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裁判所に行ってきた

日本からのお客さんがシンガポールの裁判所を見学したいということなので、それについて行ってきた。前の職場の隣なので場所はよく知っていたが、入るのは初めて。

Supreme Court: Home

建物の名前はSupreme Court(最高裁判所)なのだが、この中にHigh Court(高等裁判所)とCourt of Appeal控訴裁判所)が入っていてややこしい。1グループ160ドルのガイドツアーを手配したので、ガイドの人がいろいろと説明してくれた。

建物としてはシンガポールにSupreme CourtとState Courtの2つがあるという。Supreme Courtはシティホールにある空飛ぶ円盤が上にのったやつで、State Courtはチャイナタウンにある。少額の民事訴訟や、罪がそこまで重くない刑事訴訟はState Courtの中にあるdistrict courtやmajestrate courtでやるそうだ。そして、それらの判決に不服があった場合は、Court of Appealで扱われる。そういうわけで、三審制ではなく二審制みたいである。

多額の民事訴訟や刑が重い刑事訴訟はHigh Courtで行われて、不服がある場合にはCourt of Appealの案件となる。この2つが入っているのがSupreme Courtという建物なので、日本の感覚と違って少々戸惑った。国会議事堂に面した入り口でセキュリティチェックを受ければ誰でも入ることができるが、カメラは預けないといけない。

2階から6階までの各階に4部屋ずつCourt roomがあって、これらはHigh Courtである。4階のCourt roomはプロジェクターが設置してあって、証拠品が多いときなどに活用されるとのこと。そして8階と9階はCourt of Appealで9階に3部屋Court roomがある。8階は展望台になっていて、なかなか眺めが良かった。カメラを持ち込めないが、このエリアを一望したいのであれば一度来て見る価値があると思う。

隣にある旧裁判所も見える。旧裁判所とシティホールはくっついて美術館として来年オープンする予定。シティホール駅なのにシティーホールないって以前思っていたがこんなところにあったのかというパダン前エリア。

裁判所は透明性を表したガラス張りに、堅牢さを表した鉄でできていて、一階は裁判長の写真があったり、年表があったりしてなかなか面白い。とりわけ興味をひいたのは、裁判長がカツラをかぶっていたこと。以前自分で書いたこの記事を思い出した。


18世紀のカツラの話が面白い - pho's blog

イギリスから司法制度とともにカツラもシンガポールに輸入されていて、昔は裁判官がカツラをかぶっていたそうだ。あるときを境に、かつらを被るのをやめようと決定され、それ以来カツラなしの写真だった。きっとシンガポールにもカツラ恐慌みたいなのがあったに違いない。規模はどうであれ。

シンガポールでわりと知られているムチ打ち刑もイギリスから輸入されたものの一つ。イギリスでは廃止されたけれども、シンガポールではまだ生き残っている制度。死刑制度は少し緩和されて、麻薬を運んだだけで販売する意図などなければ死刑ではなく無期懲役で済むそうだ。ちなみに無期懲役は、態度によっては20年で出られるとのこと。2012年以来死刑執行されてないとガイドの人が誇らしげだった。

知的財産の訴訟はほとんどないのであまり仕事とは関係なかったが、なかなかモダンな空間を見学できて非常に面白かった。Court of Appealでも死刑判決が覆らなかった場合に、大統領に恩赦を求めることができるってのも知らなかったし、知らないことばかりである。