マネー・ボール

4270100281マネー・ボール
マイケル・ルイス 中山 宥
ランダムハウス講談社 2006-03-02

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以前から気になっていたのだが、家にある本の山を見てこいつらを片付けた後か
と思って買わないでいた。しかし、文庫で売ってたので即買ってしまった。
確か梅田さんが書いた記事を読んで知ったはずなので、ちょっと発掘してみた。
メジャーリーグを楽しむための経済感覚と歴史感覚
http://www.mochioumeda.com/archive/president/040315.html
大リーグ的人材活用のパラダイムシフトは日本企業にも起きるか
http://blog.japan.cnet.com/umeda/archives/000772.html
本を読んでから改めて記事を読むと何が言いたいかよくわかる。


で、感想だが非常に面白かった。すぐ買えとお勧めできるくらい。
400ページくらいあって別に薄いわけじゃないけど、読むと面白くて
どんどん加速して非常に速く読めた。これで800円だから近年まれに見る
コストパフォーマンスの良さではないかと思う。


中身は、ヤンキースの三分の一しか年俸が払えない球団アスレチックスが
なぜヤンキースと互角に戦えるのかというもの。発想の転換と
客観的に物事を見つめる姿勢が非常に重要だということである。
打率の良い選手、打点の多い選手は年俸も高いが、打率とか打点という要素は
チームの勝利にどの程度貢献しているのかを定量的に見つめる必要があるらしい。
打席に入るときも一球ごとにこのカウントだと点数が入る確率は何パーセントと
打ち出して、本当にチームの勝利に貢献する要素は何かを見極めている。


出塁率が高い選手は非常にお買い得ということで、トレードでとってきたり
ドラフトでがんばったりしていた。そのあたりのリアルな駆け引きもしっかり
書かれていて非常に面白い。いかに自分の球団から放出する選手を高く見せるか、
いかに自分がとりたい選手をさりげなくとるかとか、交渉が半端じゃない。
素材も面白いけど書き方も非常に良かったんじゃないかと思う。