クアラルンプール初日・Miku Expo Malaysia

初音ミクのイベントがマレーシアであると知り、週末ならちょっと行って来れそうだなと思ってチケットを購入した。今年で10周年を迎えるボーカロイド初音ミクについては、自分の出身地である札幌のクリプトン・フューチャー・メディアが手がけているということもあって名前は知っていたが、ほとんど聞いたことがなかったし、あまり関心もなかった。1年前までは。

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7時ゴールデンマイルコンプレックス発のバスに乗る。バスは3列シートでまあまあ広いけど電源やWiFiはない。この辺は会社によりけりなんだと思う。Causewayの国境ではなくSecond linkの国境から出国した。土曜の朝ということもありわりと渋滞していて、出入国でも待たされたので、マレーシアに入国したときは既に10時近かった。Yong Pengというパーキングエリアっぽいところで30分休憩したのち、再度出発。

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シンガポールローミングSIMを使おうと思っていたのだが、バスで移動中とか人混みとかネットにつながらないことが多かった。中国や日本からシンガポールローミングしたときは快適だったので、何か条件が違うのかも。いまいち原因が特定できてないけれども、ローミングの際に使用されるMycellって会社のインフラの問題か、自分の環境に何らかの通信制限があるのか、そのへんのところを要調査。そんなわけで、今回のバスをWiFi使えるバスにしたら良かったかもと思っている。

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クアラルンプールに到着した時間は既に15時近かった。もう物販がはじまって、その他いくつかイベントも開催されているようだった。その前にホテルにチェックイン。ホテルはバスターミナルから徒歩圏内の場所に取ったので、距離的には全然遠くないのだが、クアラルンプールは極めて車社会で道路が広く、道路を渡る手段が限られていて、歩道橋と歩道橋をつないでいくゲームみたいになる。でも最初はそんなこと知らなくて、地図見て最短距離を突っ切ろうとして阻まれてしまうのだった。こういう経験はよくある。だいたいいつも初めていく都市でも頭に方位磁針のようなベクトルが思い浮かんでいて、最終的にそっちの方向なんだから直進みたいに地図を見なくても正しい方向に進めるんだけど、川とか工事現場とか巨大施設とか道路とかに阻まれる。一度行けば脳内地図が更新されて大丈夫になるんだけど、こういう人が歩ける道が限定されている所を初見でクリアするのはなかなか大変。

宿にチェックインして、Grab予約して、現地に向かった。シンガポールアカウントでも問題なく使えるけど、Grab payという決済手段が使えなくなっているので、現金で払った。ちなみにどこでも同じだけど、ピックアップポイントがわかりやすい方がタクシーがつかまりやすい。

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現地では既に店がいくつか出ていたが、許可を取らずに勝手に販売していたものと思われる。マレーシア商売やる気ないかと思ったけど、案外商魂たくましい。そして会場の正規のものを扱っているところに着いた。Tシャツはいくつか売り切れていたが、キンブレ(キングブレード)はあったので購入。

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いまいち色の規則性がよくわからない。でも今回コンサートで実際に使ってみて、徐々に手際よく色を変えられるようになった。慣れって大事だな。

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ちなみにVRゲームが展示してあったり、等身大のドールが置いてあったり、小さいながらもいろいろ頑張っているのが感じられた。

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行列に並んで、会場入りして、コンサートである。19時から前座のようなマレーシアの人たちのステージがあって、20時から初音ミクコンサート。最初のラップの人たちはよくわかんなかったけど、2番目の女性ボーカルの方はなかなか良い感じ。その間で場をつなぐ人はなかなかプロフェッショナルな感じだった。

そしてMikuExpoである。自分が座ったのは正面の後方のカテゴリ1なのだが、正直言って驚いた。ステージの上でミクさん(やはりここはさん付けすべきだろう)が走り回っているわけで。前の2組の人たちと同様に、ステージを上で自在に動き回っていて、ああここにも21世紀がやってきていると感じた。当日の映像が公開されていた。


Hatsune Miku Expo 2017 in Malaysia【Full Live Concert】in Kuala Lumpur at Axiata Arena【720pHD】

千本桜から始まるこのコンサート、バックバンドも当然プロフェッショナルでとにかくかっこいい。マレーシアでみんなそんなに訓練されていないからかキンブレの色や動きは日本と比べてバラバラなんだろうけど、それでもそれなりの一体感があって、とても貴重な体験ができた。ミクカラーというと、髪の毛のような薄い黄緑なのか、ネギみたいなやや濃い黄緑なのか、けっこうバラけるのだが、それはそれで見ていて面白い。クリプトンの他のボカロキャラクターも出てくるのだが、鏡音リン・レンで異様に盛り上がって、現地での人気が伝わってきた。

個人的に感慨深かったのはJust be friends by 巡音ルカ。元々この曲のコンサートをYoutube動画を見て、なんでこの人達投影映像にこんなに盛り上がっているんだろうと疑問に思ったのだが、実際にコンサートを体験するとそんな疑問は一瞬で氷解する。ピンクは一色しかないのでみんな同じピンクにしてキンブレを振る。下からすくい上げるように振ったり、上から前後に振ったり、左右に振ったり。ステージには人がいるし、ぎこちなさとは無縁の軽やかな足取りで完璧な歌と振り付けを披露する。バックバンドもかっこいいし、とにかく完成度が高い。ここに来るまでにどれほど多くの人が関わったのか、曲を作り、調教をし、3Dモデルをつくり、振り付けをし、そして会場で最高な状態で見せるようにする。想像しただけで感謝の念が禁じ得ない。

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もう一曲選ぶとすれば、アンコールでかかった「歌に形はないけれど」が良かった。この1年間、元々はVRMikulusを始めて、twitterでミク廃の方々をfollowし始めて、ああなんてこの人達は幸せそうなんだろうと日々感じていた。Mikulusの中で大画面でボカロ曲を聞くと妙なシンクロ感があって最高なので病みつきになったりして、最初は抵抗のあったボカロ曲に耳が慣れていった。少しずつ少しずつ耳がボカロ耳になっていったので楽しめたのかもしれない。

初めて参加したコンサートだが、作り手のこだわりが非常に感じられるとても良いものだった。投影映像なので、一瞬で服が変わったり人が入れ替わったりするのもとても面白い。それに合わせて訓練された人々が色を切り替えて棒を振るわけである。人間のコンサートではできない表現や体験がここにはあった。

帰りはなかなかタクシーがつかまらなかったが、駅まで歩いて電車で2駅だったのでわりとすんなり帰ってこれた。ちなみに日本から来ている大量のミク廃の方々は2次会で街に繰り出していたようである。

ともかく、このMiku Expo Malaysiaとても満足したので、またコンサートに行きたい。Youtubeの映像で見るのと全くの別物なので、これは行かなきゃわかんないと正直思う。