ユークリッドの窓 つづき

keitabandoさん、コメントありがとうございます。
でもこの本、ここから先も面白いんです。昨日紹介できなかったところを
もうちょっと紹介しようかと。

ボローニャ大学では、学生が教授を雇ったり首にしたりしたばかりか、無断欠勤したの遅刻したの、はたまた難しい質問に答えなかったのといっては罰金を科した。講義が面白くなかったり、進み方が速すぎたり、遅すぎたり、あるいは単に声が小さかったりしただけで、学生はヤジを飛ばしたり物を投げつけたりした。ライプツィヒではついに、教授に石を投げてはならないという規則を設ける必要に迫られたほどだった。

殺伐とした時代だな。これはこれで興味深い。

数と幾何学を結びつけるということは、ギリシャ人がつかみ損なった唯一の概念である。
数学者ではない一般の人びとにとっても、データのパターンを分析するためにはグラフが大いに役立つが、それはデータと幾何学が結びついたおかげなのだ。人間の頭脳は、線や円などの簡単な図形を容易に認知する。

自分の常識というやつが、つくづく疑わしい物に感じられる。
グラフを考え出した人がいて、それ以前にグラフは存在しなかったのか。
当たり前に感じている物が当たり前じゃないことを認識しておこう、

ユークリッド:円とは、一本の線に囲まれた平面図形で、その図形の内部にある一点からそれへ引かれたすべての線分の長さが互いに相等しいものである。
デカルト:円とは、定数rに対し、x^2+y^2=r^2を満たすすべてのxとyである。

数式って素晴らしい。数式なしの方が取っつきやすいのかもしれないけど
シンプルで紛らわしくない物を求めるなら、断然数式なんだろう。

ユークリッド空間とは何だろうか?ガウスやボヤイとロバチェフスキーが発見した双曲空間は、平行線公準の代わりに、「任意の直線について、その線上にない一点を通ってもとの直線に平行な直線が一本ではなく何本も引ける」と仮定することにより得られる空間である。ガウスがタウリヌスに宛てた手紙によれば、その空間には、三角形の内角の和がつねに180度よりも小さくなるという性質がある。ガウスはその差分を"角度欠損"と読んだ。ウォリスが偶然発見したもう一つの性質は、相似三角形が存在しないというものだった。

このあとリーマン幾何学とか出てきたりする。非ユークリッド幾何学関連のことが
これまで全然自分の頭に入ってなかったのが、なんでだろうと気になったけど
その理由がわかった。大学の時にちょっと齧って、意味不明だからあきらめたんだった。
なんだかんだ言って、自分は物理系、工学系の人なので、実際にある物を
理解するための数学って考える傾向にあり、抽象化には頭がついていかない。
でもリーマン幾何学は、その後一般相対性理論につながるわけだし、
M理論とかにもつながっていくわけで、基礎って大事なのである。
そもそも自分の常識が通じないものを知ることは楽しい(すべてとは言わないけど)。

深い真実を求めて探索はつづく。ユークリッドデカルト、ガウス、アインシュタイン、そしてウィッテン(彼については時が答えを出してくれるだろう)、また、彼らに肩を貸してくれたすべての巨人たちに、われわれは感謝すべきだろう。彼らは発見の喜びを味わった。しかしわれわれは彼らのおかげで、それと同じくらい大きな喜び、すなわち理解する喜びを味わえるのだから。

ユークリッドの窓~平行線から超空間にいたる幾何学の物語
ユークリッドの窓~平行線から超空間にいたる幾何学の物語レナード・ムロディナウ 青木 薫

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