「みんなの意見」は案外正しい

「みんなの意見」は案外正しい
「みんなの意見」は案外正しいジェームズ・スロウィッキー

角川書店 2006-01-31
売り上げランキング : 705

おすすめ平均 star
star会議で決まった、とごまかされるな
star集合知の研究、実例が詰まっている
star新しいものの見方

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

半年くらい前から気になっていたのだが、最近買って昨日読み終えた。
どういうことが書いてあるのかなんとなくわかってたが、実際に読んでみると
イメージとはちょっと違ってなかなか興味深かった。
ざっくりいって、正しい判断ができるのは
条件を満たした集団>>>>>個人>>>>>条件を満たしてない集団
ということが言いたいんじゃないかと思う。その条件は
Passion For The Future: 「みんなの意見」は案外正しい
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004473.html

1 意見の多様性(各人が独自の私的情報を多少なりとも持っている)
2 独立性(他者の考えに左右されない)
3 分散性(身近な情報に特化し、それを利用できる)
4 集約性(個々人の意見を集約して集団の一つの判断にするメカニズムの存在)

もっと詳しいことを知りたい人は、こちらを参照されたい。
Casual Thoughts about Any Phrase - 『「みんなの意見」は案外正しい』の読書上の注意
http://d.hatena.ne.jp/ktdisk/20060312/1142156428


はてなアイデアをきっかけに予測市場の有効性みたいなことは、ある程度知識として持ってたけど
具体的な例が豊富にあってなかなか面白く読めた。特に渋滞が起きる仕組み、起こす実験が良い。
4条件をいかに満たすかということで、チームプロジェクトを成功に導くにはどうしたらいいかとか
最近流行のクラウドソーシングとか、そういうことを考えるのが一般的かもしれない。
自分としても、peer to patentをもうちょっとじっくり読んでみたいし、チーム関係も気になる。
でもこの本を読んでいて全然違うことも考えた。正確には思い出したというべきか。


インターネットが一番美しかった日:小鳥ピヨピヨ(a cheeping little bird)
http://coolsummer.typepad.com/kotori/2006/02/post_6.html
VIPPERのあんたがたに挑戦します。
http://www.geocities.jp/vip_renaissance/
この2つ。上のは、非常に有名なフラッシュ。下のは、ある種のゲームのまとめサイト。
フラッシュはちょっと見てれば終わるけど、まとめサイトは去年の俺みたいに
Lazy Suits - それがVIPクオリティ
http://d.hatena.ne.jp/pho/20050720/1121865072
はまる可能性があるので、忙しいときには読み始めない方が良いと思う。
要するに2ちゃんねるということ。


匿名だから荒れるとか無責任とかいろいろとネガティブなイメージが持たれがちだが
忌憚のない意見が出しやすいとか、意見そのものが評価されるとかポジティブな面もある。
偉い人が書いたから正しいとかそんなバイアスはかからなくて、単に良いことが書いてあれば
賞賛されるという非常に健全な世界ではないかと思う。情報を選別するスキルのある人には有効なツールだろう。
今はweb全般的に2ch化してるからあえて2chを見る必要はないかもしれないけど。


何も工夫しなくても、2chには意見の独立性、多様性、分散性が備わっている。
集約性がなければ発散してしまってどうにもならなくなるが、そこさえなんとかなれば
きわめて有効なツールになり得るのではないかと感じた。wikiやblogによるまとめサイトというのは
ある種の集約だろうと思う。また、全体として何らかの目標を持って行動し始めたとき
ひとりでに集約されていって非常に大きな成果を上げているのではないかと思う。
まとめ.com
http://ma-to-me.com/
ネタに走ってるのが多いけど、こういうのって1人ではつくれない。
というようなことを考えていると、もう1つ重要な要素があるような気がした。
行動主義であること。
よくわかんないけど、とにかくやってみるよって人がいないと物事は動いていかない。
やっぱりVIPPERってすごいと思った。あの謎の行動力はどっから出てくるんだろう。