アーカイブが信仰の対象になるとき

アメリカに来て以来なんとなく宗教っぽい雰囲気を感じていた。フィラデルフィアあたりから特に強く感じていた。キリスト教とはまた違う何かを。ワシントンDCのNational Archivesという施設に行ったとき、その正体がわかった気がする。

National Archivesというのは、ワシントンDCの中心部にある、非常に厳重に警備された施設で、撮影禁止となっている。ここでマグナカルタ、憲法、独立宣言、権利章典などの最初の紙版が公開されている。その他なんでもアーカイブしており、入国管理書類や南北戦争の頃の記録などを例にアーカイブの重要性を説明している。
見慣れないフォントのマグナカルタや憲法(We the People)の前に列を作って並んでいると、ふと神社っぽいなあと感じた。独立して二百数十年。こうしてアーカイブされると歴史になり、やがて神話になっていくのかもしれない。
自分が神社に対して抱いているイメージが、こちらの人の法律や独立、自由に対して抱くイメージに近いものだとすると、米国発のものに対していろいろと考えを改める必要がありそうだ。根底に流れるものが何なのかを理解しないと、永久に平行線をたどることになりかねないのだから。