外資系トップの仕事力 2人の社長の話

外資系トップの仕事力―経営プロフェッショナルはいかに自分を磨いたか
外資系トップの仕事力―経営プロフェッショナルはいかに自分を磨いたかISSコンサルティング

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この本の出版記念セミナーに行ってきた。
http://www.isssc.com/iss_sem/sem.html 
オラクルの新宅社長とヤンセンファーマの関口社長の話。


ISSコンサルティング 創業記念に本を出版。
9月1日創業。成長意欲の高い人のキャリア形成の場。
本に書ききれなかったことを話す。

どうして社長(トップ)になれたのか。

成功と思っているかは別として、成功要因は何か

  • 前の仕事でわりと良い成果
  • キャリアとしてBCGなどマネジメントを経験したことがプラスかも
  • 運、出会い 80パーセント瞬間で決まる
  • なんでなったかというと、決まっていたから

なりたいと言ってもなれない。ゆだねられるだけ。
一定期間watchして、いろいろと経験をさせられる。
グローバルの人が反対しない、トップがOKを出す。
それなりのパフォーマンスをあげていた。
別になりたいと言ったわけじゃない。
縁があって入った会社で、稼いでいく。

  1. representative 代表選手 という肩書きがつく。責任重大
  2. ラインマネージメントで部下を持つ。成績等全てわかり大変だと感じた
  3. 取締役になったときに、責任だけが大きくなった。

ボードとなるかexecutionになるか考えていたらCEOになった。
30代の頃の目標 
ビジネススクールから帰ってきたのが20代後半 バグダッド
帰ってきた当時は非常に自信過剰。
日本では、2年間遊んできたからつらい仕事をするのが当たり前。
手に技をつける(プロフェッショナル)医師か建築か、など。
いつも迷いがあって、常に迷いながら大いに迷って転職。

どうして実績をあげることができたのか。

事業部長の3年で短期に成果ができた。
BCGが役立った。権限があったのでどんどん進めることができた。
商社は全員営業マン。三菱商事で学んだことも役立った。
人をうまくモチベートする。一人一人ががんばるところとは少し違う。
営業職 一年一年目標を立てていた。一年経ったら何も関係ない。
すごいといわれるのは一日だけ。次の日から関係ない。
楽な場所も不毛なところもいろいろある。
プロセスやお客さんとの関係、一緒に働く人との関係
数字よりもそっちの方が見られていた。

社長になったときの変化

これまでは、部屋を出て行っても良かった。
でも社長になったら部屋を出て行くことができない。
意思決定する。一員だったら自由だけど、社長になったら
全然違った。しかも1人。間違っていたら明らかに自分が責任を取る。
自信があるわけじゃないから最初は嫌だった。
セミナー等の案内がたくさん来る。人の言うことを聞かなくても良い。
ボスはアメリカにしかいないから、好きなことができる。
素晴らしい生活が待っているかと思ったが、そんなことはなかった。
事業その物、文化その物を変える必要があった。
人の評価をし、現場に出て、いろいろと忙しかった。
4、5年前から500人くらいなら社長ががんばっても良かったが
1000人くらいになると、社員一人一人が考えていかないといけない。
自立的にそういう風になる環境をつくる。経営の形。社員が成長できる環境をつくる。
コミュニケーション walk and talk(イタリア人)
自分が思うよりも影響力がある。社長が声をかけてくれたとか。
公正であるべき。意思決定や行動が、法に対してではなくて公平かどうか。
自律、オープンにできるかどうか。公正な人がやるべき。
営業でも技術でもなく全てに目を配って、支援、リードをするべき。
全てにバランスを持ってコミットする。知らないことはないようにするべき。
得意分野だからとかではなく、全てをバランスよく。
欠くことのできない人に仕事をしてもらっている。大事だと思って発言する。
ラリーエリソンが大事に思っていること。
自分がrepresentしていることに対して、detailを把握しているかどうか。
知らなかったら信用を一気に失う。把握していなかったら悲惨な結果になる。

外資系のメリット

いまどき外資系という区分をしているのは日本だけ。
MSもHPもオラクルも全然違う。グローバルにマーケットを持っている会社。
トヨタは収益の半分を北米であげている。会社によって違う。
外資系という考え方は、昭和40年代50年代で終わっている。
個々を見ないと一概に言えない。日本オラクルは上場しているのでまた少し違う。
自分はどこが心地よいのか見ていくことが重要。
社長が外国人で本社の考え方を持ってくる人がいる。
日本の状況はいろいろあるかもしれないけど、本社の考え方で行くのか
権限委譲をして、本社から来る人がゼロの会社もある。
全面的に権限委譲しても大丈夫という印象を持ってもらう。
信頼されるプレゼンテーションをする。わかってないという印象を与えない。
社員がきっと楽になる。あまり本社から振り回されなくなるから。
事業部長のしごとは、本社の言うことに逆らうこと。そうすれば部下が楽になる。
三菱商事 やめた理由
40から役員になれるか考えると実力だけじゃない。
属しているところが成功してくれないといけない。
人間関係をうまくつくれるかどうかが重要になる。
自分でコントロールできないことが重視されるところにいると
その後で後悔しそう。外資系は人間関係がtoo muchではない。
年齢に関わらず働けるという利点もある。
短期的な成果。4半期ごとに成績をはかられるのは事実。
給料も反映されるかもしれないけど、次にまたチャラになる。
計画をポジティブ、実行はコンサバティブ。不正確な予測をするのは
グローバルに見ると非常に厄介。正しいデータが欲しい。
どういう手を打てばなんとかなるのか、新しい流れをつくるパワーが必要。
そういうことの会話がスムーズにできる。世界の経済の動きがわかる。
インドからベトナム。ヨーロッパではエジプトにフォーカス。
上位10%くらいが非常に能力が高い。アメリカは他の国をわかってないけど。
接点を持つ、情報交換できるというのが非常に良い。

抜擢する人間を選ぶとき、どういうところをみるのか。

IBM自体に培った。各年代ごとに素養を持った人。
組織、チームをまとめる力。嘘をつかない。事実を隠して黙る人はダメ。
目の力、目で見据えている。同期の中でも頭角を現してくる。
いろいろなところを見るが、個人でどれだけ実績をあげたか。
どういうところでどういう仕事をしたか。社長のところまでがんばっていることが
見えてくる人と見えて来ない人がいる。単純なパフォーマンスではない。
一種の存在感というのは現れてくるもの。全てに優れるということはありえないので
強いところで成功体験をつくっている。そういう人にはチャンスを与えていく。

キャリアづくりのとき

思い切りの悪い、決断の遅かった転職だった。5年くらい遅いんじゃないか。
けっこうしつこくこれでいいのか納得できるまで考えた。今は後悔していない。
一番迷ったのは三菱商事をやめるとき。自分が納得できる。
BCGに行ったときは大失敗だと思った。体力の限界でジョンソンエンドジョンソン。
2万人から50人の会社に行った。先輩がひっぱられた。自分から出る気はなかった。
10年くらい働いたので、帳尻はあうと感じていた。受けた教育分くらい返せたはず。
パイロットを養成するくらいのお金をかけていた。今は5分の一くらいか?
30くらいでは基礎が固まっていて、後半からは自己実現。
そこから基礎では遅すぎる。ヘッドハンティングされる会社の餌食になっている。
どこに行っても通用する何かをつくる。
チャンスが来たときにちゃんとつかむ。自分の強みを用意しておく。

どういう経験があれば良いか

日本でP/Lを持っているので、社長になる前に絶対P/L責任を持った仕事をする
方向性を示せる力があるか。会社が苦しいときに自分で引っ張っていける。実務遂行能力
コミュニケーション能力。会社が明確な目標を持っているので、経営の継承をできる人。
新しい人は新しいことをやりたがるけど、社員は非常に振り回されて良くない。
1つの路線を継承できるのが重要。個性を出すのは良いけど、根本的なところは。
若いときにP/L責任を持った仕事をやらせる10人でも30人でも良い。
人を雇うとかなんでもいいが、そういう責任を持った経験が必要。
自分が社長になったらこう考える、という発言をしてくれる人。
他人の部門のことを考える。自分の部門だけじゃなくて全体が見られるように。
高い視線を持つこと。喧嘩に勝ったような態度を取るがそういう人間は最低。
リーダーになったら人に支えられることが大事になる。
お客さん、パートナーがどう思っているか。グローバルに評価されるのは当然。

自分の生き方、考え方

常に好奇心を持って周りの人たちの行動を見る。先輩たちが大量にいた。
団塊の世代の人たちの実力以上の虚勢の張り方などいろいろ学ぶことができた。
すぐに発言をしたくなるけど、聞く、聞けることで積み重ねていく。
元来の性格。失敗しても気持ちを切り替える。
負けず嫌い。できない理由をくどくどいわず、どうすればできるか考える。
一晩寝ると気持ちが切り替わっている。性格による。
夜も寝られず悩む。朝一で謝りにいって切り替わっている。

採用

新卒は可能性一本。過去の努力経験、性格など。
キャリア組は、1つは裏切り者。変わるときにポジティブになっているか。
何をステップアップしていこうと考えているのか。お互いに何を期待するのか。
読み違いというのはどうしてもあるが、そういうポイントをおさえる。
プロではない人は新卒で取る。
正直であること。話に現場感がある。頭の中で考えたことじゃなくて現場。
成功体験があればなおよい。話が具体的であること。本当にやったとわかること。