自分の仕事をつくる

IDEOとパタゴニアに魅かれて借りた本。
自分のポリシー、こだわりのある人が
いろいろと語っていて、非常に楽しめた。

自分の仕事をつくる
自分の仕事をつくる西村 佳哲

おすすめ平均
starsスタイルの見直しを薦めてくれる本
stars実例が分かりやすい
starsすべての働く人たち、これから働く人たちへおすすめできる一冊
stars考えさせられる1冊
stars星5つ

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

触覚的に作業を進めていくと、本能的な部分がいい形で残っていくんですよ。

研究室にいたときは何かmakeしてたけど、社会人になってからやってない。
やろうと思えばやる時間はあるのにやってない。やる気がないのだろう。

観察精度が上がると、引きずられる形で、本人のデザインの精度も高まってゆく。デザインに限らず、スポーツや料理においても、模倣は基本的な上達法だが、そのポイントはまず観察を通じたイメージ精度の向上にある。
本人の「解像度」の高さが、その人のアウトプットの質を決める。

自分の認識できるレベルが上限。しっかりと観察することで
その幅を広げていくことが大切。自分の感覚を大事にする。

生活費もここではそんなにかからない。これは重要な話だと思うな。「そんなにお金がなくても大丈夫」となれば、やっぱり気楽に生きていける。

気楽に生きていれば、目的を見失うこともない。
何かに追われるような生き方だと、そもそも何をしたかったか
忘れてしまうような気がする。ぬるま湯すぎても困るけど。

とくに口にしなくてもわかっている「何か」を、互いに共有しているチームは強い。
触れた時にグッとくる、得も言われぬ何か。それを企画書に記述するのは無理だし、試みること自体ナンセンスだ。大事なのはコンセプトの精緻化より、むしろスタッフ間のコンテクスト(共有知)を育むことにある。いい仕事の現場には、その育て方がうまい人がいる。

言わなくてもわかること。このレベルまで達するのは大変だろうけど
究極にシンプルなかたち。こういうチームがいい。

デザインが「人を幸せにする」という本来の目的を離れ、デザインのためのデザインという堂々巡りに陥りはじめている。

デザインに限らずそもそも目的は何だったのかと考えた方がいいかも。

CADデータから削りだしたごく簡単な樹脂模型ですが、具体的なモノを手にしてミーティングを再開すると、言葉上の水掛け論はなくなって、より具体的で前向きなアイデアが出てくるようになります。
私たちは小さな失敗を出来るだけ多く、具体的に重ねることに注力しています。そのことによって、限られた商品開発の期間内にデザインの完成度を上げることができる。そもそも、他にいったいどんな方法があるのでしょう。

実践主義じゃないと物事進んでいかないと、個人的に思う。

たとえば私たちは、インターンシップ・プログラムという制度を用意していて、パタゴニアの仕事を二ヶ月ほど一時的に離れ、非営利組織のために働くことを奨励しています。
アウトドアで過ごす時間と、仕事に集中する時間のバランスが大切ですね。どれも結果的には、パタゴニアにフィードバックされるのです。社員の大半は一年間のうち十ヵ月を仕事に、残りの二ヵ月をそれぞれのアウトドア・ライフにあてています。
いろいろな意味で、お互いを信用していることが、私たちらしさかもしれません。

長期的に物事を考えられる会社じゃないと、きっとこういうことは
できないんだろう。でも、こういうことができるからこそ
この会社はさらに強くなっていくんだろうな。

彼が憧れ、目指していたものは、1+1が単に2ではなくそれ以上になるモノづくりだ。

その前に、まだ0.5くらいの自分が早く1にならないとな。

大事な人が自分のためにつくってくれたモノであれば、多少形がいびつでも、それだけの理由で価値が損なわれることはない。が、作り手との関係性や物語性に欠けるプロダクトは、モノそのものの美しさや機能に評価を集中せざるを得ない。

これは意識してなかったけどそうかも。本に感化されてってことが
数回とかじゃなくなってきてるのも、関係ありそう。
本を読んで、プロダクトにまつわるストーリーを知って
共感して買ってしまうとか、なんかいいお客さんだ。

パンは手段であって、気持ちよさだとか、平和的なことを売っていく。売っていくというか、パンを通じていろんなつながりを持ちたいというのが、基本にあるんだと思います。

手段と目的。手段も重要だけど、手段は手段にすぎない。

色や触感がどうということより、そのモノ自身が大事か大事じゃないかということの方を、私はずっと気にしています。

モノがどうのこうのというより、モノと自分との関わり方なのかな。
大事か大事じゃないっていう主観的なことが大切。

なんでも深く入っていくと、だんだんと細かい部分が見えてきます。森へ入れば、はじめは単純に見えていても、だんだん複雑になって違うものが見えてくる。だからすごい。食べ物もそうじゃないですか。なんでもそう。

学べば学ぶほどわからないことが増えるみたいな感じかな。
奥にどんどん入っていく。わからないことが増えたって、
それは後退じゃなくて前進なんだと信じられて
そういう状態を楽しめたらいいなと思う。

僕だって過去には遠い西洋に憧れた時代もあったし、アジアを歩き回ってみた時期もあった。でも、やはり結論は西洋ではないし、かと言ってアジアでもない。もっと個人的なことだと思うんです。僕は自分の個人的なことを、きちんと掘り下げて、一つ一つ形にしていきたい。別に一万人を相手にしなくたっていいでしょう?
自分がつくっているものは、自分に必要だからつくるんです。この茶碗も、ただ売るためにつくり出しているのではなくて、まず自分が使いたい。あとカフェで使いたい。目的はハッキリしている。そうでないと僕はモノをつくれない。自分が着たいとか、そういうことが重要だと思うんです。自分が欲しいものを少し多めにつくって、好きな人がいたらどうぞっていうスタイルです。
少しでも多くのモノをつくって売ろうとなると、いちばん安易なところにチューニングしていくしかないじゃないですか。しかしそれは、確実に目的を見失いますよね。

個人的にこれが一番心に響いた気がする。
さすがに4回もバックパッカーやれば、感覚的にわかってたけど。
外の刺激だって重要なのは確かだけど、最終的には自分がどうなのか
ってことの方がずっと大事なわけで、答えは自分の中にある。
それに気付いてからは、自分探しの旅じゃなくて
純粋に好奇心と楽しみの旅になってきたような気がする。
ただ行きたいから行くだけ。妨げる理由もないし。


自分の欲しい物をちょっと多めにつくるというナチュラルな感じが
すごく清々しい。webもけっこう似てるんじゃないかと思った。
自分が使いたいからソフトウェアをつくる。Just for fun。
ソーシャルブックマークだって、自分が便利に使うために
蓄積していくものだけど、もし見たい人がいたら見てもいいよって
感覚的にけっこう近いような気がする。個人が自分の好きなものを
他の人にもあげるとかつかってもらうとかいうのは、
物々交換っぽいな。貨幣は便利だけど、ものをつくる人と使う人の
距離が遠くなってしまうから、物々交換にぬくもりを感じる。
自分が提供できるもの、自分が受け取りたいもの
ちょっと離れるかもしれないけど、
そのへんも再度整理する必要がありそう。
というわけで、おすすめの一冊。