「へんな会社」のつくり方 中編

4798110523「へんな会社」のつくり方
近藤 淳也
翔泳社 2006-02-13

by G-Tools

ではでは続きを。前編を書いた段階で全体的な引用は済んでいて、引用箇所が
けっこう多くなってしまったから「引用しすぎてしまった」と書いたけど
前編だけをみるとなんか意味不明だな。その後は引用しすぎなんだけど
自分の感想をちゃんと書けば引用の範囲に収まるんじゃないかと思う。

その情報を出すべきかどうかを情報発信者が判断しないということです。
全ての情報を出しておいて情報閲覧者がその情報を読むべきかどうかを
判断すればよいと考えるべきです

情報が淘汰されるというのはこういうことなんだと思う。
インターネットを利用し、自分で情報を公開し始めた頃からこういうことは
強く意識している。誰もがこんなことを公開してもしょうがないと思って
全然公開をしなかったらコンテンツがほとんどでなくなってしまう。
とりあえず出してみて、興味がなかったら見なくていいよ、というスタンス
であればある程度の量の情報は出てくるし、罪悪感なく情報が出せる。
メーリングリストとかだと読むのが前提みたいになってしまうので
なんか押し付けがましいような気がしてあんまり適当なことは書けないけど
読んでも読まなくてもいいblogだとけっこうやりやすいと思っている。
インターネット自体も全部読むことなんてできるわけないんだから
完全に情報が淘汰されていて、実に合理的に機能している気がする。

会議は全員で立って行っています。
話し合いがダレてしまって長引かないようにするためです。
議論が無駄に長時間に及ぶのを防いでくれます。
参加不参加を柔軟に選択できるようにしています。
社内のほとんどの会議をICレコーダーで録音し、社内のグループウェア
MP3ファイルで即座にアップロードしています。

このあたりも非常に合理的。自分が仕事をするときにこういうスタイルを
取り込んでいけたらいいと思う。やろうと思えばすぐできることだから。

ペアプログラミング
ペアで作業を行うため仕事以外のことは一切できない。
とりあえずというプログラムができにくくプログラムの品質が上がる
作業者間のノウハウが共有されスキル向上につながる

非常に効果的なのに、作業効率が半分になるとか思われてしまって
なかなか実行されていないらしい。プログラミングに関わらずペアで作業
したら効果的になるものは少なくないんじゃないかと思う。

遅くまで会社にいる人が偉いみたいな風潮が定着してしまわないように
気をつけながら短期集中でメリハリをつけて仕事ができる環境を作りたい
と思っています

まだ働き始めていないので理想論で考えてしまうのだが、やっぱり残業代で
稼ぐという形はなんかおかしいと思う。だらだらやっている人が多くお金を
もらう仕組みというのはなんか変だ。うまく評価する仕組みがないから
ある程度仕方ないとは思うんだけど、短期集中でやりたいものである。

毎朝好きな場所に座るフリーアドレス
毎朝ロッカーから必要なものを取り出し、図書館のように好きな場所に
座って仕事を始めます。前日と同じ場所に座ってはいけないというルール。
コミュニケーションの相手が固定化しない。オフィスが美しく保てる。

たしかシスコとかもそうだった気がする。営業が多くて座席を使用する
時間が短いのならわかるんだけど、長時間座って作業をする会社で
フリーアドレスというのはちょっと意外だった。普段からフリーアドレスで
やっているから移動オフィスとか合宿とかもスムーズにできるんだろう。

ブログで人材採用
興味深いブログを書いている人の採用率がとても高い
ブログはインターネット上の人格みたいなものだということです。
履歴書というのは一日あれば誰でも作れてしまうわけですが、一年分の
ブログというのは一年間かけないとつくることはできません。その中には
はてなへの入社を目的とした内容だけでなく、本当の自分の姿、興味、性格
などがより出ているわけです。

blogを書いて読んでいるとこの感覚はよくわかる。けっこう長期にわたって
blogを読んでいると性格とか価値観とかがにじみ出てきていて、
あったこともないのにこの人信用できるとか勝手に思ってしまう。
一年分のブログは一年かけないと作れないというのは名言だと思った。

偉くない管理職
開発者がこの案件を10日後に完成したいので工程管理をして欲しいと若い社員に管理を頼む

これも本来こうであるべきだと思った。エンジニアという職種はある程度
年齢が上がっていくと経営に携わったりや管理職になったりするけど、
管理する人って別に何も生み出してないわけで、偉いわけがない。
管理職が偉いというのは現場が軽視されていることに他ならないと思った。
最終目標が最前線で働くことになったりすると、これまでの価値観は大きく
揺るがされるだろうな。

社員のほとんどが自転車通勤をしている
社員で飲み会をしても帰りの電車の時間を気にしなくてすみますし、サーバーに問題が
起こったら夜中でも自転車で駆けつけられる安心感もあります。

このあたりを読んでいるとこの人のサービスに対する思いが伝わってきた。
雇われて仕方なく仕事としてやっているんじゃなくて、はてなというサービスを
いいものにしようという気持ちが前提としてあるんだと思う。他のブログサービス
では担当者の声などは伝わってきているのかどうか気になった。

これからも未知の不具合や脆弱性が発見されることを出発点にした方が現実的な場合もある。
不具合をゼロにすることと同時に不具合対処のプロセスをオープンにすることの重要性が
増しているのです。

何かが隠蔽されていることに対する不快感というのはあると思う。
ミスがあってはいけないけど、あったらあったで仕方ないわけで、
その対応としては誠実さがしっかり伝わるような対応がいいんだろう。
ちゃんと状況がわかり、がんばっていることが伝わってくれば
クレーマー以外はちゃんと評価してくれるはず。

予測市場の仕組みの優れている所はユーザーと運営者の利益が相反しないという点です。
お互いにどの要望を叶えるべきかという同じ方向を向いて議論ができます。

win-winの関係を築くというのはまさにこういうことをいうのだろう。
「みんなの意見」は案外正しいISBN:4047915068
この本がなんか読みたくなってきた。予測市場が今後どうなっていくのか
非常に気になる。

10年もすればユーザーからの意見が隠蔽されて、会議の内容が聞けないような会社
なんて信用できないといった社会になっているかもしれません。

個人的にもうすでに少しずつこういう感覚になってきている
なんでも公開すればいいってものではないけれども、ちょっと都合が
悪いと思うとすぐに隠す体質の会社の先は長くなさそうである。
しかも近頃は非常に嘘がばれやすい世の中になってきているので
さっさと情報開示をして改善策を協議した方がいいかもしれない。


かなり長くなってしまったのでこの辺でやめておく。
続きはまた明日。