要するに

面白かったが紹介しにくい本である。いろいろな媒体に書かれた文章だからか。
山形浩生氏のエッセイをまとめて読みたい人にはおすすめの本。

要するに (河出文庫 や 20-2)要するに (河出文庫 や 20-2)
山形 浩生

河出書房新社 2008-02-04
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おすすめ平均

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この本を読んでいて思ったのは、自分がこれまで面白いと思ったことの大半が
結果としてこの人の後追いに過ぎないということである。
フリーソフトウェアグラミン銀行、八谷"ポストペット"和彦、レッシグ等。
世代が違うし、情報の入ってくる時期も違うから当然ではある。

過去にだれがどういう形で述べていようとも、いまの一つの価値観としてそれを述べることは大事なんだ。同時に、その価値観の位置づけを考えとくことも大事だ。

ということなので、そんなに気にすることはないのかもしれない。
でも自分が高校生でネットなんて知らないときに、「ネットワーク共産主義」。
大学入ったばかりの、やっとネットを知ったときに、「アートとIT」。
一回生の終わり頃に「グラミン銀行」。何周遅れなのかなって考えてしまった。
まあせっかくこの賢い人がわかりやすく説明してくれる文章が読めるんだから
「要するに」をそのまま書いてくれるんだから、非常にありがたいことだ。

ぼくには、なんかすごい「これっ!」という大原則はない。たとえばぼくはなにがなんでも民主主義がすばらしいとは思っていない。人権だってそんなに尊重していないし、人命だって、他のなんかとてんびんにかけなきゃいけない場面はあるだろうと思うし、それがなにものにも代え難いにしても、敢えて何かと代えなくてもいい場面だってあるだろう、とは思う。
無原則で日和見、といわれればまさにその通り。ただぼくは本当に定見はないのだ。

ジェネラリストもここまで徹底すると素晴らしいと思う。専門家の方が楽そうだ。
まだ消化した気がしないので、もう一度読むことにする。
本の中身が知りたい人は、原稿リンク集から辿ればいいと思う。
この人の他の本について知りたい人は、最後のリンクから。
山形浩生『要するに』 原稿リンク集 | poqu.log
http://blog.poqu.org/yousuruni/
山形浩生『要するに』リンク集

http://8-p.info/book/9784309408835.html
Books that I wrote/translated
http://cruel.org/books/books.html