2001年宇宙の旅

読書感想文2つ目。ずっと気になっていたのだが、なかなか読むきっかけがなくて、つい最近ようやく読んだ。40年くらい前の作品なのに、全然古さを感じさせず、非常に面白かった。
決定版 2001年宇宙の旅 (ハヤカワ文庫SF) (文庫)
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ヒトザルの辺りは退屈だったが、宇宙ステーション、月面に向かうところなどは、詳細に描写されていて、非常にリアルに感じられて面白かった。10年くらい前にこれを読んでいたら今頃どうなっているのかな、なんて思うほどかっこいい。HALのところは、正直かなり怖いと思った。自分がボーマンの立場にいたらどう感じるか想像しただけでも十分怖ろしかった。ラストは、よくわからないけど、まああんなもんかなという感じ。
真っ先に思ったのは、なんでそんな前にこれほどリアリティ溢れるSFを書けるんだろうかということだ。想像力が半端なものではない。自分の想像力のなさに悲しくなってしまうほどよく描かれている。それからロボットのこと。以前セルカンが言っていたのだが、日本のロボットのイメージが他の国と違うらしい。日本では、鉄腕アトムとかドラえもんとかの影響かわからないけど、ロボットと言えばともだちなわけで、アシモが襲いかかってくるとか想像すらしない。でもセルカンは、アシモが怖いという。武器を持ったら殺人マシーンじゃないかって。この本でHALについて知り、セルカンの気持ちが少しわかった気がする。アイザック・アシモフロボット三原則についても、これまでしっくりこなかったけど、この本を読んで納得できた。まあHALはすごいロボットだけど、銀河ヒッチハイクガイドのマービンに比べたらひよっこみたいなもんだな。マービンの人生観の破壊力には凄まじいものがあるから。
そんなわけで、なかなか面白かったので、スタンリー・キューブリック監督の映画も見たくなってきたわけである。