自作ビールの話の続きや深圳Maker Faireの話も書くのだが、その前に深圳滞在最終日の工場見学について書こう。
そもそもの発端は、深圳Maker Faireの売店であるパンフレットを見つけたことだ。売店でMaker FaireのTシャツやArduinoのSidekick Advanced Kitを買っていたらたまたま見つけた。それによるとseeedという会社がmaker faire終了後の6月22日と23日にいろんな会社に連れて行ってくれるとのこと。22日の深夜便でシンガポールに戻ってしまうけれども、そのツアーは気になるので一日だけでも参加できないかとIvyさんという人に問い合わせてみた。すると一日だけでもOKということで、22日の朝9時に集合場所であるseeed社にいくことになった。
seeed社はShenzhen Software Industries Baseというピカピカの巨大なオフィスがたくさんあるエリアにあって、今年のMaker Faireの会場のすぐそばである。前日に建物を下見したにもかかわらず、当日勘違いして隣の建物をウロウロして10分くらい遅刻してしまった。受付でバス代100元、昼ごはん代100元、晩ごはん代100元払うと、別のミーティングルームに通された。日本から団体が来ててプレゼン聞いてるからちょっと待ってろとのこと。周りの人と話していると、隣の席のフランス人エンジニア以外は皆深圳を視察に来ていた英国政府の投資部門の人だということがわかった。seeedの人が来て、うちはAcceleratorではないですとかなんか質問に答えていて、なんか場違いな感じがして別室に行ってみるとseeedのEric Panとチームラボの高須正和さんが話していた。
とにかくMakerをサポートしよう、Makerにとってよい環境を作ろうという強い意志が感じられた。またseeedのオープンな姿勢が伝わってくるプレゼンだったが、それはその後の工場見学でよりはっきりとわかった。
seeed社はこのShenzhen Software Industries Baseに引っ越して来たばかりで、工場はまだ以前オフィスがあった場所にあるとのこと。次の目的地はその工場で、高須さんの解説付きツアーと英語ツアーの両方があってどっちに参加してもいいと言われ、せっかくなので高須さんのツアーに飛び入りで参加させてもらうことにした。
なんとなく2006年にJTPAのシリコンバレーツアーに参加したときのことを思い出した。なにやら自由な雰囲気がある。中国に対する偏見なんて即捨て去った方がいい。ちなみにseeedではオープンハードウェアであるArduinoをアレンジしたseeeduinoや、ハンダ付け不要なGroveなんていうのも作っていて、その他いろんな部品を売っているし、もちろん注文に応じていろいろと小ロットで作製してくれる。
位置合わせをしてプリント基板上に電子部品をのせたり、ハンダ付けをしたり、というプロセスがハイテクな機械で流れ作業で進んでいた。
そして箱詰めされて世界中に出荷されていく。
共通の部品をストックしておいて様々な無駄を省くOpen Parts Libraryも興味深かった。詳しくはseeedのブログ記事にある。
これまでseeedを使ったことがなかったので、家に帰ってからじっくりサイトを見てみたが、安くいろんなものが売っていて非常に驚いた。部品やら工具やらいろいろと。ビギナーにもやさしいseeedはかなり使える気がする。深圳まで行かなくてもここで手に入るというのは非常に大きい。