The Dynamics of Technological Innovation

朝に大学の手続きを終えて構内をさまよっているときに、とある掲示物に目が留まった。
その日の午後にインドのIIT(Indian Institute of Technology)の先生が表題のテーマの講演をするんだとか。講演者はKaruna Jainという人で、今回何かを受賞するためにNUS(National University of Singapore)に来たらしい。
http://business.rediff.com/slide-show/2009/nov/03/slide-show-1-our-average-student-outperforms-the-american.htm
インドのビジネススクールで(追記:女性で)初めてHeadになった人のようだ。さっき知った。参加登録は不要で特に予定はなかったので行ってみることにした。場所はこじんまりとした普通の教室で席は50くらい。6割くらい埋まっていたように思う。そこでTechnological Innovationとはなんぞやとか、何ゆえ研究する意義があるのかとか、従来はこんなふうに考えられていたとか、そこでいくつかの企業にインタビューをしてまとめてみたとか、得られた知見はこういうことだとか、これまでこう見られたいたが実はこうではないかとか、そんな話。インドには100くらいR&Dの拠点があるんだけど、技術のイノベーションに関してまだわからないことが多くて研究するニーズがあるらしい。これまでの研究成果から

  • intellectual capital(人材とか取引先とか組織内のこととか、企業の目に見えない資本かな)
  • absorptive capacity(いろいろな新しいことを吸収する受け入れ態勢かな)
  • intuition(直感とか本能とかかな)

この3つの役割に着目して、企業の複数のプロジェクトを調べたそうだ。定性的、定量的に分析してみた結果、この3つはこれまで考えられていた以上に複雑にからみ合ってますよという結論だった気がする。
個人的に面白いと思ったのはintuitionの部分。インドのバイオ系の会社であるBioconでも自動車メーカーのVolvoでもintuitionが高く評価されていたそうだ。プロジェクトでintuitionが特に重要になってくるのは、

  • lack of precedence(前例がない)
  • high investment(たくさん投資した)
  • high impact of failure(失敗したときのインパクトが大きい)

ような場合とのこと。理詰めで行くことも大事だけど、本当に重要な局面ではエイ、ヤー、で決めないといけないこともあるよね、という話をアカデミックな視点から聞けてよかった。
http://wiki.livedoor.jp/nobo_i0902/d/%A4%A8%A4%A4%A4%E4
こういう理論もいいけど、ちょっと抽象化されすぎてるので、もう少し具体的な方が好きだなと思ったのは正直なところ。それはともかく、こんなふうに首を突っ込んでみるのは悪くないとも思ったので、積極的にやっていくことにしよう。