ロボット(岩波文庫)

今読んでいるロボット兵士の戦争という本がとてもとても面白いので、ロボットが気になりはじめた。そんなわけで「ロボット」という言葉が最初に出てきたカレル・チャペックチェコの作家)の戯曲を読んでみた。

「人間を十年もかけて作るなんてナンセンス。自然より速く作れないなら、こんなくだらないものは全部やめにした方がいい」。そういうと自分で組織学に取り組んだのです。

この話の設定では、時間をかければ人間を作れるとなっている。まずそこに驚いた。

お嬢様、若いロッスムは新しい時代の人間です。認識の時代のあとの生産の時代の。人間の組織的構造を一目見てとるや否や、これはあまりにも複雑だ、よい技師ならもっと簡単に作れると分ったのです。そこで組織を作り変え、何を取り除けるかあるいは簡単かできるか実験をつづけたのです。

人間では複雑すぎるのでシンプルにしたのがロボットとのこと。

和解ロッスムは一番経費のかからない労働者を発明しました。それには簡単かしなければなりませんでした。労働のために直接役に立たないものはすべて捨ててしまいました。それによって人間をやめにして、ロボットを作ったのです。

作ろうと思えば人間を作れるけれども、それでは効率が悪いので仕事に最適化されたロボットを作っているのである。その発想はなかった。足し算で作るのではなく、人間からの引き算でロボットを見るという発想が非常に新鮮に感じた。

ロボットは痛みを感じないので、自分で自分を壊すことがあります。手を機械の中につっこんだり、指を折ったり、頭をめちゃめちゃにしたり、ロボットにとってはどうでもいいことです。ですから痛みを与えなければなりません。これはけがを予防するためのオートメーション装置なのです。

やはり考え方が非常に面白い。これもBiomimeticsの一種だろうな。ロボットに対して自分がぼんやり抱いていた印象とは少なからず違う考え方を知ることができてよかった。

ロボット (岩波文庫)

ロボット (岩波文庫)