iPadとiPod touchでThe Economistを読む

先日のイベントで予告されていた通り、The EconomistiPadアプリが出た。
http://www.economist.com/digital/apps
一緒にiPhoneアプリも出た。iPhoneアプリなのでiPod touchでも使える。この2つのアプリを使ってみたので、ちょっと感想を書いておこう。長くなりそうなのでとりあえず結論から。

  • iPod touchでどこでも音声を聞きながら読めて素晴らしい。
  • 発売後すぐ入手できて、反復して聴ける。

いい意味で期待を裏切られて、現在快適なThe Economistライフを送れているので非常に満足している。雑誌の電子版だからといって雑誌の形態である必要はないが、ごてごてしすぎる必要もない。今回出てきたThe Economistアプリは、その点実にシンプルにできていて素晴らしいと思った。
そもそもzinioという電子版雑誌サービスは存在していたし、calibreというアプリケーションを使ってThe Economistepub版を作成することは可能だったので、iPadThe Economistを読むことは可能だった。それに購読者であればThe Economistの音声をダウンロードすることができたので、iPod touchThe Economistを聞くことも可能だった。今回のアプリは、この2つを組み合わせただけとも言えるが、それが想像以上に強力だったので驚いている。
自分はけっこうものぐさなので、calibreでダウンロードしたり、音声をサイトからダウンロードしたり、前のを削除したりという作業が面倒で、結局紙版を読んでしまっていたのだが、このアプリでは非常に少ないクリック数で目的が達成されてしまうので全然面倒にならない。インターフェースが非常に直感的でわかりやすい。読んでいる記事の音声が聞きたかったら、ワンクリックで聞ける。気になる記事をいくつか選んでplaylistを作ることもできる。playlistで再生すると、音声を追いかけるように記事も切り替わる。これまで提供されていたものの組み合わせだけど、一カ所にまとめることでここまで使いやすさが向上するのかと思った。
最近地下鉄の駅からちょっと遠いところに引っ越して、バス中心の生活をするようになったが、バスの待ち時間、バスの中などで非常に使い勝手が良い。音声が提供されるならiPadじゃなくてiPod touchでいいではないか、なんてことは実際に使ってみるまでわからなかった。
そんなわけで音声を聞きながら読み、音声だけを聞き、また本文を確認しながら聞くなど、新鮮なコンテンツでスムーズに楽しめるようになって非常にうれしい。ジョギング、辞書、The Economistと、近頃iPod touch(第1世代)が地味に活躍中。
そうそう、すっかりiPadアプリ、紙版との違いについて書くのを忘れてた。紙版の特徴としてなかなか面白い広告が入るというのがある。iPod touchには広告がないが、iPadアプリなら広告をみることができる(目次から記事を選べば広告を見ることはない)。でもiPadアプリの広告は、紙版とは違って非常に種類が少なくて何度か繰り返している。広告をざっと見るには紙版が適しているだろう。
あと、届く日時。The Economistは金曜日に出る。日本で定期購読してたときは土曜日に届いた。日本の本屋の店頭には水曜日くらいか。シンガポールはアジア版を印刷している英語圏の国ということもあり、金曜日に店頭に並ぶ。でも定期購読者はないがしろにされていて、月曜日か火曜日に届くことが多い。一時期金曜夜に届いたのだが、最近はやっぱり月曜日か火曜日でひどいときは一週間遅れて2部一緒に来る。それがアプリだとない。素早く読める。ただそれだけのことだけど、とても大切なこと。
そんなわけで最近の傾向としては、iPod touchで外で聴きながら読み、家ではiPadで読み、ざっと紙で広告を眺める。手軽に音声を聞けるという紙にはないメリットが出てきたというのは、非常に大きな一歩。電子版は紙の代替ではなく、紙を大幅に越えるものであって欲しいと思う。