散発的な援助やイベントに終わってしまう。資金を継続的に確保して、持続可能なプロジェクトを成功させるためには、企業と同じような発想のビジネスモデルが大切なのだと、ジョンは力説する。

お金がないと何もできないんだと改めて思った。

  • 頭の片隅から声が聞こえた。「わかっているくせに。きみがいなくてマイクロソフトが困るのは、せいぜい一ヵ月か二ヵ月のこと。すぐにだれかが穴を埋める。きみなど最初からいなかったみたいにね。でも、貧しい村に学校や図書館を建てる手助けをしようと思う人が、何千人もいると思うか?この仕事はだれもやっていない。きみが挑戦しなくてどうする」
  • 父に会社を辞めるジレンマを話した。「中国の大手通信会社とウィンドウズの100万ドルの契約を結ぶ責任者になろうとしているのに、読み古したドクター・スースの本を200冊寄付しますというメールの方が興奮するのは、どうしてだと思う?」
  • 「おまえの優先順位が変わっただけだよ。昔からずっと独立心のある子だった。だれかのために働くより、自分で何かを始める時期なんだろう」
  • シドニーにいる友人のマイクは、最高のアドバイスをくれた。「バンドエイドをはがす方法は二つある。痛いけどゆっくりはがすか、痛いけど一気にはがすか。きみが選ぶんだ。」
  • 二日後、北京に戻った僕はソフィに、二人の関係も、二人の家も、二人の街も、二人のキャリアパスも、僕は終わりにすると話した。完全な自由を手に入れるために、心から愛している人を取り返しのつかないほど傷つけなければならないとは、なんて残酷な運命なんだろう。
  • マイクロソフトでは、「大きく行け、それができなければ家に帰れ」と言われていた。これこそ、何か変化を起こしたいすべての人に送るアドバイスの核心だ。
  • 大きく考えれば、目標はおのずと実現する。大胆な目標は大胆な人々をひきつけるからだ。
  • 活動の成果もビジネスモデルも説明できない彼女が、ルーム・トゥ・リードを寄付者に売り込めるはずがない。最終的に採用した女性は、年間報告書とウェブサイトを読み込んでいた。彼女には情熱があった。
  • 情熱があって、自分の数字を知っている人間だけを雇うこと。

すごいすごいと見上げているばかりでは、何もできない。
大切なのはこの行動力。そして地に足着いた戦略。
それからスケールの大きさ、情熱。
この情熱の原動力となっているのは、小さい頃から本を読んでいたという経験だろう。
本を読めない人がいるなんて信じられないという気持ち、読書に対する想いが、
多くの人に共感され、共鳴し、大きな力になる。うまくフィットする分野だったんだな。
この例では、たまたま読書だっただけで、自分がこよなく愛するものなら
全力で情熱をささげられる対象になり得る。それを見つけて行動するのが大事。
やりたいことではなく、やったことを示す。ビジョンは大きく、目標は具体的に。
自分の場合はどうなのかと考えてみた。何も問題はない。
ちゃんと目標を立てた。レビューをちゃんとして、軌道修正しつつ実行あるのみ。

*1:マネー・ボール(http://d.hatena.ne.jp/pho/20060608/1149774208)に続いて2冊目