老人力ってすごいな

特許というキーワードをgoogleアラートに登録しているので
関連する記事がメールで送られてくるが、これには驚いた。
企業リスク対策(第52回)[大前 研一氏]/SAFETY JAPAN [コラム]/日経BP
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/column/a/54/03.html

 それから「出願書類の言語にかかわらず、最初の出願日を各国が認める」というのは、中国対策といっていいだろう。いずれは米カリフォルニア州の自動車免許の申請のように、どこの国でも英語やスペイン語、中国語、日本語など好きな言語で申請できるようになればいいと思う。

中国対策って意味が良く分からない。「なればいいと思う。」ってその前に問題山積みだな。

 だが、今回の合意に加わった41カ国に中国は入っていない。本当だったら、もっと多くの国が加わって、米国で出願したら中国で出願していなくてもいいように、全世界共通の「世界特許」にしてしまうのが一番なわけだ。どこかの国で出願したら、それは他の国に対しても有効となれば、特許を得るための手間や時間が軽減される。

PCT出願とかパリ条約とか知らないんだろうか。
PCT国際出願制度の概要
http://www.jpo.go.jp/seido/s_tokkyo/kokusai1.htm

PCT国際出願日は、各国の出願日になります。
 PCT国際出願は、このような煩雑さ、非効率さを改善するために設けられた国際的な特許出願制度です。PCT国際出願では、国際的に統一された出願願書(PCT/RO101)をPCT加盟国である自国の特許庁に対して特許庁が定めた言語(日本国特許庁の場合は日本語若しくは英語)で作成し、1通だけ提出すれば、その時点で有効なすべてのPCT加盟国に対して「国内出願」を出願することと同じ扱いを得ることができます。つまり、日本人の場合、日本特許庁に対して日本語若しくは英語で作成した国際出願願書を1通だけ提出すれば、それによって国際出願に与えられた国際出願日が、それらすべての国においての「国内出願」の出願日となります。

ちなみに加盟国は、先月グアテマラが加わって133。
PCT加盟国一覧表
http://www.jpo.go.jp/tetuzuki/t_tokkyo/kokusai/kokusai2.htm
それから

 そして最終的には、特許は世界でただ1カ所の組織が管理するのがいいだろう。人類の財産を世界的に認めるユネスコ認定の「世界遺産」のように、人間の英知を認める世界機関(WTOならぬ WPO:World Patent Organization、または WPA:World Patent Authority)があってもいい。

この人はもしかしたらWIPOという機関も知らないのかも。
http://www.wipo.int/pct/ja/index.html
特許特許っていうけど、トレードマークとかデザインとかそういうのも無視したらいけないと思う。


別に批判したいとかそういうわけじゃない。こういう影響力のある人は
もうちょっとちゃんと調べてから書いて欲しいと思うだけ。
出典が日経新聞ってのも萎える。カネもらって文章を書いているんなら
ネットで見られるくらいの一次情報には目を通しておこうよ。
新聞を読んで感じたことなんて、小学生じゃないんだから。
先願主義と先発明主義についてがメインなんだろうけど、
その後に中途半端な感想文みたいなのをいれるから困る。
というかやっぱりおかしい。ここまで無知なわけがない。
まだ働いて半年の自分にわかることを、国際ビジネス経験の長い
この人が知らないわけない。釣りか、ゴーストライターか。
自分にはスルー力が足りないのかもしれない。