ラベルの役割とは何か。これは商標の役割に通じるかもしれない。出所の表示、識別力といったところが考えられる。もっとわかりやすく言えば、2種類以上のビールを作ったときに中身を間違えないためである。
付箋でも貼っておけば識別可能だが、せっかく3週間かけて作ったビールなんだからちゃんとしたラベルにしたくなった。で、プリンターを買った。
最初に作ったのはピルスナー。といっても常温で下面発酵のラガータイプのピルスナーができるはずもなく、店の人に聞いたところ上面発酵のエールでピルスナーっぽい風味にしたんだそうだ。デザインは、何か著作権が切れたものを使いたいなあと思ってやってみたら思いのほかしっくりきた。写楽の次は北斎かなあなんて考えたりもする。
日本人がシンガポールで作るビールなんだから、妖怪は外せないし、妖怪といえば石燕だろう、なんてことも考える。
妖怪ネタなら尽きることがないなーなんて思ったりもした。
単にプリンタに印刷した紙を貼り付けているだけだから、極端な話、全ボトルに違うラベルを貼ることもできる。でもまあなんか情報足りないし普通のにするかということでこのラベルに落ち着いた。
このサイトすごく便利。入れたい情報を入力したらラベルを作成してくれる。そして一ヶ月後、今度はヒューガルデンホワイトみたいな白ビールが飲みたいなー、これはエールだしシンガポールの室温でも問題なくできるかなーなどと考える。
若冲もいいなあとか、オーストリア=ハンガリー帝国の国章かっこいいなと思ったり。
ちなみに地道にちまちまハサミで切って糊で貼ってた。糊もいろいろと試行錯誤して、スプレーのり、テープのりなど試した。ボトルを再利用するとなると、ラベルも剥がさないといけないので、どののりだと剥がしやすいかなとか考えたりもした。
ビールの方は、第三弾としてギネスっぽい黒ビールが飲みたくなってアイリッシュスタウトにした。
やはり当然といえば当然だが、楕円形は切りにくい。
そういえばIPAって飲んだことないな。インディア・ペールエール。自分で作ることの最大の利点は好きなものを好きなだけ作れるところ。
ちょっと変わったのも面白いかなと思って手を出したのは、バーレーワイン。ビールよりも度数が高くワインに近い度数だからワインという名前が付いているけれども、中身はビールである。
これはワイングラスで飲むととても美味しい。器はけっこう重要。それにしてもとても綺麗な色のビールだ。
ここまでいろいろ作って、会社に持って行っていろんな人に飲ませたり、日本人研究者の会に毎月持って行っていろんな人に飲ませたり、バーベキューに持って行ったり、大学同窓会に持って行ったりして、この一年間で家でビール作ってるちょっと変な奴というインパクトがこれまでの4年間を完全に上書きしたように思う。
いろんな人の反応を見ていると、一番人気は口当たりの良い白ビールだったので、次のビールはヴァイツェンにした。
この後、IPAより軽いというセッションエールも作り、最近ではヨークシャービターという銘柄のビールも作ったのだが、現在ラベル作りは一時的に取り止めている。
理由としては、プリンタのインクがなくなり、あとせっかく印刷したものもあっさり文字が滲んで読めなくなったりして、対処法が見いだせてないから。ラベルとボトルの間にサランラップを挟み込んでみたけど、面倒なのであまりやりたくない。レーザープリンタ買おうかなとか、紙の種類を変えるとか、そもそも紙以外のものに印刷しようかなとか、そんなことを考える今日この頃。
今は興味関心がビール作りから完全にバーチャルリアリティ(VR)にシフトしているので、このくらいのペースで細々とビール作りを続けていこうかなと考えたりもする。
法律編
http://pho.hatenablog.com/entry/2015/06/13/014204
製造準備編
http://pho.hatenablog.com/entry/2015/06/14/223627
製造編
http://pho.hatenablog.com/entry/2016/01/20/013335
ラベル編(この記事)
http://pho.hatenablog.com/entry/2016/01/21/014145