読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

サービスのリバース・イノベーション

読書

今リバース・イノベーションという本を読んでいるのだが、これが非常に面白い。以前ハーバードビジネスレビューでGEが新興国/途上国向けに小型の医療機器を作った話が取り上げられていたが、そういう話が盛りだくさんの本である。
簡単に言うと、これまではグローカライゼーション、すなわちグローバル向けの商品をちょこちょこローカライズして各地に売り込むという手法が取られていたけれども、そもそも根本的にニーズが異なる場所ではなかなか通用してなかったので、新興国/途上国のニーズに基づいて一から作ってみるという話だ。実際に作ってみると、先進国の中でも意外なニーズがあったりしてイノベーションが逆流(リバース)してくるということである。例としてインドの田舎向けに作られた小型診断器具が、先進国の救急車の中で使われるようになったとかそんな話。依然としてグローカライゼーションも有効だけれども、リバースイノベーションも無視できない存在になってくるだろうという主張だ。
大雑把に言うと格安の値段でそこそこの機能のものを使いたいというニーズに応えるために、削れるところを徹底的に削って、所々最新の技術を使って、地味にこれまで以上の利益率が出る商品を作ってしまうという例がたくさん出ている。意外とカニバリズムは起こらないし、自分たちでやらないと遅かれ早かれ新興企業にみんな持って行かれてしまうからやるべしと言っている。
異なるニーズを持つ人々に同じものを提供するのは最も効率がいいけれども、遅かれ早かれ難しくなるだろうというのは、日々実感している。今自分とアシスタントの2人で450件くらい特許ポートフォリオを管理しており、お客さんの数でいうとたぶん100社くらい(オランダ、ドイツ、イギリス、アメリカ、中国、日本、韓国、インド、オーストラリアなど)あり、お客さんごとにスペシャルインストラクションがあって(もうとっくに覚えた)、それぞれニーズが明確に違う。
今の会社は、中国、インドのようなコストに敏感な地域のお客さんに対して非常に消極的なのだが、これはグローカライゼーションと非常に重なって見えてならない。自分の仕事なんて基本的に手間賃なんだから、仕事のやり方を見直して、ボトルネックを突き詰めて、格安の値段でそこそこのサービスを提供するってのは可能だと思った。自動化できることは何か、お客さんが必要としてないものは何か、どうすればもっと無駄をなくせるか。お金の回収が大変なら先にお金をもらってからやるべきだし、そこはもっと効率化できそうだと日々感じている。そんな気づきを与えてくれる本だった。読み終わったらもう一度何か書きたい。

リバース・イノベーション
ビジャイ・ゴビンダラジャン クリス・トリンブル
ダイヤモンド社
売り上げランキング: 1,288