講談社文庫で1140円。834ページ。
帯からもう素晴らしすぎる。
『待たせたな!僕だ。うはははは。』
京極本読むたびに、日本語ネイティブで良かったと思う。
非常に楽しみだ。
ということで読み始めたのだが、非常に面白かった。
百器徒然袋-風 (講談社文庫 (き39-12)) | |
京極 夏彦 おすすめ平均 文学としては如何かと。 榎木津=阿部寛 榎木津の新たな一面がみれるかも・・・ あなたも榎木津礼二郎の下僕に 読みがいのある一冊。 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
やや間伸び感があるような気がするけど、面白かった。
小説の中身を紹介してもしょうがないんで、言葉をいくつかピックアップ。
事件なんてものは放っておいても終わるものだからね。収まるところに収まれば、解決なんかしなくても構わない。収まらないからゴタゴタするのだ。いいように収めるのが僕の仕事だ。
終わらせようとしなくても終わるものは終わる。やるべきことを見失ってはいけない。
セツは単純に、凄いわその年数と驚いた。中禅寺は顔を背けて肩を上下させて―。
笑っている。
酷い男だ。
これ、かなり笑えた。中禅寺面白すぎる。
僕はそう思うのです。物理的な力などを用いることなく、場所を隔て、時間さえ隔てていても、第三者に作用を及ぼせるモノやらコトのことを、呪いやら、祝いやらと呼ぶのだと思うのです。
全然関係ない人に及ぼす影響力なのかな。呪いとか祝いとか。
自分の関心の輪よりも影響の輪が大きくなる、それが言葉なのかもしれない。
「お前、人前でお面を被って楽しいか?」
「面―ですか?」
お面みたいなものだろうがと榎木津は云った。
「どこに行くんだって誰に会うんだって、素でいいだろうが素で。面被らなきゃいけない理由なんか何もないぞ。それなのにお前達はすぐに面を被るじゃないか。何か恥ずかしいのか?そう云う恥ずかしいことばかりしてるから恥の塊になってしまったんだな!」
自分はどういう面を被っているのかな、と改めて考えてしまった。
榎木津のストレートな言葉にはいろいろと考えさせられる。
「間違わないが意味が解らないぞ。別に説明して欲しくもないが、それは面白いか?」
「面白くないですって」
中禅寺はそう云い乍ら、僕と益田の顔を交互に眺めた。
「面倒臭いなあ」
中禅寺は顎を摩った。
「何だか僕の趣味じゃないがなあ」
面白いか面白くないか、やっぱり大切なのはそれだ。