何を見て何を考えてどう行動するか

基本的に先を読むことなんてできるわけがないと思っているわけだが、まったくやってないといえばそうでもない。それをどう書けばわかりやすくなるかと考えたとき、空・雨・傘という昔ながらの言い方を思い出した。よく覚えていないが

  • 空を見る・雨が降りそうだ・傘を持って行く

だったように思う。すなわち

  • 状況を見る・判断する・行動する

ということだ。具体例として、自分の仕事や賃金のことを考えてみた。

  • 状況を見る

同じような仕事をしていても場所によって賃金は大きく違う。本や記事を読んでもわかるが、バックパックを持って旅行に行ったりするともっとよくわかる。事実として、世の中にはたくさん壁があって、よくも悪くも極めて不均一な状態になっている。物価も通貨の価値も違うが、それがいいとか悪いとかいう話ではない。

  • 判断する

こういう不均一な状態は、少しずつ均一なっていくだろうと感じた。早く均一になる分野もあれば、なかなか均一にならない分野もあるだろうが、情報やお金がこれだけ行き来する方向になるのならば、均一化することはあっても、これ以上不均一な方向に動くとは考えにくい。
これだけでは何も言ってないに等しい。大切なのはタイムスパン。既に起きているか、5年後に起きるのか、30年後に起きるのか。31歳の自分は何を考えてどう行動するのかという話であり、人それぞれ考え方は違うだろう。
少なくとも自分の関わる分野において、遅くとも20-30年以内にはそのフラット化は起きると自分は判断した。年金の受給年齢が80歳くらいになって、自分は60歳になっていて、昔と同じことをしていても全然稼げないという状況を思い描いた。そう考えたとき、給料が切り下げられる先進国で生まれ育った人間に取り得る戦略は2つあると思っている。

    • 不均一な状況を利用して、高く稼げるときに稼げるだけ稼いで、現金や金融商品を確保することにより、将来に備える。
    • フラットな状況になっても戦えるように自分を作り替える。

どちらが正しいとかどちらが優れているとかそんなものはない。年齢や分野に大きく依存する話だし、そもそも好みの問題である。不均一な状況を利用して高く稼ぎつつ、フラットな状況になっても戦えるように自分を作り替えられる人もいるだろう。自分にはそんな器用なことはできないと判断したし、他の選択肢も思いつかなかったのでこの2択になった。さらに言えば、不均一な状況を利用していると危機感を持ち続けることなど到底できそうにない。

  • 行動する

上に書いたこと以外に、海外で勉強したいとか、働いてみたいとかいうのもあったので、留学してそのまま現地で就職した。なぜシンガポールにしたかというと、授業料の費用対効果が良さそうだったのと、その後現地で就職できる見込みが高そうだったのと、次の10年間面白そうと感じたのと、初海外として入り込みやすそうだった辺りか。他の国に住んだことがないので比較はできない。
海外にいながら日本人であることを生かして日本の顧客相手に仕事をする方が現段階ではお金になりそうだが、それって不均一な状況を利用して稼いでいるに過ぎないわけで、自分にとってそれは日本で働くのと大差ない。
自分の場合であれば技術や法律という専門知識を生かしつつ、日本での実務経験(そのままでは使えない)を応用して発展させ、さらに新たなスキルを習得しながら、フラットな状況で経験を積むということが長期的に見て大切だと考えている。
まどろっこしいくらい長く書いたが、スポーツ選手や研究者、エンジニアにとって当たり前のこと。一人の個人として、そういう最先端を意識しながら、日々楽しんでいけたらいいと思う。