宇宙とオーロラ

先日living and working in spaceと題した
宇宙飛行士の向井千秋さんの講演をきく機会があった。
かなり早口で、非常にエネルギッシュな人で、
ものすごく頭の回転が速いという印象を受けた。
たったの8分40秒でたどり着くことができる宇宙だが、
地球とはずいぶんと違う場所だと改めて気付かされた。


血液の重さがなくなるので、足も頭も同じ血圧。
戻ってきた時はマスコミ向けに笑顔を振りまいているけど
立ちくらみ寸前で、ショックパンツで圧迫しているらしい。
しきりに自分は「飛行野郎」じゃないと言っていたのも印象的。
空軍出身で飛ぶことにロマンを感じるようなタイプではなく
医者として、研究者として、宇宙での生活が人体にどのような
影響を与えるのかに関心があるらしい。立ち位置がしっかりしてる。


宇宙に行ってきて最も感動したことは、地球に重力があることだとか。
地球が美しいとか、ふわふわ移動できるとか、そういうことは
最初から期待していたことだから、別に感動しなかったみたい。
それよりも、戻ってきたときに重力を感じて、
こんな薄っぺらい紙でもちゃんと重さがあるということに
感動したらしい。病気が治ったときに、健康のありがたみを知る
みたいなもんなのかなあ、と思った。当たり前のことに気付くことが大事。
重力の影響を受けている限り、重力がないことを想像するのは難しい。
何事もそうかもしれない。日本にいる限り、日本特有のことが当たり前に
感じられてしまう。一旦影響をなくさない限り、わからないことは多い。

私達が大地だと信じているものは、実は魚の背に溜まった砂かもしれないのですよ。何かの拍子に沈んでしまわないとも限らないのです。沈んで初めて、ああ、あれは大地などではなかったと判る。それまでは」
疑う者は居りませんと老人は言う。
京極夏彦後巷説百物語」より

それから向井さんは、ジョン・グレンと一緒にミッションに
参加できたのが非常に良かったと言っていた。
STS-95 向井宇宙飛行士再び宇宙へ 「ジョン・グレン
http://iss.jaxa.jp/shuttle/flight/sts95/sts95glenn.html
歴戦の勇者。77歳での宇宙飛行。

カレンダーイヤーはあるけれど、歳は自分で決める。
やりたいことがあれば、やればいい

かっこいいな。ちょっとうらやましくなった。
あと宇宙では不眠症になる人が多いらしい。
圧力がないと安心しないんだとか。
離れていると、よりどころがないのが不安みたい。
なんか納得できた。人間って面白いな。


宇宙つながりというわけでもないけど、今日新宿に行ってきた。
宇宙から見たオーロラ展 | コニカミノルタ
http://konicaminolta.jp/plaza/schedule/2008january/aurora/
わかりやすく面白い。宇宙から見たオーロラが興味深い。
ぞわぞわと地球の上に出現する光のカーテン。
地上からのオーロラの写真もすごい。
原理がわかったとしても、そのスケールの大きさ
その神秘的な感じは、一向に損なわれない気がする。
1/15までなので、興味のある人はお早めに。