An evening with The Economist

いつも読んでいるThe EconomistのChairmanやEditorがシンガポールに来るということで、ちょっとイベントに参加してきた。立食形式で食事をして、その後2時間ほどいろいろ話を聞いた。

  • 開口一番に普通の雑誌と素晴らしい雑誌の違いは何かと問いかけ、それは読者だ、世界一スマートな読者に購読してもらえてうれしいというリップサービスから始まった。お馬鹿な読者でもわかるようにだらだら説明するメディアとは違い、端的な表現(short word, crystal clear meaning)でコンパクトにまとめ、忙しい読者が世界の出来事をざっと俯瞰できるように心がけてるとのこと(かなり意訳)。
  • 中国語版は出ないのか?という質問に対し、まず翻訳ってのは困難だ、次に我々が対象とするような世界に関心を持つ人々は皆英語を使えるもんだ、とばっさり。
  • シンガポールで数年前にリーファミリーとごたごたしたときに突っぱねなかったけど、なんで?という質問に対し、俺らそのとき担当してなかったし、知らん。まあ法律は守るよねとのこと。
  • なんでBritainの記事が多いの?世界的にアジアが注目されてるんだからアジア記事増やせよ、という指摘に対し、英国には購読者が200万くらいいるけど、アジアには100万くらいしかいないんで、すまんね。大人の事情だとのこと。(追記:一桁聞き違ったみたい。エコノミストは毎週約160万部発行していて、半分は北米らしい。)
  • エコノミストは時代に対応して変化している。最初はみんな英国人だったけど、今は5,6カ国の人が編集に携わっている。内容がinconsistentだったFace Valueをやめて、Schumpeterを始めた。こっちはconsistentなポリシーが貫かれている。
    • いわれてみれば確かにFace Valueはバラバラだったな。突然消えて何が起きたんだろうと思ったが、そういう意図があったのか。
  • 写真は、専門の会社を使ったり、フリーランスの写真家のものを使ったり。人目を惹くものがあれば使いますよとのこと。
  • 風刺画は、もう13年くらい同じ人にやってもらってる。
  • iPad版、ちょっと待ってな。11月中頃に出すよって言ってた。これは期待せざるを得ない。

この後、アジア開発銀行の人と中国建設銀行の人が加わってパネルディスカッション。アジア開発銀行の人は、アジアで今後解決していくべき貧困などの問題にフォーカスしていたが、中国の銀行の人は、合衆国政府、クレディスイス、ING銀行などで働いたことがあるといってる白人だったが、中国すごいぞのオンパレード。本当にそう思い込んでいるのか、ディスカッションを面白くするためにそういうポジションをとったのか、中国共産党関係者が見にきているのか、そこらへんははっきりしないけど激しく中国をアピールしてた。GEが恐れているのは中国だとか、太陽光発電も風力発電も電気自動車も中国が進んでいるんだとか。でも食べ物が安全じゃないというか、自国の食べ物を信用していない人が多いし、新卒も激しく就職難。賄賂とか汚職とかがひどいというけど、世界一ひどい場所はワシントンDCじゃねーの?ロビイストやばいだろって言ってたのは面白かった。
そんな感じでなかなか楽しめた。数十年購読している人がたくさんいたし、loyalty(忠誠心というと変だけど)みたいなものを感じた。これ自体が顧客と非常に良い関係が築けているビジネスの一つなのは間違いないだろう。大切なのは、この雑誌を読むことじゃなくて、うまく活用することなんだろう。どうやって自分の興味・関心のあることにつなげていくか。有益な情報源であることは、分野にもよるけどきっと確かだろう。こうして手に入れた新鮮な素材をどう料理するかってことだ。とりあえずいつも読んでいる雑誌を作っている人がこんな人たちなんだとわかってよかった。スラスラ読んで活用できるレベルを、当たり前のレベルに持ってくるにはもう少し時間がかかりそうだ。そんなところ。