暗闇で5億4300万年前に思いを馳せながら、webの世界を考える

先日ダイアログ・イン・ザ・ダークに行った後、以前読んだ本「眼の誕生」のことを思い出した。全然目が慣れてこない場所というのは、視覚が通用しないという点で、目が誕生する前の世界に似ている気がする。
「眼の誕生」を読んだ当時、カンブリア紀のビッグバンとwebの世界のことを対比させて考えたのだが、そう考えてみると暗闇を体験することは、違った側面からwebの世界を体験することなのかもしれない。ということは、暗闇の世界で感じたこと、実際に起きたことは、何らかの形でwebの世界に適用できるかもしれない。
暗闇では、

  • 自分が見つけたものを声に出して言わないと伝わらない
  • 何も言わないと自分がそこにいることすら伝わらない
  • 初対面なのに(物理的にも精神的にも)非常に距離が近づく
  • 手は2つしかないけれど、まわりの人とのコミュニケーションを通じて、何倍ものエリアをカバーできる
  • 独りで手の届く範囲だけを知るよりも、協力してやった方がずっと面白い。
ダイアログ・イン・ザ・ダーク - technophobia

ざっとこんな感じか。これをwebに当てはめて考えてみる。

  • blogとかブックマークとかtwitterとかに書かないと伝わらない。読んでいるだけでは誰にも何も伝わらない。(せいぜいアクセスログくらいしか残らない)
  • 自分の存在自体も、自ら発信しないと伝わらない。
  • web上での接触を高密度で繰り返すことにより、直接会って話すより精神的に距離が近づく気がする。
  • 自分一人では観測範囲は狭いけど、他の人と情報をシェアしたり、コミュニケーションを取ったりすると、何倍ものエリアをカバーできる。
  • 独りで手の届く範囲内に限って行動するよりも、協力してやった方がずっと楽しい。

もっと無理矢理な解釈が必要かと思ったけど、案外すんなり当てはまった。別に正解とか不正解とかがあるわけじゃなくて、人それぞれ感じ方は違うと思う。ただ自分の場合、暗闇の中で感じたことが、webにも当てはまりそうな気がした。他の人が暗闇で感じたことも、その人にとってのwebに当てはまるかもしれない。
そういえば書き忘れていたが、暗闇では、効率を追い求めたりしていなくて、楽しんだらいいと思っていた。webでも楽しんだらいいのである。キーボードでネガティブなことを打たないのは鉄則であるby橋本さん。そうやって改めて考えると

  • 自ら情報を発信し続ける。
  • 他の人と情報をシェアしたり、コミュニケーションを取ったりして、広いエリアをカバーする。
  • 他の人と協力することで、広い世界でもっともっと楽しむ。

ということは、自分にとって案外かなり重要かもしれない。まあwebの世界に限ったことではなさそうだけど、webだとダイレクトに利いてきそうな気がした。