肺がんの成長を遅らせる新薬

New Drug Delays Breast Cancer
http://www.wired.com/news/wireservice/0,71077-0.html?tw=rss.index
肺がんの成長を遅らせる新たな試薬の話。
Tykerbといって、これまで使われていたHerceptinよりもいいらしい。
なんかすごいと思って読み始めたけど、読んでみると何とも言えない。
化学療法のXelodaのみを使うと、4ヶ月半腫瘍の成長が止められるが
Tykerbを使うと8ヶ月半止められるとのこと。
がんが脳まで広がるのを防ぐ働きがあるという。
Xelodaのみでは160人中16人が脳まで行ってしまったが
Tykerbを併用すると161人中4人だけしか脳まで広まらないらしい。
ただ、被験者の14パーセントが副作用のため治療を取りやめたそうだ。
Xelodaのみでは11パーセントしかやめてないのに、という比較をしている。


気になったのは被験者がすべて女性であること。理由がよくわからない。
あとTykerbの効果測定はされているけど、従来のHerceptinとの効果の比較が
されていないことも気になる。Tykerbが錠剤でHerceptinが注射によるものだから
Tykerbの方が便利で安価ってのは大きなメリットだとは思う。
どちらもHER-2/neuという肺がんの四分の一を占めるタンパク質をターゲットにして
いるが、Herceptinが細胞表面のタンパク質のみをブロックするのに対し、
Tykerbは細胞内部のタンパク質をもブロックするというのも強みだとは思う。
でも肝心の比較実験が書かれてないので、非常に弱い主張に感じてしまう。
冒頭にHerceptinをやめて治療の手だてがなくなった患者に、Tykerbを投与して
うまく言ったみたいなことが書かれているけど、なんか肝心な所が定性的で
定量的なデータが書かれてない気がした。論文読めってことか。