台湾メモ2

Youbikeというのは前から知っていたが、案外使いやすくて驚いた。

YouBike微笑單車

ドック式でどこにでも乗り捨てられるわけではないけれども、台北だとかなりの密度で止める場所があるし、3回使ったが全部普通に使えたのでメンテナンス状態もいいのだろう。車体もママチャリっぽく見えるが足回りが案外軽くて走りやすい。今はなきobikeやofoよりも良さそう。mobike後期の新しいモデルに近い乗り心地。元々Giantが製造していて、現在は子会社がやっているようである。

   

緑のボタンを押して、Easy Cardをかざして、ドックから引き出せば引き出せば開始できて、終了時もドックに入れてEasy Cardをかざせば良い。どこにドックがあるか、各ドックに何台あるか、過去にどれだけ走ったかを確認するためにスマホアプリは役に立つが、Easy Cardだけで乗れてしまう。あと、カゴに荷物を入れたまま終了しようとしたら警告が出たので重量センサーか何かがありそう。

街自体も案外自転車に優しい印象を受けた。香港とか自転車ほとんど走ってないし、シンガポールも暑すぎるわけだが、ちょうど良い気候で、中心部でも自転車道があったり、他に乗っている人もたくさんいて、駐輪場もたくさんあるという自転車フレンドリーさを感じる。それに結構みんないい自転車乗ってるのが興味深い。郊外の方に行くのも楽しそうだ。

あとはお酒のことでも書こうか。

宿の近くにミッケラーがあったので初日に行った。4種類飲み比べでNT680って結構いい値段するなあと思ったが、全部円安のせいだろう。まあどれもクオリティ高かった。

Mikkeller Bar Taipei - Mikkeller Locations

掌門精釀啤酒のFBをずっと前からなぜかフォローしていて気になっていたが、今回ようやく行けて良かった。ここもいろんなビールを作っている。醸造しているところや直営店に行けば選択肢が豊富なのが素晴らしい。ただ烏龍茶ビールはNot for meだった。

掌門精釀啤酒-Zhangmen Brewery

昼からやってるとこどっかないかなーと思って見つけたのがBuckskin Beerhouseである。1階がビールと食事で、2階が焼肉とKavalanのバーになっている。ビールもウィスキーも同じ系列なんだとか。一杯しか飲んでないけど、たくさん種類あったのでまた行ってみたい。Kavalan入りのティラミスも美味しかった。

KING CAR GROUP

今回ウイスキーバーに行けなかったけど、Kavalanの直営店には行った。そこで3種類くらい試飲することができた。空港の免税店の方が安いのかもしれないけど、すごく高いものしか置いてなかったら嫌だなと思って思って市内で買っていった。種類も豊富でいろいろ解説してくれるので非常にありがたい。

https://maps.app.goo.gl/3qcWCEEPqHhaWDnx9

これだけ気軽に行ける場所だとわかれば、いつでも行けるという気分になった。

四国とか九州とか行く感覚で行けそうなのはありがたい。

ショッピングモールに入っているテナントとかコンビニとかチェーン店とか見ていると、台北ははっきり言って沖縄以上に日本だった。海外旅行みたいな心理的負荷が皆無なのが面白い。シンガポールよく行っていた鼎泰豐だって三越の地下で日本語で接客されたし、シンガポールで買ってたパイナップルタルトのSunny Hillsが東京に店舗あるの知ってたけど、関西はアジアなので心理的に東京より台北の方がおそらく近い。

なんとなく台湾には10回くらい行きそうな気がしたので、今回仕事もあるしわざわざ観光しなくていいやと思って、普通に食べたいもの食べて飲みたいもの飲んでた。

そういえばコーヒーも飲んだ。京都にそんな店あったなと思ったら系列店だった。

GOODMAN COMPANY

googlemapでコーヒー飲みたいときに検索して、近場で良さげな店が見つかるのもありがたい。

週に1日だけオープン!穴場な贅沢空間 Eaves Coffee – CAFICT

今度は大陸行くときにちょっと立ち寄るとか、中部や南部の方に行くとか、どうしようかなーと思ったりしている。一度行くと解像度がグッと上がるので非常に楽しい。見知らぬ街に行くと生き返る感じがしてとても良い。

台湾メモ1

忘れないうちいくつか記録しておく

ピーチのセールで航空券自体は安かったが、朝7時台関空発なので、京都駅発の4時30分リムジンバスに乗らないと間に合わない。家から京都駅までのタクシーはすぐに見つかるが、今回リムジンバスが事前予約満席で初っ端からかなりピンチだった。

大阪駅までタクシー乗って、大阪からリムジンバスで関空の行くのが最速っぽい感じだったが、それはちょっとなあと思って乗り場をうろうろしていたら、当日来なかった人がいたらしく乗せてもらえた。今度行くときは予約しよう。

空港リムジンバス | 京阪バス株式会社

関空着いてパスポートとQRコードをスキャンしたら名前が違うと言われて窓口へ。どうやら姓と名を逆にしていたらしい。いつも気をつけているし、こんなミスをしたことなかったけど見落としていたようだ。関空で登録データを修正してくれたらしく、帰りは何も言われなかった。

台北の桃園空港ついたら入国審査で結構並んだ。2年半ぶり出入国なのでそういえばこんなのあったなあと思い出していた。よく見ると年3回来るひとはEゲートを使えるらしい。香港でもEゲート便利なので、台湾も可能であればゲットしたい。この辺の情報が参考になりそう。

https://niaspeedy.immigration.gov.tw/nia_freq/

台湾「常客証」ゲットだぜ!|くろこ

どこかの情報で途中で両替しなくても最後の最後で大丈夫とあったので、荷物を受け取って制限区域の外に出た。両替は機械の方がレート良いらしいが、非常に並んでいたので人がいる方にした。あと、この時点ですでにahamoのローミングはできていたが、現地の電話番号も試したかったので、5日分のプリペイドsimも買った。自分で設定するのかと思ったら、開通まで全部やってくれて非常に楽だった。

とりあえず台北駅に行こうと思って、Easy cardなるものを買おうかと思ったが、いまいち買い方が分からず150NT$払って普通に電車に乗った。おもちゃ銀行のコイン見たいなトークンをタッチして乗るタイプ。台北駅ついてEasy cardを買って、その後はそれにトップアップして使った。

結構やることがあったので、以前からチェックしていたコワーキングスペースに行ってみた。300NT$で1日ドロップインで使える。

Home Sweet Homeコワーキングスペース|プライベートオフィス 台北

月曜日はホテルで働いていて、火曜日のチェックアウト後はアクセア系列のコワーキングスペースで3時間200NT$のプランを使った。中山駅すぐ。

プロネクサス台湾 ビジネスセンター台北中山 | コワーキングスペース スポット | BizSPOT

長くなりそうなので一旦この辺で。

答え合わせとアーカイブ

長年気になっていたキトラ古墳高松塚古墳に行ってきた。教科書やニュースで見ていたものを、現地で見ることの楽しさは何物にも変え難いものがある。こういう答え合わせをやりたいから旅をしていると言っても過言ではない。別に何かすごいものである必要はなくて、現地で情報が付加されて解像度が上がるだけで十分楽しい。旅先で美味しいお酒を飲んだり、現地の食べ物を食べたりするのも好きだけど、それは二の次で、「名前だけ聞いたことあるアレ」を「現地で見たことあるアレ」にしていくプロセスをこれまでずっとやってきたし、今後もずっとやっていくのだろう。

まさに教科書で見たアレである(レプリカだけど)。

キトラ古墳の方は外に乾拓板があった。乾拓ってあんまり聞き慣れなかったけど、要は魚拓みたいなやつだなと理解した。

最も興味深かったのは、いかにして壁画を残すのかというところ。

20年前にフランスのラスコーの壁画を見に行ったとき、実際に入ったのは隣に作られたラスコーIIというレプリカだった。実際の壁画のところに人間が入ると、光も入るし湿気もあるだろうし保存環境としてよくないということだろう。

ここでもまずはファイバースコープとかを使って、壁画をなるべく元の状態に近い状態で維持することを優先している。しかし、高松塚古墳の方は地震で石室に多少隙間ができて、ムカデが入り込んで、その死骸からカビが繁殖するような状態になっていたらしい。そこで一旦石室を解体し、壁画を剥がして別の場所で3Dパズルのように組み立てて、クリーニングして保存するというアプローチになったそうである。

人の手が入らないことでうまく保存されるものもあれば、人の手が入ることにより保存されるものもある。長期的な視点で未来に物を残していくアーカイブについて理解を深められてよかった。自分が時を経て答え合わせができるのも、こうやってちゃんと残しておいてくれる人がいるおかげである。

メイカーイベントとステークホルダーコミュニケーション

先週「メイカーズながおかまつり」に行き、今週は「Kariya Micro Maker Faire 2024」に来ているのだが、これは今やっている仕事でいうところのステークホルダーコミュニケーションに他ならない気がした。

昨今ステークホルダー(利害関係者)というのは、株主だけでなく、顧客やサプライヤーや地域コミュニティも含めたものすごく広い意味になっていて、そこでの認識のずれや理解を得られないことにより新しい事業が進まなくなってしまうことが少なくない。

これらは技術と法律と広報の重なり合ったパブリックリレーションズ領域の問題であり、明確な答えがあるものではない。単に良い製品を作ればいいわけではないし、法令違反していなければ済む問題でもなく、単に広く宣伝すればよいものでもない。新たな取り組みが社内外のステークホルダーに受け入れられることが不可欠である。

このような誰も法律やガイドラインを用意してくれないけれど、何らかの対応や説明を準備したり、何らかの基準を作ったりしないといけないような、答えのない領域の課題を整理しながら、新規事業を並走支援するのが最近のお仕事である。細かいデータフローの話になることもあれば、基本的人権みたいな話が出てくることもある。

日本の大きな会社の多くはちゃんとしてるので、後ろめたいことをやってないならちゃんと目的や機能を説明すれば全然問題ないですよということが多いのだが、メイカーイベントというのは、企業や個人が自分で作った製品を自分の言葉で説明をする素晴らしくよい機会であると今回改めて感じた。

往々にして、間に人が入るとろくなことがないわけで、手を動かしている人がそれに関心がある人と直接コミュニケーションできる場を設けることが近道だろう。オープンにして中身を知らせる機会・接点を数多く設けていくことが、相互理解につながるし、ステークホルダーコミュニケーションにつながる。メイカーイベントに出展する企業の方々は、ぜひこのような活動が新規事業の推進に不可欠なパブリックリレーションズの一環であるとして、社内で「官軍」になってもらいたいと個人的に思う。

バーレーワイン

これだけ色々クラフトビールを飲んでいると、どういうのが好きですかと尋ねられることが多い。単純に比較できないしその日の気分によるが、一つだけ思い入れの強いものがあった。2015年にシンガポールで作ったバーレーワインである。ビールなのだが大麦のワインというだけあって、ワイングラスによく合うのである。とてもいい色していて、濃厚で甘いこのビールをよくわからずに作って飲んで衝撃を受けたのを覚えている。

それ以来、クラフトビールの店に行くときはいつもメニューにバーレーワインがないか無意識のうちに探している。それが先日名古屋の店に行ったらあった。

Y.MARKET BREWING - 名古屋で初めてのクラフトビール醸造所

 

この店の「"とりあえず"とは言わせない」という言葉は一度でも自分でお酒を作ったことがあれば非常に共感するところかと思う。この店のよふかしQueenというのが紛れもなくバーレーワインだった。

YOFUKASHI Queen - Y.MARKET BREWING

そういえばこんな味だったと記憶が呼び覚まされてとても良い体験だった。

クラフトビール屋ではカウンターに座ることが多く、バーレーワインとか作らないんですかとかたまに尋ねたりするわけだが、度数が高いビールというのは限られたタップの数と客層との兼ね合いもあってなかなか難しいらしい。このビールを置いている貴重な店を見つけたら、今後もまた頼むんだと思う。

そんなわけで、名古屋に行ったらY.MARKET BREWINGは行く価値があると思う。そして私が好きなビールはバーレーワインである。この日はアンバーエールとインペリアルスタウトも飲んだし、どちらも満足したけれど。

理学の徒

先日高知市内を歩いていたら寺田寅彦銅像があって、ここがゆかりの地であることを知った。「ねえ君 ふしぎだと思いませんか」というなかなか唐突な言葉が刻まれているのも興味深い。

 

物理学者であるだけでなく、非常に読みやすい随筆もたくさん残している人であり、著書はパブリックドメインなので青空文庫で読むことができる。

作家別作品リスト:寺田 寅彦

最近研究者的なものの考え方、アプローチを色々言語化する必要があり、こういう形で様々な言葉を残してくれる人はありがたいと思っていたところである。

また、これとは別に最近読んでいた本でも寺田寅彦(をモデルにした人物)が出てきた。

知りたいと思い、考えて考えて、そして知る。それが理学ですよ。この世界は謎に満ちていて、自然は自ずとその答えを識っている。理学の徒は、その答え合わせをしているようなものなのです。

長年自然科学の分野に慣れ親しんでいると当たり前すぎるのだが、この「答え合わせ」をしているという感覚は研究というものに取り組んだことがない人にはわかりにくいのかもしれない。

あの山山だって、好きこのんであの形になった訳ではない。ああなったなら、必ずそうなっただけの理由があった筈なんですなあ。坂道が出来上がったのにも、川が流れているのにも、必ず理はあるんですよ

この世界は、常にそうした手掛かりを示してくれている筈です。凡百処にヒントがある。ただ僕達はそれを読み取ることが出来ない、だから些細な謎でも見付けてしまったら、答えを知りたいと思う訳ですね。その答え合わせの積み重ねが理学であり、自然科学ですよ

このふしぎだと思うこと、答えを知りたいと思うことから、答え合わせを積み重ねて、ほんの少しだけ世界を知るという途方もない大自然の中で第一歩を踏み出すのがここでいう「理学の徒」なのだろう。

まあ、火を熾すことだって昔はできなかったのでしょうからね。今は当たり前でしょう。火打石も燐寸もある。でも何もなければ火だって簡単には熾せませんよね。電気も同じで、電気を発生させる装置を使う。だから、なんだか人工のもののように思えますが、別に魔法を使ってるわけではないんです。原理原則は何も変わっていない。自然の摂理の応用ではあります。

形から構造を類推し、確認をしてからその本質を見極める

最近「原理原則」みたいなところを考えているので、話がつながってきて個人的に面白く感じている。自然科学に限らず、研究に限らず、このような頭の使い方は様々な場面で必要になるように思う。そこで「ねえ君 ふしぎだと思いませんか」に戻ってくるのかもしれない。

生成AIにコンテキストをどう共有するのか

この本の残りの半分も読み終えたので感想をまとめておこう。

質問するのではなく対話をすべきである、ということでいくつも例が上がっている。コンテキストを対話形式で共有しながら、情報を整理していくのがスタンダードなんだろうと思う。新規事業開発のコンサルタントになってもらうとか、小説担当の編集者になってもらうとか、やりたいことやアウトプットしたいことが自分の中にあって、それを手助けしてくれるツールと考えるのが良さそう。上手いやり方だと思ったのは

議論はここまでにしましょう。これまで上がっている内容を整理してもらえますか?

と言って、最新の議論状況の整理してもらうところである。

「賛成」「反対」「アウフヘーベン」の3つの立場の人格を演じて、私とともに議論してください

と言って、別の立場の意見を整理するのも得意とするところなのだろう。コンテキストは与えるとして、それに基づいて色々な判断材料を出してもらうのが良さそうである。

対話を通じてコンテキストを共有する他に、プラグインを通じてコンテキストを共有する方法もあるらしい。Wolframを使って科学関連のデータベースを参照できることは知らなかった。一方で、食べログとかExpediaとかをプラグイン経由で使うのは現段階だとそこまでメリットあるのかなあという感じがした。

WebサイトへアクセスするのはBingプラグインを使う場合と、Link Readerというプラグインを使う場合があるらしい。良いプロンプトを作ってもらうためにPrompt Perfect、GPT for Sheets and DocsというTalarian社が作っているアドオンも紹介されている。この辺りはAPI Keyの入力が必要だが、可能性は広がりそう。一方で、Microsoft365のCopilotとかで実装されそうでもある。

トークン限界に達しそうな場合は、議論の途中で議論内容を要約してもらい、要約された情報を新しいスレッドに移植することが求められます。このようなアプローチをとることで、トークン限界を回避することができます。

こんな感じでテクニックを紹介してくれるのもありがたい。

学習のためのカリキュラムを作ってください

みたいな質問など、フリーダムに相談するのが良いのがわかる。

ChatGPTに問い合わせる際には、自身が考えている物事を適切な抽象度にする必要があります。例えば「牝牛ベッシーの体重は?」といった具体的な質問よりも、「一般的な牝牛の体重は?」といった抽象度の高い質問をすることで、より適切かつ詳細な情報を得ることができます

ChatGPTは抽象化された問題の解はよく知っていますが、個別具体の事例は全く知りません。そのため、あなたはChatGPTと協力し、問題を抽象化し、抽象化された世界での解を探し、そしてあなた自身が抱えている個別具体の問題に適合させる、という仕事をしなくてはならないのです。

プラグインなどを使ってコンテキストを共有することは可能だが、そもそも相談相手なのでそこが得意なように思う。与えた情報の整理やコメントをしてくれるだろうが、何か解を出してもらったり専門家のようにファクトチェックしてもらうものではない。論理的に考えて筋が通っているかとか、あくまでも与えられた情報と条件のもとで第一歩を踏み出す後押しをしてくれるサポーターという位置付けが良い気がした。