食品サンプルの街・郡上八幡

海外旅行に行くときはなるべく国境を越えないように、日本国内を旅行するときはなるべく県境を越えないようにという謎ルールを課している。そんな厳格なものではないのだが、なるべく一つの国や一つの場所をじっくり見たいから自然とそうなっている。元々はガイドブックを何冊も持ち歩くのが面倒だからそうやっていただけだが、なんとなくそういうスタイルに落ち着いてしまった。県境に大した意味なんてないのかもしれないけれども、一応行政の区切りなので今回は岐阜県縛りである。名古屋経由だけど。

名古屋駅から高速バスで郡上八幡まで行く。高速バスは市内まで連れて行ってくれるわけではなく、高速道路沿いのところで降ろされるので通常はタクシーで市内に行くが、郡上八幡ではデマンドバスを利用することができる。

利用客が少なすぎていつもバスを走らせておくわけにも行かず、予約が入ったときだけ走るバスというわけなのだろう。実際にはバスではなくもっと小さい車だったが。

郡上八幡は郡上おどりで有名なところらしい。祭りの時期には混雑するのだろう。

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それから宗祇水という湧き水でも知られているそうだ。

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それから長良川の支流があったり山があったりして、シンガポールにはないものがあるというありきたりな感想を抱いた。

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しかし、一番楽しんだのは食品サンプルである。さんぷる工房がとても良かった。

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奥の部屋に行くと工房で食品サンプルを作製している様子が見学できる。

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それほど食品サンプルを見ているわけではないので細かい手法や材料の違いなどはわからないが、それでも完成度の高い作品を作る現場を見学できて非常に楽しかった。

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今回とても目についたのはこぼしちゃった系の食品サンプルである。ちなみにこぼれたコーンスープの上にスマホをセットするスマホ台になっている。

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やはりこういうものは完成度が高まれば高まるほど普通の食品になってしまうという難しさがあるのかもしれない。VRも完成度が高まれば高まるほど肉眼で見た普通の景色になってしまうという難点があるわけで、こういう一捻りが大切なのかもしれない。

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通常の食品にはできないことをすることで、友人をちょっと驚かせようみたいなジョークアイテムという次のレイヤーに進んでいるのが興味深かった。

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そんな様々な商品がオンラインショップで販売されている。

これはさんぷる工房ではなく周りの別の店だが、さんぷるキットも売っている。当然ながら物によって製作する難易度が異なるので初級、中級、上級に分けて売っている。

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ちなみに郡上八幡藍染でも知られている。

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さくらももこにより創作されたキャラクターもいる。

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岐阜に何もないって郡上八幡だけでもこんなにたくさんあるじゃないかと正直思った。シンガポールに引っ越してから日本の地方都市を旅するのが異様に楽しくなったが、メンタリティが完全にインバウンドの外国人観光客になっているからだと思う。

海外に出る前にほとんどの都道府県に足を踏み入れているはずなんだけど、外から訪問すると全然見えてくる世界が違って、いろいろと変わりゆく自分の目は面白いものだなと思う。