正確にはピットインではなくバッテリー交換なのだが、
昨日読んだThe Economistの記事が面白かったので、Better Placeという会社を
検索して、なんか面白そうなことやってるんだなと思って、さっき見てきたとこ。
The clean-car promise of Better Place | Electric evangelist
http://www.economist.com/people/displaystory.cfm?story_id=13570470
これがそのきっかけの記事。Face Valueに出てきた会社は、紹介がうまくて
いつも応援したくなってしまうので困ったもんだ。内容は以下のような感じ。
Shai Agassiさんという人が去年ベルリンでスピーチをして会場を沸かせた。
スティーブジョブズの後、テクノロジー業界で最高のセールスマンと言われてる。
(何この人、そんなにすごいの?ってよくわからないまま読み進める。)
今月日本でこの人の会社が、バッテリー交換ステーションを公開する。
前職はSAPで、トップの後継者と目されていたけど、辞めて会社設立したようだ。
車メーカーではなく、インフラの会社。携帯電話のビジネスモデルをまねて、
パートナー企業から提供された車を売り、時間ではなく移動距離で課金。
(電気自動車のレンタカービジネス?って思ったけど、違った。)
充電ポイントとかバッテリー交換ステーションとかどんどん作るらしい。
夜に充電して、需要ピーク時に戻したりするのをソフトウェアでやるとのこと。
懐疑論者はいろいろ言うけど、なんとか乗り越えていくさってのはいつものパターン。
で、疑問に思ったことがいくつか
- バッテリー交換のメリットって何?充電じゃいけないの?
- そんな簡単にバッテリーって交換できるの?
- なんで日本でやり始めたの?
ざっとこんな感じだが、実証実験をみてあっさり疑問点は解消された。
実証試験期間中土・日曜日を中心に会場内で試験の様子を一般公開いたします。会場内では、実験やベタープレイスのビジネスモデルに関するプレゼンテーションをご覧いただけるほか、バッテリー交換試験のデモンストレーション、チャージスポットのデモンストレーションをはじめ会場内を自由に行き来いただけます。
Better Place
場所は横浜の元町中華街駅から徒歩数分。使うのは日産の電気自動車。
充電ポイントもあった。中の撮影は禁止。
でもバッテリー交換の動画があったので、これを参考にされたい。
バッテリー交換のメリットは、スピード。今回も大体1分半でできてた。
現状では、15〜30分の急速充電で8割しか充電できないし、
家庭で普通に夜に充電して満タンにするには7時間くらいかかってるとのこと。
これではガソリンより時間がかかるから、普及の妨げになっているんじゃないか
ってことで、それならステーションで満タンの電池と交換しようって話。
時間のかかる充電作業は、ステーションでやっておくよという考え方。
コンセプトとして、子どもが使うおもちゃの自動車が挙げられていた。
動かなくなったら新しい電池と交換して、古いのは充電すればいいわけだ。
動画を見れば簡単にバッテリーを交換できるのがわかるはず。
ドライバーは乗ったままで車体の下で勝手に交換してくれるみたい。
バッテリーを下から持ち上げてつけるときに、多少ずれても良いように
4つの角にあるポール?が車体に突き刺さる感じになっていた。
日本に目をつけた理由は、国際的に競争力のある自動車メーカーと
電池メーカーがあって、それからオイルショックの時期等、過去に2度も
電気自動車を作ったことがあり、電気自動車の下地があると考えたため。
個人的に車を買う気は全然ないけど、ビジネスモデルとして面白いと思った。
シンプルだし、ここを標準化できればかなり大きいものが見込めそう。
「テスラ・モーターがiPhoneなら、我々はAT&Tになる」
Better Place - 石油なしの交通インフラを作る
こういう地味で手堅いのが強くなるんだよなと改めて思った。
家庭用の自動車でもいいけど、バスとかタクシーとか黒猫さんとか
レンタカーみたいな法人相手から始めると、ステーションが少ない間も
ある程度間が持つのかな、なんてことを考えたけど、車のサイズ違うから大変か。
自社でも研究・開発をして、電気自動車の普及の妨げとなるものを取り除くことに
専念するという考え方が非常に面白かった。ビジネスにもいろいろあるわけだ。