海外在住者の国民年金、障害基礎年金
国民年金は日本に住んでいると強制加入だが、海外に住んでいると加入しなくてもよい。任意で加入することはできる。メリット、デメリットを考慮しながら、任意で加入するかどうかを検討してみた。
- これまでの支払い実績
学生特例で24歳まで払ってない。社会人の4年間厚生年金を天引きされた。会社辞めて2ヶ月ニートしてたときは免除申請をした。その後シンガポールに行って、現在カラ期間進行中。
- 国民年金任意加入
支払う金額(premium)は年間約18万円。40年間支払うと、65歳から満額で年間約78万円(benefit)がもらえる。10年くらいもらえば元は取れそう。今のペースで受給開始年齢が上がっていくと30年後は75歳からもらえるので、85歳まで生きるなら払う価値はありそう。平均余命からすると自分は80歳で死ぬので、5年しかもらえない気がする。もうちょっと割のいい賭けがしたい。
社会のために払いたい人は払えばいいけど、自分は自分の生活と自分の将来を考えるだけでいっぱいいっぱいなので、正直そんな余裕はない。自分で貯めたほうがいいならそっちを選びたい。
- 障害基礎年金
国民年金に加入しないと障害基礎年金がもらえないぞという脅し文句がある。実際のところ障害基礎年金というのがなんなのか見てみた。
障害等級2級の障害者の要件例
- 1上肢の機能に著しい障害を有するもの
- 1下肢の機能に著しい障害を有するもの
- 両眼の矯正視力の和が0.05以上0.08以下のもの
上記の条件を満たせば、年間約78万円もらえるらしい。
つまり、国民年金と障害基礎年金に相当する分をカバーできそうな保険を探して入るという選択肢があるわけだ。
- 就業不能保険
日本だとライフネット生命でこんな保険があるらしい。
就業不能状態とは病気やケガにより、日本国内の病院もしくは診療所への治療を目的とした入院または日本の医師の資格を持つ者の指示により在宅療養をしており、「少なくとも6ヶ月以上、いかなる職業においても全く就業ができない」と医学的見地から判断される状態をいいます。
自分の年齢で月10万円(benefit)もらえる保険の保険料(premium)は月2000円らしい。海外在住者は対象外なので契約しないけど、目安として参考になった。まあ腕がなくても目が見えなくてもできる仕事というのはあるから、この「いかなる職業においても全く就業ができない」という条件はけっこうきつい。
- Disability Insurance
シンガポールの保険をいくつか見てみたが、だいたいどれも以下のようなQuality of Life Conditions (QLC)を提示している。
- 歩行 5分以内に誰の助けもなく200m以上歩けること
- 手の器用さ 60秒以内に誰の助けもなく錠剤を5錠取り出せること
- 座る、立つ 40cmから45cmの椅子、車いすに自分で座ったり立ったりできること
- 荷物の持ち上げ、運搬 2kgのものを持ち上げたり10m運んだりできること
- コミュニケーション 60デシベル未満の音が聞こえないか、十分にクリアに話すことができない
- 視覚 矯正しても視力が0.1以下
これらの条件のうち2つ、3つ満たしていたら保険金が支払われるそうだ。障害者2級と比べると条件としては緩い。「いかなる」職業ではなくて「現在の」職業が無理だと医者が認めた場合にも支払われるため、ライフネットのものよりも条件は緩い。
- 結論
保険屋さんに試算してもらって、イギリスの保険会社の商品で年金とDisability Insuranceを別々に契約した。日本のシステムにもシンガポールのシステムにも入ってなかったので、今面倒なことになるとどこからもお金が出ない状態だったが、なんとか最低限をカバーすることができた。
なんとなく障害基礎年金から外れているのが気になっていたのだが、年間2万円くらいでもっと手厚いのが見つかってよかった。自分に必要なものを自分で調べてみるという姿勢は忘れないようにしたい。