文楽を見てきた

一ヶ月以上前なので忘れつつあるが、記録しておこう。
先日「文楽って興味ある?」と聞かれて、「ブンラクって何?」と聞き返すくらいの
レベルだったけど、国立劇場の小劇場で文楽なるものを見てきた。楽しかった。
文楽ではなく、人形浄瑠璃といわれたら多少わかったかもしれない。
文楽の概要として、この気合いの入った読売の特集がいいかもしれない。

文楽、正確には文楽人形浄瑠璃芝居は、その芸術性で世界トップクラスの人形劇である。三百年以上の歴史があるだけでも珍しい。
ストーリーは、床(ゆか)の太夫と三味線による浄瑠璃の語りによって展開される。人形は大きく精巧で、カラクリ仕掛けで表情を変え、1体に3人もの遣い手がかかり、人間のように、時には人間以上に喜怒哀楽を表現する。

404 Not Found

というわけで、非常に精巧な人形を3人がかりで操作するという
贅沢極まりない世界。文化というのはそういうものかもしれない。
ちなみに人形はこんな感じ。

良くできていて、思ったよりも非常に大きかった。
座席は1等から3等まであるけど、ほとんど1等席だった。
あまり離れるとよく見えないから、例外的に見づらい場所が2等、3等らしい。
今回見たのは源平布引滝(げんぺいぬのびきのたき)だった。
義賢館の段、矢橋の段、竹生島遊覧の段、九郎助内の段の4段からなる。
内容としては、

平家打倒の旗印である源氏の白旗が、父・木曽義賢の手から子・義仲(駒王丸)の手へと渡る筋を丁寧にご覧いただきます。

という感じなのだが、最初何も知らずに見たらわけがわからなかった。
真ん中な日々 源平布引滝 人物相関図
http://kayabatyou.blog11.fc2.com/blog-entry-1768.html
けっこう入り組んでいる。幕間でガイドを読んでようやくわかった。
なんだかんだ言っても人形劇だよなって思っていたが、凄い迫力だった。
非常に大きな人形を三人であれほど激しく動かしているのに
全然乱れていないのに驚いた。コンビネーションがすごい。

ヤア騒ぐな嘆くな、義賢が切腹は覚悟の前、とかく大事はこの御旗、葵に追つ付き手渡しせよ、平家の穢れをさつぱり斬つて捨てたる我が討ち死に、潔き切腹と云い聞かして悦ばせよ、思い置くこと少しもなし、さりながら腹な倅をただひと目、これが残念々々

義賢の最期がなかなか壮絶だった。

「ホヽもうさぬとて御存じあらん。唐土楚国の后桃容夫人、常にあつきを苦しんで鉄(くろがね)の柱をいだく。その精霊宿って鉄丸を産む。陰陽師占ふて剣に打たす、干将莫耶が剣サこれなり。察するところ葵御前も常に積衆(しやくじゆ)の愁あって、導引鍼医(はりい)の手先を借り、全快の心通じ自然と孕めるものならん。ハテあらそはれぬ天地の道理。今よりこの所を手孕村と名づくべし」とさもありさうにいひしより、今もその名をいひ伝ふ。

源平布引滝

なかなか無茶だけど、そこが面白いのかもしれない。
そういうわけで、ほとんど勉強せずに行ったけど楽しめた。
いろいろと頭に入れてから行けば、もっと楽しめると思う。
今調べていたらこんなのがあった。いろいろと考えるんだな。