ぼくには数字が風景に見える

橋本さんのところで紹介されていて知った本。
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/005033.html
自分が当たり前だと思っていることは、自分だけにしか通用しないと
思っておいた方が良さそうだ。そんなことを改めて感じさせる本。

ぼくには数字が風景に見える
ぼくには数字が風景に見える古屋 美登里

おすすめ平均
starsご両親に乾杯
stars本人の好印象は残ったが、もっと違うことをもっと深く知りたかった
stars天才
stars共感覚
starsサヴァン症候群アスペルガー症候群

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うまく解説できないので、解説文を紹介する。

本書の読者は、まず著者ダニエル・タメットの超人的能力と頭の構造に驚くだろう。それと同時に、自分が好きなものに夢中になることの素晴らしさを教えられるはずだ。大好きな数字や言葉について語る著者の無邪気さ、純粋さは、私たちが大人になるうちに忘れてしまったなにかを、もう一度思い起こさせてくれる。
そのいっぽうで読者は、アスペルガー症候群という難しい障害を抱えながらも、一歩一歩自立の道を歩んでいくタメット少年の成長ぶりに、大きく心を動かされるだろう。彼を支えた彼の家族の姿も、また感動的である。

だいたいここに網羅されている気がする。この本を読んで良かったのは、
自閉症スペクトラム障害というものを知ることができたことかもしれない。

つまり、多少オタクっぽい人から、アスペルガー症候群高機能自閉症、知的障害を伴う重度の自閉症にいたるまで、それぞれの間に境目をおかずに、みなひとつながりとみなすのである。この発想は、臨床的に有用であるばかりでなく、社会福祉的にも意味がある。障害を抱える人々と私たちとの間に引かれた境界を解消するものだからである。

そうそう、境界線なんていらない。学問にも人種にも性格にも。
ちょっと対人関係がうまくないとか、ちょっと癇癪を起こしやすいとか
ちょっと過敏だとか、ちょっと協調性がないとか、別にいいと思う。
一つの価値観を押しつけるようなことがあってはならない。
迷惑がかかるのはあんまり良くないけど、マイペースでやればいいと思う。

  • πの小数点以下22541桁まで、誤りなく5時間9分かけて暗唱

(てんかん協会のための寄付金集めのイベント)

  • アイスランド語を一週間で習得
  • カレンダー計算(何年何月何日は何曜日か計算できる)能力

このあたりは、やはり非常に興味深かった。
幸か不幸か自分にはそういう能力がないけれど、(いや、線引きしちゃだめだ)
こういう考え方、感覚の人がいるということを知るのは楽しい。

「πのような小数点以下の数字が並ぶ数字をどうして覚えるのですか?」
「πはぼくにとって言葉にできないほど美しく、唯一無二のものだからです」
モナリザの絵やモーツァルトの交響曲のように、πそれ自体に愛される理由があるのだ。

数字の美しさというのは、なんとなくわかる気がする。数字の色はわかんないけど。
ありきたりだけど、好きなことに没頭している人は楽しそうだ。
自分も今いろいろと好きなことをしていて楽しい。