ABC青山ブックセンターの再生
青山ブックセンター(ABC)の名前はけっこう前から聞いたことがあったけど、
初めて行ったのはちょうど一年前くらいである。
駅から近いわけでもなく、とりたてて売り場面積が広いわけでもなく、
ちょっと奥まったところにあってわかりにくい。
でも特徴的な品揃えで、人気の理由がわかった気がした。
そんなABCについて書いた本。何かと話題の新風舎より。
ABC青山ブックセンターの再生 (新風舎文庫 あ 174) | |
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序盤にブログの引用がいくつか続いて、なんか安っぽい本という気がした。
でも本屋の仕事や、ABCの倒産の原因を丁寧に書いていてわかりやすい。
売り場のジャンルごとに、どう力を入れてたかわかって興味深い。
ABCの屋台村構想を支えているのが学芸員制度である。ABCの学芸員は、大別して二つの責任がある。一つは商品の質の管理責任。もう一つは商品の仕入れ、すなわちバイヤーとしての責任である。学芸員は、担当部門の販売テーマを決定し、商品を選定することで質の管理責任を果たす。しかし、質の管理だけで数値責任がなければ無責任になる。そこで学芸員には、その担当ジャンルの全店の粗利予算が数値責任として与えられる。それは仕入れのプロとして商品をいかに仕入れるかというバイヤーとしての役割である。
なんか美術館みたい。だからこそ楽しめる場所なんだろう。
回転率とは、君の棚は各段で二日で三冊売りなさいということです。
これはわかりやすい目安。すべてのジャンルでと考えるとけっこうキツそう。
これまで本を買う側の視点しかなかったけど(当たり前か)、
どういうふうに考えて売っているのかわかって非常に面白かった。
最後に、あんまり関係ないけど、自分が本屋に期待することでも書いておこうかな。
最近だと月5000円から10000円程度本屋で使っている。アマゾンはほとんど使ってない。
- 重労働で大変なのはわかるけど、入れ替えをしてくれるとうれしい。
一ヵ月も二ヵ月も棚に変化がなかったら、もう見なくていいやってなる。
時間がないときは平積みをざーっと見て、時間があるときは棚をざーっと見て
なんか気になるのを手に取って見るわけだけど、変化がなかったら
ざーっとみるプロセスが無駄みたいに感じちゃって、行かなくなるから。
- フェアはうれしいけど、横並びだとちょっと萎える。
東野圭吾フェアがいろんなとこでやってた時期があったけど、
「それ全部持ってるし」と思ってがっかりした。
まあ営業的なことを考えると、確実にある程度売れそうなのが大切か。
メジャーすぎるもののフェアよりも、もうちょっと知名度低い方がありがたい。
- ネットで宣伝して欲しい
知らないだけでもうあるのかもしれないけど、書店員の宣伝ブログとか読みたい。
今週はこのジャンルのフェアをやってます。平積みでこんなの並べてます。
ぜひ足を運んで、手に取ってみてくださいとかやってくれると、行ってしまう。
その場でアマゾンにリンクを貼りつつ、本屋で見たい人は来てください
というような感じで、囲い込むとかケチくさいこと考えずに楽しく宣伝して欲しい。
本が生き物なら、本屋も生き物であって欲しい。
それが一利用者の個人的な願いです。