メイカーイベントとステークホルダーコミュニケーション

先週「メイカーズながおかまつり」に行き、今週は「Kariya Micro Maker Faire 2024」に来ているのだが、これは今やっている仕事でいうところのステークホルダーコミュニケーションに他ならない気がした。

昨今ステークホルダー(利害関係者)というのは、株主だけでなく、顧客やサプライヤーや地域コミュニティも含めたものすごく広い意味になっていて、そこでの認識のずれや理解を得られないことにより新しい事業が進まなくなってしまうことが少なくない。

これらは技術と法律と広報の重なり合ったパブリックリレーションズ領域の問題であり、明確な答えがあるものではない。単に良い製品を作ればいいわけではないし、法令違反していなければ済む問題でもなく、単に広く宣伝すればよいものでもない。新たな取り組みが社内外のステークホルダーに受け入れられることが不可欠である。

このような誰も法律やガイドラインを用意してくれないけれど、何らかの対応や説明を準備したり、何らかの基準を作ったりしないといけないような、答えのない領域の課題を整理しながら、新規事業を並走支援するのが最近のお仕事である。細かいデータフローの話になることもあれば、基本的人権みたいな話が出てくることもある。

日本の大きな会社の多くはちゃんとしてるので、後ろめたいことをやってないならちゃんと目的や機能を説明すれば全然問題ないですよということが多いのだが、メイカーイベントというのは、企業や個人が自分で作った製品を自分の言葉で説明をする素晴らしくよい機会であると今回改めて感じた。

往々にして、間に人が入るとろくなことがないわけで、手を動かしている人がそれに関心がある人と直接コミュニケーションできる場を設けることが近道だろう。オープンにして中身を知らせる機会・接点を数多く設けていくことが、相互理解につながるし、ステークホルダーコミュニケーションにつながる。メイカーイベントに出展する企業の方々は、ぜひこのような活動が新規事業の推進に不可欠なパブリックリレーションズの一環であるとして、社内で「官軍」になってもらいたいと個人的に思う。