Accelerate2010まとめ

Accelerate2日目の残りの続きを紹介

Innovation or deadという題でいろんなサービスを紹介するおじさん

ちょっと違った切り口で考えよう、ということでMakerbotの3D printingを紹介していた。
http://blog.makerbot.com/2010/09/25/announcing-makerbots-new-3d-printer-the-thing-o-matic/
次に逆に考えてみよう、ということでtwilioを紹介していた。
http://www.twilio.com/

ウェブ電話通信サービスは他にもあるが(オープンソースプロジェクトのAsterisk等)、その技術は概して非常に複雑で、経験豊かなデベロッパーにとっても使うのが難しかったという。Twilioはこうした電話サービスを共有商品化して、デベロッパーにとってもっと使いやすくなるように、非常にわかりやすいコマンド群を用意した。APIは基本的に電話の5種類のアクション(話す、再生、録音、ダイヤル、電話番号の収集)からなり、いずれも期待どおりの動きをする。

Twilio:強力な電話サービス用API。GrandCentralの基本機能を15行のコードで作れる | TechCrunch Japan

電話つながりでvenmo、groupmeなんてのがあるらしい。
venmoは、クレジットカード番号や銀行口座と携帯電話をつないで簡単に友達にお金を払ったりできるアプリケーションを提供しているらしい。テキストメッセージでもできるようにしているとか。
https://venmo.com/
一方groupmeはSMS(テキストメッセージ)でグループチャットをできるようにするものみたい。
http://groupme.com/
こちらでSMSを使うようになって、ここらへんの価値が理解できるようになった気がする。ここではとりあげられていなかったが、先日発表されたThe Economist Innovation Awardで取り上げられていたケニアのモバイルバンキングM-PESAをここに加えてもいいだろう。
http://wirelesswire.jp/Watching_World/201012060844.html
あと電話というかtwitterだけど、botanicallsというのが面白い。
http://www.botanicalls.com/
植物を植えている鉢に刺しておいて、センサーで水の有無を調べて水がなかったら「水くれ(water me, please)」とtweetするそうだ。ピンチなときは緊急(urgent)とtweetするらしい。で、水がもらえるとThank youと返したり、水多すぎ(You over water me)とやったりするとのこと。非常に遊び心があると同時に、実に理にかなっていて素晴らしい。
こんな感じでtwitterは既にプラットフォームになっているという。例えばstocktwits。
http://stocktwits.com/

StockTwitsは、腕利きのトレーダーたちにとって、なくてはならないサイトだ。最初はTwitterのメッセージから株に関連するトゥウィートをフィルタするアプリケーションだったが、その後次々と、トレーダーが欲しがるような機能をいろいろ加えていった。

進化したStockTwits, 株をやる人が必ず利用する濃いサイトに成長 | TechCrunch Japan

それからcadmus(http://thecadmus.com/)。
twitterfriendfeedRSSのようなストリームを管理するツールらしい。
cotweet(http://cotweet.com/
これは企業向けtwitterクライアントみたい。
klout(http://klout.com/
影響力を数値化するスカウターみたいなサービス。
twitterだけでなくAppleももちろんプラットフォームになっている。250000ものappsがあるのだから。ここではいかにしてiPhoneが盲目の人の人生を変えたのかというブログ記事が紹介されていた。
http://behindthecurtain.us/2010/06/12/my-first-week-with-the-iphone/
あとAngry Birdsってゲームが流行ってるね、あれはいろんなプラットフォームから出てるねとか。Androidは100くらいのデバイスに搭載されてて、HPのプリンタにも載っちゃってるとか。
http://japanese.engadget.com/2010/09/08/hp-7-photosmart-estation-c510/
そんなこんなでプラットフォーム乱立中だけど、相変わらずWebサイトは重要。
近頃盛り上がってる面白い試みとしてX prizeなんてのがある。
Ansari x prizeとかgoogle luner x prizeとかautomotive x prizeとかみたいに、テーマと組み合わせて賞金がかかって多くの人がチャレンジする感じ。
http://www.xprize.org/
こうやって多くの人が競い合って様々な成果があがると非常に面白い。
新しいuser experienceとして、google instance, tumblr, The Hype Machineが挙げられていた。tumblrは7.2M userなのか。The Hype Machineは、音楽サイトのまとめだけど見せ方がユニーク。
http://hypem.com/
曲の情報を抽出して曲がメインになっている感じ。Nine Sigmaとかinnocentiveとかは前にも紹介したからいいか。netflixがrecomendation engineに賞金をかけてたのも前にどっかで見たな。
http://www.ninesigma.com/http://www2.innocentive.com/http://www.netflix.com/
googleがローンチしたサービスの50%は20%ルールの中でできたものだ(残りの50%は買収?)。だから個人でもできるし、頑張れとのこと。怒濤の勢いで大量のサービスが紹介されて面食らったが非常に面白かった。urlを紹介するときにbit.lyと6文字で紹介していたのが興味深い。長いURLをメモする必要はない。もうbit.ly自体もプラットフォームなんだな。

IDEO(pronounced “eye-dee-oh”)

デザインのことをcoolとかprettyとかいうけれども、その程度のものじゃないよ。問題を解決するユニークな方法なんだよとのこと。design thinkingについて次の3つを挙げている。

  • viability(Human)
  • desirability(Organization)
  • Feasibility(Technology)

http://www.ideo.com/about/
まず人間から始めよう。視点を変えて考えてみよう。例えば犬の気持ちになってみよう。というわけで犬の目の高さのところにビデオカメラを取り付けて撮影して、その映像をみんなで見たりしたそうだ。病院内のデザインをするときは、患者の視点でみるために患者にカメラを取り付けていろいろ考えて、天井見てる時間が長いよとかわかったそうだ。
そしてプロトタイプを作ってみるというのがIDEO流のやり方。セサミストリートiPhoneアプリを作るプロセスが非常に面白かった。プロトタイプはプロセスを加速させるそうだ。
http://www.ideo.com/work/sesame-street-iphone-apps/
こんなふうに大きな厚紙の中をくりぬいただけでも、十分に機能を果たす。大切なのは頭の使い方であって、道具や予算ではないのだなと思った。極力手軽に素早く試し、よりよいフィードバックを得て、最終的な作品に仕上げるのが大事。
ところでShanzhai(山寨) phonesというのを聞いたことがあるか?中国のパクリ携帯電話のこと。これが実にIDEO的なんだそうだ。正規の商品にアクセスできない客がいて、彼らが欲しているので生まれてくる数々の製品。2枚のSIMカードと2つのカメラを搭載したやつもあるらしい。実にクリエイティブだとのこと。
アントレプレナーに出資する試みとしてHackFwdというのがあるそうだ。
http://hackfwd.com/
この紹介動画はなかなか面白い。
IDEOとしては、open IDEOなるものをやっているそうだ。
http://openideo.com/
このなかのプロジェクトの一つOpen Planet ideasにはソニーも関わっているとのこと。
http://www.openplanetideas.com/
ideaを交換しながら洗練させていくプラットフォームとして興味深い。
最後にデザインをどう学ぶか、IDEOが必要とするデザイナーとは、みたいな話になった。
food scientist, MBA、doctorなどもいて、別にいわゆるデザイナーである必要はないとのこと。

  • Are you curious about world?
  • Can you collabolate?
  • Can you think differently?

チームを作り上げたら、誰かが誰かに命令するんじゃなくて、互いに学び合う。大切なのは、常にwhyという疑問を持ち続けること。

New User Interface

ASUSの人がEeePCのキーボードの話をしてた。あと、我々は皆マイノリティリポートのトムクルーズみたいなことをしたがっているといってた。Motion based Interactionのことである。

  • How can we create a memorable Experience in 30 seconds?

できる限りシンプルに、次のステップを明確に、これまでの決まり事は再利用する。ユーザーに対して、どんなアクションに価値があるかを伝えなければならない。

  • ドンキーコングだと、ジョイスティックとボタンを使って高いスコアを得るのが目的
  • 塊魂(Katamari Damacy)ではどうのこうの
  • Eufloriaでは植物を育て、音楽を聴く
  • DOOMでは生き残る
  • Modern Warfare2ではどうのこうの

不確実性を低下させ、望ましいアクションは報いられるようにし、one more thing
最後にMITのsenseable city labの人が面白げなプロジェクトを紹介していた。

人と町のつながりを作り上げる。交通状況や友人のことや天気のことを人間が感じられるようなコンセプト。

コペンハーゲンでは37%の人が自転車通勤なので、その自転車にセンサーを付けまして、スマートフォント組み合わせてなんか面白いことできないかなーというのが発端。自転車から給電するので電池いらず。プライバシーの問題があるわけだけど、こうして集めたデータでカロリー消費量だけではなく、一酸化炭素、窒素酸化物、騒音、気温、湿度、道路の状況なんてのがわかって素晴らしいとか。ホイールとスマートフォンとwebインターフェイスをつないでどうやって視覚化するか。タッチパネルの操作に応答してリアルタイムvisualization。

全体の感想

2日間非常に面白かった。数ヶ月前だからけっこう忘れてしまったが、世界のいろいろな場所で、いろいろな分野の人たちが、一生懸命何かに取り組んで、次々に大きなインパクトを与えているというのは、考えただけでもわくわくしてくるものである。いろんなwebサービスができたり、面白いことが起こったりするのは、相変わらずシリコンバレーなのかもしれないけど、そういう環境を楽しんだ人たちが既に世界中に拡散して、各地で連鎖反応が起きている。良くも悪くもウイルスは既に拡散しているので、ますます面白くなりそうだ。

参考

初日:http://d.hatena.ne.jp/pho/20100923/p2
初日詳細:http://d.hatena.ne.jp/pho/20101203/p1
2日目:http://d.hatena.ne.jp/pho/20100923/p3
2日目詳細1:http://d.hatena.ne.jp/pho/20101224/p1
2日目詳細2:この記事
公式サイト:http://accelerate.six.sg/