ブラックボックスについて

機能は知られているが、内部構造が不明の装置。電子回路などで、内部構造を問題にせずに入力と出力、原因と結果だけを扱う場合の、その過程や回路・装置。


技術とかものづくりとかよく一言で済ませられてしまいます
けど、扱うものやフェーズによって物事の考え方が
非常に違うように感じます。近頃思ったこととしては
その人がどこまでをブラックボックスにしているかが
非常に重要であるということです。
私は何をブラックボックスとして何をホワイトボックスと
したら自分の中でしっくりきて、しかも手におえるのか
そういうことを考えるのが大切だと感じています。


例としてPCを挙げると、多くのユーザーには
全てがブラックボックスなのかもしれません。
マウスかキーボードで入力したらそれなりに
反応があるけど原理は知らないし知りたくもない。
掘り下げていくと、アプリケーションがあって
OSがあって、PCの組み立てがあって、部品の回路設計
があって、部品の加工プロセスがあって、部品の材料
があって、原子があって、素粒子がある
みたいな感じでしょうか。大雑把にいうと。


私の場合専門は加工プロセス、材料あたりで
アプリ、組み立て、設計、原子は学部程度の知識です。
OSのカーネルとか素粒子はノータッチです。
一応linuxも使いますけどカーネルは
なんか非常に面倒くさそうな印象をもってます。
(素粒子は別に知らなくてもいいとは思いますが)
ものづくりっていうのはこの全フェーズを網羅して
初めて言えるんじゃないかと思います。
凡人にはそんなこと明らかに無理ですけどね。


今加工プロセスをやってますけど、部品をやっていても
私としてはあまり面白くないので、もうちょっと
人に近い所がいいですね。携帯電話をばらばらにしても
ちゃんと組み立てられるようなスキルがついたら
面白そうじゃないかと思ってます。一例ですが。

という文章を2005年3月19日に書いていた。
この定義だと、うかつに「ものづくり」とか「エンジニア」とか言えないな。
勝手にこういう定義をして、勝手にエンジニアを諦めたのかもしれない。
makezineの人々を尊敬するのも、この辺が関係していそうだ。
ブラックボックスにしている限り、そこに変化は訪れない。
しかし何もかもホワイトボックスにしていると、破綻してしまう。
自分が楽しいとか、意義があるとか、そんなふうに思えることを
一つ一つホワイトボックスにしていけばいいんじゃないかと思う。