アショカ財団関連の本ということで気になって買った本。
前に読んだ同じ系統の本では、
Lazy Suits - 未来を変える80人
http://d.hatena.ne.jp/pho/20061231/1167531456
1ページ1ページ衝撃を受けたけど、この本は半分くらい。
自分の関心ある分野とない分野ってはっきりしてるなあ。
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いまいちピンとこない理由がわかった。サステナビリティビジネス
というよりも、チャリティーに近いものが取り上げられてるからか。
ただの寄付じゃないけど、寄付金前提なのが多く、やってることの
種類から仕方ないけど、自分をわくわくさせるものとちょっと違った。
障害者サポートとか子どもを守る電話とか低所得者の進学支援とか、
まあすごいとは思うんだけど、心を揺さぶられたりしなかった。
そこらへんの自分の感覚ってのを大事にしたら良さそうだ。
一番読んでてわくわくしたのは、ブラジルの田舎に電気をひく話。
安価な灌漑設備で土地を活用して、農民を豊かにする。
僕がこのプロジェクトを成功させなかったら、人々は生活のためにパルマレスを離れ、都市部へ出て行くだろう。そうなったら、誰にとっても最悪の結果になる。
ロサは農民たちに、牛一頭ほどのコストで電力を引けるとプロジェクトの利点を説明していた。二年後の1988年にはその約束を果たし、400世帯がおのおのの400ドルで電気を利用できるようになっていた。これは従来の17分の1に満たない安さだった。農家の75%が送水ポンプを、80%が冷蔵庫かテレビを購入した。
ある程度順調に進んでいたが、市長が替わってプロジェクトも足踏みしてしまう。
しかしアショカ財団に認められ、年間9600ドルの支給を受け、続けることができた。
そして92年、STAアグロエレトロという営利企業を設立し、太陽エネルギーをブラジル全土に供給し始める。「政府と10年ものあいだ押し問答を続けるよりも、この方がずっと手っ取り早いからね。」
太陽電池はコストがかさむけど、別の何かとセットで販売するという手法で解決した。
太陽エネルギーを応用して電気柵を設ければ、柵を張り巡らす費用は85%も削れるはずだった。農家は電気を利用でき、収穫を増やし、土地全体をよりよく管理できる。ブラジルは牧畜がさかんであるため、非常に大きな市場が見込まれた。
順調に進んでたのに、また政府の方針で電力会社が民営化され、足止め。
ロサは「せっかく築き上げてきたものが失われ、電力会社の知り合いもみなどこかへ行ってしまった。何もかもが変わってしまった。」とつぶやいた。
それでもロサはくじけていないようだった。「まわりの環境は以前と違うけれど、僕の仕事の重要性は少しも変わっていない。僕は起業家なのだから。目的を達するまでは前進あるのみだ。」
けれども、これまでの17年の歳月はどうなるのだろう?
「そりゃあ、腹は立つさ。考えるたびに、ひどく頭にくる。けれど、この怒りを前向きなパワーに変えて、解決策を見つけたいと思うんだ。」
その後も新たな放牧法など、様々な手法を組み合わせて支援を続けている。
やはりテクノロジーと行動力で世界を変えていくというところに
非常に心に響く何かがあるんだろう。この前向きさも。
技術って人がhappyになるためにあるものだと思うし、
誰かが喜んで初めて意味があるものだと思うから、
そのために自分が出来ることとか考えた方が良さそうだ。
自分にとってナチュラルな形で。
私はこの本の取材を始める前、社会起業家は「世の中や他人のために尽くしたい」との思いに突き動かされているのだろう、と想像していた。だが、そうではなかった。彼らは自分の熱い思いに従い、本能の赴くままに行動しているのである。そしてそのような行動をとおして、得がたい褒美を手にしている。
「自分を犠牲にしていると感じたことはないか」
「犠牲?とんでもない!そんなふうに思ったことは、ただの一度もないわ。私は人生を120%楽しんできた。今の仕事をするなかで、とても多くのことを学び、得たけれど、失ったものなどひとつもない。もったいないくらい、多くのものを手に入れたわ。」
強制されるとか、自分を犠牲にするとかとはほど遠い世界。
1、2年前と比べたらかなりそういう感覚に近づけてきたけど
まだまだ遠いなあと思った。動きながら考えよう。