生命保険の「罠」

「ところで、ニッセイの人たちは、保険会社の人たちは、どんな保険に入っているの?」

そんな問いかけをベースに保険の仕組みをわかりやすく説明してくれるのがこの本。

生命保険の「罠」 (講談社+α新書)
生命保険の「罠」 (講談社+α新書)後田 亨

おすすめ平均
stars具体的な数字がでているのがよい
stars生命保険会社にカモられないように
stars買う側の気持ちに立った良書だと思います。
stars生命保険の現実をすべての人にみてもらいたい傑作
stars自分のことは自分で守る。保険会社は守ってくれない。

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具体的な例を一つ一つ丁寧に挙げて書いてあるので、非常にわかりやすい。
保険会社も慈善事業ではないので、損しないようにできているのは
なんとなくわかっていたが、営業手法とプロが入っている保険が特に面白かった。

  1. 「おまけ」で釣る
  2. 「極論」に振る
  3. 「信者」にする

論理的に考えれば1,2に引っかかることはない。3はなかなかうまい。
でも利害関係あるわけだから、冷静に考えればわかる気がする。
結局自分で調べたり考えたりする気のない人は、それなりのコストを
負担するんだろう。保険に限らず、何事もそうじゃないかと思う。
それじゃああんまりじゃないの?というのが、この本とか新規参入とかなのかも。

「いいか?"わかってない奴"が、"もっとわかってない奴"を探して保険を売ってくるんだ。凄いだろう?」

「何にも問題が起こらなそうなものをいくら売っても、何て言うか……、プロじゃないと思うんだよね。たとえば不動産だったら、建て方が悪かったり老朽化してたりで、よく見たら傾いているような家でも売っちゃうのがプロだよね。誰が見たって立派で、しかも安い家があったら、もっといても売れるよね。そしたら、プロの営業マンなんかいらないじゃん?」

著者の意見ではないけど、この二つもなかなか凄い。マルチかネズミ講っぽい。
こういうプロの営業マンとは、徹底的に距離を置きたい。


最後に保険の入り方。基本は、「死亡保険」と「入院保険」を分けることか。
「死亡保険」は、残された人のため。
「医療保険」は、入院などした自分のため。
もらえる額が増えるものは、当然支払う額も増えるわけで、
「なければないでいい」をどんどん削って、支払額を下げるのが得策か。
扶養家族のいない自分には、「死亡保険」なんて無意味だから入ってない。
「医療保険」だって、普通の健康保険と、貯金である程度カバーできるはず。
どうしても困った時のためにあるのが保険なので、最低限でいい。
というわけで、自分の場合、現在月2000円のみ。
あとこの本で紹介されているのは、「収入保障保険」。

「自宅は持ち家だから、ローンの残金は、住宅ローンを組んだ時に入った「団体信用保険」から完済されるでしょ?だから、家賃ゼロ生活になるわけです。で、「公的遺族年金」ももらえるから、生命保険で年収180万が確保されれば、飢え死にはないですよ(笑)カミさんだってパートくらいはできるでしょ?子供にかかりっきりでもなくなるわけで、心配したらきりがないですよ。」

好みによるだろうけど、このくらいの割り切りは非常に合理的でいいと思う。
というわけで気になる人は、具体例豊富でわかりやすいこの本を読むといい。