最近の仕事(技術が社会を変えていくのを見たい)
技術が社会を変えていくのを見たいし、そこに関わっていきたいというのは大学に入る前から考えていたと思う。基礎研究よりも応用寄りの部分に興味があったので工学系に進んだし、新しい技術が出てくるところを見たいと思ったから電気・ICT系の特許の仕事をやっていた。先進国よりも新興国の方がリープフロッグとかで面白い技術による社会の変化が見られるんじゃないかと思ったからシンガポールやインドに住むことにしたし、色々な社会を自分の目で見たいから色々な文化圏を旅行している。
そして一昨年あたりから取り組んでいるのは、技術の社会実装の支援である。せっかく技術があるのに何かよくわからなくて不安だからとか社内でうまく説明できずに止まってしまうのは勿体無いわけで、そこをうまく整理し、うまく言語化や説明をすることで社会実装を推進させられたら良いと考えている。例えば個人情報とかプライバシーとかややこしいからやめておこうみたいにならないように、プライバシーガバナンス支援をよくやっている。詳細は同僚が書いた記事を参照されたい。
最近だとAIをビジネスに使う上での懸念も多いので、AIガバナンスやAI倫理の観点からどういう点に気を付けるべきかという話も増えてきてこんな記事を出したりしている。
また1月に実施したセミナーの動画を先ほど公開したのでそちらも参照されたい。
このセミナーではAIに対する人間の関与のところを担当したのだが、なぜ関与が必要なのか、そもそも人間がこれまでやってきてOKだったことをAIがやるとNGになるのはなぜなのか、大雑把にバイアスというけど具体的にどんなバイアスがどう関与するのか、みたいな割と突っ込んだ内容になっている。
こんな感じのことを弁護士と一緒にやっているけれども、法律の条文がどうのこうのという話はほとんどなくて、どちらかというと社会とか倫理とか明文化されていないルールについて議論してビジネスに落とし込んでいくことが多い。このようなデータの使い方はこういう権利を侵害するんじゃないかとか、そこでこういう手続きやこういう選択肢を用意すれば実施していいんじゃないかとか、どこに線を引いてそれはなぜなのかを言語化することにより、技術を使った新事業の推進に関する判断材料を提供したり、それを社内で検討できるような仕組みづくりを手伝ったりしている。