リーナス@溜池山王

モンティパイソン休暇、台風休暇に続いて、リーナス休暇を取った。linuxという途方もないもののきっかけを作った人が東京に来るなら、是非見ておかないとと思ったので。

Linus Torvalds&Jim Zemlin

まずJim Zemlin氏が登壇して、いろいろ数字を挙げながら説明してた。
「5000」これは一日に削除されるlinuxのコードの数。
「500億」これはlinuxの経済規模。
「0」linuxのコスト
「1」18年前に1人の人間の手によってlinuxが始まった。
その一人とは、「Linus Torvalds」と言ってリーナス登場。Jim Zemlinってめちゃくちゃプレゼンうまいな。見てるだけでわくわくしてきた。
リーナスは、実際のところよくわからないけど、いろいろ楽しんでいる感じに見えた。できるかぎりlazyで、労力を最小限にするとかいう話は良く聞くけど、"It's a hobby"って即答してる雰囲気などはその場にいればこそ伝わってくるものである。

「成功するための計画を立てるのではなく、深く関心の持てるものを取り上げるべき。ベストを尽くすためには、10年間、毎日10時間頑張れるものを見つけること。他の人に役立つものであればなおいいが、そうでなくても自分が楽しければ必ず成功できる。自分もそうして18年間楽しんできた」

【第1回Japan Linux Symposium】 Linuxの開発は「今でも趣味」、Linus Torvalds氏講演 -INTERNET Watch

You need to find your niche.というのは、

You are the pioneer of your own frontier.

「でも僕の人生ですから」 - technophobia

に通じる物があるな。やっぱり実践している人の言葉には重みがある。

Rubyのまつもと氏

Favorite thingsと言って、自分の好きな物を3つ挙げるメソッドはなかなかいいと思う。コンピュータで何がしたいとかいうのは特になくて、コンピュータ言語そのものが好きで、コンピュータにどうやって意志を伝えるかとかに興味があると言っていたのが新鮮だった。一つの言語にいろいろぶちこむキッチンシンクアプローチなど、いくつかの言語の背景を知ることができて良かった。「...Makes you enjoy programming again」の「again」がなんかいいな。いつのまにか忘れてしまっていた楽しさを思い出すことも時々意識してみると良さそうだ。

WikinomicsのAnthony D. Williams氏

LinuxBMWにもTivoにも入ってるとは知らなかった。サンフランシスコ発みんなでAir pollutionを検出しよう的なサイトがなかなか興味深い。

Curriki とは、Curriculum と Wiki を組み合わせた語である。
教育カリキュラムを、誰もが自由に利用したり改変できるオープン・ソースとして制作していくプロジェクトで、作業を進めるにあたっては、インターネット上で誰もが自由に編集に参加できる Wiki を使うことから、こうした名称が作り出された。

Curriki - 独り言つ

なんてのもあるんだな。あとイギリスの議会をチェックしよう的
http://www.theyworkforyou.com/
このサイトもなかなか興味深い。それからideaのマーケットプレイス的なものの紹介があって、こういう流れを4つにまとめていた。

  1. customization(Tシャツや車など)
  2. brainstorm with customer(IDEAstorm)
  3. new model of co-creation(music,remix)
  4. open up a platform for innovator, open solution

英Guardianは3月10日、同社サイトguardian.co.ukで公開しているコンテンツを、他社が無料で転用し、自社サイトで利用できるサービス「Open Platform」を立ち上げた。企業は、Guardianのコンテンツを利用して独自のアプリケーション(商用を含む)を構築できる。

英新聞Guardian、オンラインコンテンツの無料転載サービスを立ち上げ - ITmedia ニュース

いろいろなところで着々と進行しているんだな。intellectual propertyのsharingという考え方がますます広がってきている気がする。"Global Commons for scientific and government Data"という言葉も出ていたが、共有と独占の両方を意識していくことが必要だと改めて考えさせられた。

  • Patent protection, closed innovation
  • Standard disclosure, open innovation

この2つのモデルを行ったり来たり。過渡期にはいろいろあると思うが、些末なことにはとらわれず、本質的な問題が何であるかを意識していきたい。

パネルとか

トラブルが発生してからのレイテンシ時間がのびているという話が新鮮だった。趣味でやっている人とビジネスでやっている人のギャップというのは、こういうところに現れるのかもしれない。mobileとcloud computingがdesktopにどんどん浸食していく未来は、まだあまり意識できないな。いろいろな環境に身を置いてみないと、自分の今の環境だけが当たり前に思えてしまうので、気をつけたいと思う。
オープンソース(ソフトウェア)を研究データの共有などと比較して考えると、いろいろ問題があるにしても、ソースコードの公開が前提になっている時点で、データの共有よりもずいぶん先を行っている気がした。どの部分が似ていて、どの部分が違うのかを整理して、応用してみると違う視点で考えられるかもしれない。
この後、わいわい@2周年に行った。相変わらず謎の集まりだった。