スミソニアンマガジン40周年記念号の電子版がすごい

技術的に可能だとわかっていることでも実際に実現されているのを見ると違った驚きがある、なんてことをこの雑誌を見て感じた。Kevin Kellyが寄稿しているとブログに書いていたので知ったのだが、スミソニアンマガジン40周年記念号の電子版が現在無料でダウンロード可能になっている。記事自体も公開されているので普通に読むことができるが、電子版の雑誌を読んでみたらなかなか興味深かった。
http://www.smithsonianmag.com/zinio-40th-anniversary-issue.html
zinioという会社が雑誌リーダーのようなアプリケーションを入れる必要があるが、これはPCでもMacでもiPhoneでもiPadでも無料で提供されているので、試しに読んでみることをお勧めする。雑誌の未来みたいなものを感じた。表紙はこんな感じ。目次もあって、一見普通の雑誌を取り込んだ感じ。

でも目次を拡大すればわかりやすいけど、それぞれのページにリンクが貼ってある。ここまではgoogle booksでも同じか。

GoogleのVinton Cerfの記事がある、と思ってリンクをクリック。で、PLAY VIDEOをクリックしたら動画が再生される。ここまで来るとインタラクティブという感じがする。

広告にURLがあれば、ワンクリックでそのサイトを見ることができる。

雑誌の最後の方によくある商品紹介ページでリンクをクリックしたら、購入サイトに行けてしまう。

iPadMacbook Proなら画質は紙と遜色ないくらいきれいだと個人的に思うわけで、正直言ってここまできたかと感じた。

ウェブサイトは決して最後にならないー終わらない。雑誌であれば、読めば、「ああ、これで今週はニュースに追いついた」と思えますが、ウェブサイトにはこれがありません。常に「もっと」の部分があります。ウェブサイトは雑誌体験の貧弱な代用品なのです。

newsmag-jp.com

この電子版の雑誌ならページという概念が残っているので「ああ、これで今週はニュースに追いついた」と思える。このインタラクティブな雑誌を見てから従来の紙の雑誌を見るとひどく時代遅れのように感じてしまった。電子化するというのは、単に場所を取らなくなるとか流通コストが下がるとかいうだけではなく、ユーザー体験が変わる。わざわざ雑誌で気になったキーワードをググらなくても、ワンクリックでそのサイトに行ける。文章だけでは伝わらないこともワンクリックでインタビューが見られる。欲しい商品もワンクリックで購入画面まで行ける。なぜ死んだ雑誌を読まなければならないんだろう、なんて言い方もできる。
広告主からしてみれば、QRコードなんかをつけるよりもずっと簡単にサイトや購入画面に誘導できるし、トラッキングも可能なので、インタラクティブな雑誌を求めても不思議ではない。技術的に可能であるだけでなく、現在zinioならNational GeographicもThe EconomistEsquireもHarvard Business ReviewもFPもScienceも扱っていて、数ページ立ち読みすることもできる。そんな体験をしながら、Kevin Kellyの寄稿した文章、Reading in a Whole New Wayを読んでみるのも悪くない。
http://www.zinio.com/