失敗談があるから価値がある

なんで「今」「あれ」を翻訳したのか。一言で言えばOpen Advice面白いよってことだけどそこに至るまでの過程を書き残しておくことにする。
たまたまエリック・レイモンドの「伽藍とバザール」「ノウアスフィアの開墾」「魔法のおなべ」 http://tdtds.github.com/esr_trilogy_ja/epubで今さらながら読んで、今さらながら感銘を受けた。もっと早く読めば良かった。
オープンソースってのは思想として素晴らしいというよりも実益があり、効率も良くて、なんでそんなに良いこと尽くめなのかをいろいろ考察しているのが素晴らしい。オープンソースの世界というのは、協力と競争のバランスがうまく取れていて、他の分野に(自分の仕事に)応用できることが多そうだという思いを新たにした。
そこでOpen Adviceである。http://open-advice.org/ この本のいいところは3つ。

  • 短くて読みやすい
  • 実際にオープンソースプロジェクトに関わってる人が書いている
  • 失敗談が書いてある

エリック・レイモンドって上の3部作を読むまでジャーナリストか何かだと勝手に思ってて恥ずかしい限り。ハッカーで、自分のオープンソースプロジェクトでバザール方式が通用するか試したとは知らなかった。それと一緒でOpen Adviceも実際にプロジェクトに関わっている人が書いているのでリアリティがある。それと全部を読んだわけじゃないけど、失敗談がすごくいいと思った。一つ目の話はプロジェクトの環境を整えたけどコードを書かなかったら誰も参加しなくてポシャったとか非常に具体的でわかりやすい。その反省を活かして、成功に導いているのがとてもいい。昨日訳した翻訳の話もリリーススケジュールを考慮しなかったら無駄になってしまったという失敗談が出てる。その反省を活かして次に進む。当たり前のことだけど、それがきちんと書かれていていいと思った。
そういう視点で見てみると、自分の仕事とか分野とかに活かせそうなものの宝庫に見えてきた。オープンソースプロジェクトのいいところって上にも書いたけど協力と競争のバランスだと思っていて、そこら辺が今の自分のいる分野には全然ないから改善の余地ありだと思う。細かいことで言えばチケット管理システムとか(入れればどうにかなるわけじゃないけど)物事が合理的であるというのはいいと思ったりする。コアコンピタンスが何なのかをきちんと理解して、注力すべきところとそうでないところを区別するのが大事なわけで

怠惰とは単に仕事を避けることではない。それは二度と同じことをしないで済むよううまく仕事をすることなのだ。

礼儀正しさ重要(Good Manners Matter 日本語訳)

こういう怠惰さが極めて重要だと感じた。単純にやって楽しいことも大事だけど。